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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
69/71

069話 『開眼』

久刻の覚悟が試される時です。



7/20(火)



―――上空。



「燕さん、あーんしてくださいです」

「あ~ん…うん! おいしぃ~!」


瑪瑙になぜか『燕』と呼ばれているグライヴァーンは口を開いて瑪瑙から食物を食べさせてもらって喜んでいた。


「なぁ…グライヴァーン。なんで燕って瑪瑙に呼ばれてんだ…?」

「それはですね!先程もう一つの名前を教えてもらったからです!」


翔が聞くが瑪瑙が代わりに答えた。


「こっちの方が女の子らしくっていいでしょ?マッスター♪」

「ま、まぁそうだな…なら俺も今度から燕って呼ばせてもらうぜ!」

「了解っす!」

「なぁ? ところでその異常なまでのテンションの高さはどうにかなんないか?」

「これが地なんですよぉ~? マスター♪」


それで翔は頭を悩ませて、


「…あ、頭が痛くなってきた………で? ちゃんと目的地には向かってんのか?」

「任っせてくださぃ~! このペースで何回か休憩・仮眠をいれていけば明日の夕方頃には到着するですよ~」

「明日か…歩いていくよりは飛躍的にマシになった。感謝するぞ燕さん」

「燕でいいですよぉ~」

「わ、わかった…」

「それより、楓ちゃんや皆さんは大丈夫かな…?」

「あいつらのことた。きっと大丈夫だろう? 今は信じるしかないからな」

「はい…(楓ちゃん…)」



◆◇―――――――――◇◆



―――フォースピア・ある森の中。



「ん?…衛巳?」


楓は衛巳の声を感じ取ったのかどこかを振り向く。


「どうしたの楓さん…?」

「いえ…ただ一瞬、衛巳の声が聞こえたもので…」

「そう」


ガリウス、久刻、クリス、楓の四人はいなくなったみんなとはいずれ会えると信じ、地道にフェニキアへの道を辿り、昨晩は途中で通る森の中で一夜を過ごしていた。


「さて、もう日も上がり食事も済ませましたことですし先に進むとしましょう」

「あ、奈義会長…」


久刻はさっさと片付けて支度を始めていたが、昨夜はしっかりと睡眠をとったというのになぜが疲れた顔をしていた。


「奈義会長…なんであんなにお疲れなのでしょうか?」

「それは彼は昨夜も寝ていなかったからよ。いえ、たぶんこの世界にくる以前から眠るという行為はあまりしていないんではないかしら?」

「えっ!?」


ガリウスの予想にクリスは驚く。


「それは…もしかして例のあれですか?」

「十二神将…きっと昨晩も残り一体の朱雀とやりあっていたんでしょうね。きっと焦っているのよ。自分だけがまだ十二支として覚醒を果たしていないことに…」

「奈義会長…今までそのような素振りは一切見せていなかったですのに…気づいて差し上げられなかったなんて、わたくしは…」

「そう落ち込むことではないわ。きっとそれは彼が自分の弱みを見られるのはプライドが許さないのでしょうし…」

「奈義会長…」

「クリス先輩。今は奈義先輩のことを信じて先に進みましょう。あの人ならきっと…いえ、あの人だからこそ大丈夫だと思います」

「そうね」

「はい…」



そして四人はまた歩きだして森を出ると一つの村らしき集落が見えてきたのでとりあえずまずはそこで情報を集めることにした。




―――フォースピア・???の村。



その村は来てみたはいいが人通りがまったくといっていいほどなく、人気も感じられない。

…そしてなにより点々と並ぶ家々はもう何年もほっとかれているようだ。軋み、ヒビ、埃…他にも数々のものが年季をおびている。


「ここはすでに捨てられた村なのだろうか…?」

「でも、何か変ね…?」

「なにがです?」

「いくつかだけれど近くのどこかの家に命の灯火が感じられるわ。……、こっちよ!」


ガリウスは急いでその感じる家へと向かった。

そして勢い良く扉を開くとそこには…


「やっぱり…」

「うっ!」

「これは…!」

「ひどいですね…!」


一同が目の当たりにしたものは何人もの人が糸のような特殊な縄で縛られ体はもう骨と皮しかないようなまでに痩せ細っていた。

中には死んで白骨化しているものさえもあった…。


「…盗賊、かしら? それにしては金目のものは置いてあるから変だわ」

「でも…ひどい、ですわ…」

「そうだな。しかしこれは縄か? それとも……、ん? 危ない! 焼き尽くせ縢鉈!!」


久刻はとっさに三人の天井めがけて縢鉈の炎を放った。


「ピギャアーーーッ!!?」

「「「!?」」」


その耳に障る嫌な叫びを聞き三人は上を向くとそこには巨大な蜘蛛がいた。


「きゃっ!?」

「やつが怯んでいるうちに外に出るんです!」

「は、はい!」

「くっ…私としたことが! 外にもきっとたくさんの巨大な蜘蛛がいるわ!」


ガリウスがいった通り外には大量の巨大な蜘蛛が出現していた。


「クリスさん! 楓さん!」

「「はい! 解咒!!」」

「私もいくとしようか!」

『(…まだならぬ)』

「なに…な!?」


カッ!ブワァッ!


謎の声の後、久刻は炎の縄で体を縛られさらに勝手に貴人が発動し久刻は結界の中に閉じ込められた。


「奈義会長!? あっ! 光武の舞!! はっ!」

「やっ! はっ!」


バシュッ!

ドシュッ!


「ギャアッ!」

「…弱いが数がいる分、きりがない」


二人は蜘蛛の群れを防ぐことで手いっぱいであった…。


「十二神将が…なぜ主を?」


ガリウスは二人が戦っている間、一人傍観していた。

なぜかといえば以前ガリウスは、


『…私は皆さんの戦いを見守るもの。だからこれ以上ダメと思った時だけ助けましょう。これもあなた達の成長のためです…』


という誓約を自分に立てているからだ。


「この声は…あなたですか“朱雀”!!」

『いかにも…久刻よ、主の今の力では対抗は不可能ぞ…』

「なにをいう!? 私は戦えるぞ!」

『…まだわからぬか? 見るがいいあの二人を…主を気遣いながらも必死になって戦っている…』

「ならば早くこれを解いてはくれまいか!? 助けにいかせろ!」

『助けたいならば我に力を示せ…! 想いという名の力を…!』

「前にも聞いた台詞だな…どういう意味なんですかね?」

『主の胸で考えるのだな…それまでこれは解かん。そして契約もせぬ…』

「くっ…!」


「…ふぅ…ふぅ…、くっ! はぁっ!」


バシュッ!


「会長は守ってみせますわ!」


「シャシャシャッ!」


ブンッ!ガキンッ!


「くうぅ…!」


クリスは大蜘蛛の爪による攻撃を鉄扇でなんとか防いでいたがそこにもう一体の大蜘蛛がクリスに襲い掛かった。


「いけないですわ!」

「クリス先輩!」

「クリスくん!」

「クリスさん! まずいわ…!」


ガリウスが助けに入ろうとした瞬間、


タッタッタッ!


「…ニュルンベルグ! 起動してください!」

『Yes, master(はい、マスター)』


ドカアンッ!


「ピギッ!?」


突如、クリスを襲おうとした大蜘蛛はいきなり現れたシスターらしき服を来た女性により殴り飛ばされそのまま倒れ動かなくなった。

見た目はとてもありえない光景であった…シスター服の女性が拳に鋼のグローブを身につけて立っている。

弓やその他遠距離用の武器ならまだ絵的に許せる。だがシスター服というもっとも動きにくい服装でこの武装…まさに異様だ。


「あ、ありがとうございます。…その、あなたは…?」

「…わたくしの名はアイラ…アイラ・メイデン…大丈夫でしたか、あなた?」

「は、はい…」

「アイラなの!!」

「あら…ガイウスではないですか。お久しぶりでございますわね」

「…ランカに続きアイラに会うなんて」

「あら! ランカさんとお会いしたのですか! お元気そうでしたか?」

「この状況でよくそんなことが聞けるわね…?」

「…この状況~? ガイウスなら一瞬ではなくて…?」

「今はこの子達の成長を見守る役目をおっているのよ…だから私は手を出さないわ」

「まぁそうでしたの…。でも、それならわたくしにはまったく関係ありませんことね…?」

「…え? あ、待ってアイラ…!」

「ニュルンベルグ…」

『I understand. All the enemy capture ... The contents of a duty 【Full destruction】, Action start!(分かりました。すべての敵捕捉・・・任務内容、【完全破壊】。行動開始!)』


シュッ…!


次の瞬間、アイラの姿は消えあちこちで無機質な声の主、ニュルンベルグの『crush!(粉砕!)』という言葉が何度も聞こえてきた。

数十秒後…、


ザッ!


「……」

『perfect!(完璧です!)』

「あなた達に憐れみを…」


アイラはもといた位置に戻り、目をつぶり祈るように手を重ねながらその言葉を発し…気付いた時にはすべての大蜘蛛は動かなくなっていた。


「…どう、なったんだい?」

「蜘蛛の群れがすべて動きませんわ…」

「もう二度と動くことはございません。なぜならもう死んでいらっしゃるからですわ」

「え…ですが目立った傷は一つもないですのに…?」

「…アイラの武器は意志を持つ宝具の一つなのよ。そしてその特殊能力は…」

「内部崩壊ですわ…わたくしは血を見ることをあまり好みません。ですから中身だけをすべて砕いただけのことですわ…」

「恐ろしい武器ですね…」

「よかったですわねニュルンベルグ。誉めてもらいましたわよ」

『Thank you.(ありがとうございます)』

「いえ、誉めたつもりはないんですが…」


そして久刻は、


『…倒すべき悪意はさった…久刻よ、次に戦う時までに主とともに戦ってくれているもの達のことを…我ら十二神将との契約の本当の意味を考えておくのだな…』

「……」


ブワッ!パキャンッ!


そして朱雀の声は聞こえなくなり、同時に貴人の結界も砕けた…


「契約の本当の意味だと…? どういうことだ…!?」

「会長…」

「……」


皆が心配そうに久刻を見つめている中、アイラだけは少しばかり目を吊り上げていた…

そして久刻に近寄り、


「あなた…その子達をどういった力で操っているんですの…?」

「操り方…?」

「そうです」

「それは…己の力を示し自分が主人だと認めさせることではないのですか…?」

「そう…確かにあなたの考えも正しいといえましょう。ですがそれではあなたはいつになられてもその子達を完全に従わせることは無理でしょう…」

「っ!? なぜなんですか! ではどうやればいいとあなたはいうんですか?」

「それは…自分自身で捜し出すことですわよ。わたくしもそうだったように…」

「アイラ…あなたは一体どうして…?」

「…神の導き、ですわ。

迷い人を正しき道に進ませるためにわたくしはこの地にやってきたのです。

…思ったとおりといいましょうか? まだこの方は契約の本当の意味というものを理解しておりません…」

「朱雀と同じことを…」

「もっとこの子達の事をしっかりと見て考えてあげるのですわ。従わせるということはどういうことか…?」

「見つめ直せということですか…?」

「どう解釈するかはあなた次第…さぁニュルンベルグ、次の救いを求めている地へとまいりましょうか…」

『Yes, master(はい、マスター)』


キッ!

ニュルンベルグは返事を返すと光ってアイラの両耳のピアスになった。


「アイラ! 待って…!」

「ガイウス、その子はじき目覚めますわ。…そして…あなた達に神のご加護があらんことを…」


シュッ!

そしてアイラもランカ同様ですぐに姿を消してしまった…


「…ガリウスさん。あの方もあなたのことを本名で読んでいましたが…もしかして?」

「えぇ。アイラも私やランカと同じ不死者よ」

「あの方がですか!?」

「そう。アイラも遥かイニシエに経緯は違えど不死者になったもの。そして私の仲間よ」

「もしやするとガリウスさんのお仲間は皆、不死者なんですか?」

「さぁ…それは私にもわからないわね? それより久刻くん、アイラの言っていたことでなにか掴めましたか…?」

「……、いえ。ですが必ず理解してみせます!」

「そう」

「あの…奈義会長、頑張ってください。わたくしにはただ応援することだけしかできませんから…」

「ありがとうクリス君」



そして一同はこの完全に朽ちてしまった村を離れ先へと進んで今はどこかの大樹の下で休憩中である。



久刻はこれを機会に天空を呼び戻して三人から離れた場所で一人で神将達に語り掛けていた。

唯一自由に喋れる天空が代弁をしてくれている。


「…天空。私はなにか間違った契約をしてしまったのか…?」

「…それは…」

「言えないか…?」

「すみませぬ」

「いや謝らなくていい。それは私がまだ未熟ゆえなのだからな…」

「…ご主人。一つお聞きしたいことがございます。よろしいでしょうか…?」

「なんだ、言ってみろ?」

「はい。ではご無礼ながらご主人は俺たちのことをどう思い、そしてどう力を行使しておりますか?」

「どうというと…なんだ?」

「ご主人は我ら十二神将をただの力だと、として使っておりませんかということです」

「どういう意味だ?」

「人工的に創られた我らとて意志は、人格はございます。

それだけでも心に留めておいてほしいのです…でなければ我らはご主人にただ使われるだけの兵器となっていずれ力を失ってしまいます…」

「なんだと!? では、私はどうすればいいのだ!? 教えてくれ天空!!」

「…朱雀には言うなと止められておりましたが…しかたございません。

ご主人、ただ我らを強制して使役するのではなく、協調し心を通わせてともに戦う戦友として我らを行使してくだされ。

さすれば朱雀はかならず力になってくれることでしょう」

「……、(確かに私は今まで彼らを強力な力とだけしか見ず、その本質を見ようともしていなかったな。

あげく無理矢理に力で縛り行使してきた結果、神将達の長の朱雀は私の力にはまだなってくれないでいる…こんな使役師としての初歩を忘れていたとは…我ながら恥ずかしいな…)」

『あぁ、確かに困ったやつだ…久刻、おまえは』

「朱雀か…?」


その時、朱雀の符から声が聞こえてきた。


『天空…あれほど自分で気付くまでいうなと言っておいただろうに、主人想いなのかはたまた馬鹿なのか…?』

「当然のことをしたまでだ。ご主人がお困りなら助けるのが従者の役目」

『ふっ…だがここまで言ったならもうわかるな? 久刻!』

「あぁ、任せたまえ! さあ朱雀、今一度私を試してもらえないか?」

『いいだろう!』


そして久刻と朱雀との最後になるであろう試練が始まった…



◆◇―――――――――◇◆



…その頃、クリス達は先程の村で倒したはずの巨蜘蛛と再度戦いをしていた。


「なんでまた蜘蛛の群れが…!?」

「わかりません。ですがもう戦うしかないようですね! 解咒!! 一気に決めます! 風神爪弓変形!!」


カッ!


すると風神爪弓は弦が引っ込んで左右の支えの部分から刄が露出しまるでブーメランのような形になった。


「風輪舞! 風よ、風輪舞に集まれ!」


ズアアアアッ!


風輪舞に風が集まっていき、


「せぇの…、やあぁっ! 風輪舞…乱襲!!」


チャージを終え楓は振りかぶった瞬間、思いっきり回転をつけて風輪舞を投げ放った。


ズシャアアアアーーーッ!


「ギシャアァッ!?」


風輪舞は次々と蜘蛛達を真っ二つにしていった。

風輪舞は楓の風を操る力で自由自在に動き回りまさに蜘蛛達と踊っているように見えた。

それはさながら舞踏会を見ているかのような…いや、言い直すならば殺人舞踏会だった。


「あんな使い方をするなんて…子乙さんは使ったことはなかったのに…」

「いえ、ただ子乙さんが前に見たことがあるとかないとかで試しにやってみたんですがね…」


楓はすべての蜘蛛を切り裂き終え帰ってきた風輪舞を風神爪弓に戻しながらガリウスに答えていた。

いつのまにか楓は『碧風(そうふう)宝玉(ほうぎょく)』を使って第二解放を果たしていたらしく額に『子』の紋章が浮かび上がって目は翡翠のごとき緑色になっていた。


「前に…? あ、『魔氷弩弓(まひょうどきゅう)』の華月氷輪のこと!?」

「そうらしいですね」


『魔氷弩弓』とはかつて十字暗殺部隊の一人『弥冬(みふゆ)』の扱った闇の武器である。


「すごいですわ!もう敵は動きません!」

「…いえ、よく見て。切り裂かれた蜘蛛達の様子がおかしいわ!」

「「!?」」


ガリウスの言葉に反応して見るとすべての蜘蛛の残骸が震えだしていた。


「な、なんですの?」

「あ、見てください! 蜘蛛の中から…あれは、影!?」

「なんでこの世界に影が!」

「見てください!蜘蛛さん達の体が一ヶ所に…」

「いやな予感がしますね。話によりますと来豪という奴は影を一つにして巨大化したと聞きます」

「そうよ」


そしてすべてが一つに合わさり現れたそいつは巨蜘蛛の何倍もの大きさ…見たかぎり十メートルくらいはあった。


「シャアアアアーーーッ!!」

「大きい…!」

「こんな大きなものとどうやって!?」

「それは私に任せてもらおうか」

「「「!?」」」

「この声は奈義会長! でもどこに?」

「クリス先輩! 上です!」


上空には朱色の翼をはばたかせている久刻の姿があった。


「あの翼は! ついに朱雀も従えることに成功したのね!」

「いえ、従えてなどいませんよ。ともの仲間として戦いをすると誓っただけです。いきますよ、朱雀!」

『あぁ、久刻。いや我が主人よ!』

「…そして、そろそろ出てきてはくれませんか? 巌時殿?」

『(…よかろう。)』


カッ!


その時、時空銀の宝玉がついに久刻に応えた。





―――久刻の精神世界。



『ついに十二神将をすべてものにしたな、久刻よ』

『はい』

『これでわしも主に力を授けることができるぞい。受け取るんじゃ久刻!』


その瞬間、久刻に力が流れ込んできた。すると十二神将の符がすべて紫から黄色に変化した。


『これは…』

『十二神将…いやすべてを統括するワシの紫符は主のために新しい姿に変化した。

その名も【虚空符(こくうふ)】じゃ! さぁいけ久刻! ワシらの想いをなしとげんがために!』

『任せてください!』



そして久刻は現実に戻ると手元にあったすべての符は虚空符へと変わっていた。そして、


「力が、みなぎる…ゆくぞ! 出でよ青龍!」


カッ!


久刻は青龍の剣を出現させ、


「朱雀! オーバーヒートだ!」

『了解した!』


瞬間、朱雀の炎が剣に宿り燃え盛る剣となった。


「くらいなさい! これが、私達の…力だーーーっ!!」


ズバァッ!


「ギュアァアッ!!」


翼をはばたかせ影蜘蛛へと急降下していき勢い良く上から下まで真っ二つに両断し、燃え上がりチリも残さず消滅した。

そして久刻はみんなの前に降り立った。


「終わりましたよ」

「やりましたね久刻くん」

「素敵でしたわ…!」

「ありがとうクリスさん。さぁ進みましょうか」

「そうですね」



そして四人はしばらく歩いていると空から突然巨大な鳥が降りてきた。

その背中には秦達が乗っていた。


「四人ともご無事でしたか!」

「はい」

「しかしこの鳥は…?」

「ただの鳥じゃねぇよ。俺と契約した精霊の燕だ!」


翔達はことの経緯を四人に話した。…少しばかり削られている部分はあったが。


「そうであったか」

「それより久刻…ついにお前も覚醒したか」

「あぁ、これで私も皆と一緒に戦うことができる」

「そうか」

「さ、皆さんも私に乗ってください。全然大丈夫っすから~!」

「はい。これからよろしくお願いしますね燕さん」

「はいよろしくお願いしますぅ~!」


そして燕は新たに四人を乗せてフェニキアを目指すのだった。

その空の旅の道中、


「…ですが翔先輩?」

「…ん? なんだ東条?」

「意外に隅におけませんね。一国の姫様に抱きつかれキスまでされてしまうなんて…」

「ぶっ!? な、なぜそれを…! さっき話さなかったろ!? あ、まさか!」

「ごめんなさい翔兄さん…」

「あれは話すなというにはいささか無理があったんでな」

「はいです」

「し、秦兄まで…」

「気を落さないでくださいマスタ~。ププッ…」

「…、おい燕? 慰めてんのか笑いたいのか…どっちなんだこらっ!?」

燕「どっちもはダメですか…?」

「いい度胸じゃねぇか、おい…!」

「まぁまぁ翔さん、許してあげてください。それに…恋愛はよいものですわよ? そう恥じることではありませんわ」

「そうだぞ翔くん」


クリスと久刻にそう言われて翔は怒りを収めていった。


「くっ…お二人に言われちまうとなんにも言えなくなっちまうのはなんでだ?」

「「「「「「ははは!」」」」」」


そこでどっと笑いが起きた。


「だぁー! 今はそんな事を笑いあってる状況じゃねぇだろ!! 燕! 早くフェニキアにいくぜ! 飛ばすんだ!!」

「照れ隠しもかわいいですねマスター♪ はい、わっかりました~!」

「一言多いんだよ!!」

「ふふっ…(後は真紅さんに海斗くん、雫さんに輝羽さん…無事進んでいますでしょうか?)」


ガリウスは四人の心配をしていた。



◆◇―――――――――◇◆



―――フォースピア・???、洞窟。


「…ん…」


四人はどこかの洞窟に横たわって気絶していた…


「なにかの力を感じてきてみれば…」


何者かが気絶している真紅達の前に現れた…




――to be continued.


新たに出現したアイラという人物。

不死者で最強設定です。宝具ですがとある魔法少女設定を使っています。

最後に気絶している真紅達の前に現れた人物は何者なのか…。

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