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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
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066話 『倍率の高い代償と別れと』

異世界にやってきました。




鈴架を救うためにガリウスの協力のもと、異世界フォースピアにやってきた一行。

だが、来た早々にこの世界の魔物の一種『ポイズドラゴン』の群れに目をつけられ襲われそうになったが突如としてすべての魔物はいきなり現れた人物。

名を『雲雀ランカ』。

によって見えない力で一瞬ですべて倒され、しかもその人物はガリウスのことを知っているだけではなく真の名も知っていた…。



―――フォースピア、荒野。



「…やはりあなたはランカ! 雲雀ランカね!」

「…やっと思い出したね、ガイウス…」

「久しぶりね…」

「あぁ…」


再開の挨拶をした後、ランカは腕を組み話を切り替えてきた。


「ところで…なんだそいつらは?」

ガリウス「あ、彼女達はいつか前に話した十二支の生まれ変わりの子達よ」

「ふ~ん…?」


ランカは興味深そうにみんなを見ていたがすぐにやめると灰色の空を見上げていた。


「あ、あのガリウスさん…えっと…あの方は誰なんですか?」

「古い友人、よ。ランカ? 挨拶をしたらどう?」

「わかった…僕はエルフ族の雲雀ランカだ。…くれぐれも一つ言っておくが…僕は男だ。そこのところ…よろしく」

『うそ!!?』


一同はランカの言葉に驚愕していた。


「やっぱり、か…お決まりの反応をしてくれる…」

「くす。相変わらずね…もう気にしていないのかと思っていたわ」

「一生無理だな。この声…この顔…この名前…そして極めつけはこの長い髪…そうそう忘れられるものではない…」

「なりゃ切ればいいじゃん?」


翔がそう言う。


「こら翔! 初対面の人にたいして失礼だぞ?」

「そうですよ翔兄さん!」

「だけど本当のことだろう?」

「それは…難しいと思うよ? 翔先輩」

「なんでだ東条?」

「よくわかりませんがこの人はこの人なりに切っても無駄だということがわかっているから切らないんではないですか…?」

「彼女の言うとおり。考えが甘いな…お前は…、………すまない。僕も名乗ったのだからお前達も名乗ってくれないとこちらとしては困る」

「そうか。俺は翔、雲隠翔だ」


そして翔に続くようにみんなはランカに自己紹介をした。


「…それでだ。エルフ族は寿命が長い分髪が伸びるのも早い…だが一定の長さまで伸びれば自分の意志で成長を止めることができる。この長さが僕の最低限なわけ…わかったか?」

「すごいですわね…」

「それよりランカ、どうして私たちがここに来ることがわかったの…?」

「簡単なこと…僕は今は一人旅をしているが、ふと時空変動を感じ来てみたらガイウス達がいたというだけ…」

「…えっ?それじゃあなたは今あの方達の所在はわからないの…?」

「…あの方? “フィール”と“アカリ”、“アイラ”のことか?」

「そうなのよ! 今回はあの方の力を借りるためにこちらに無理を通して皆さんを連れてきたんです…!」

「…なにが目的?」

「妹を…鈴架を助けてもらうために来たんです!」

「妹…?」

「これよ…」


ガリウスは水晶玉に収められている鈴架の魂と身体をランカに見せた。


「これは…一時的に魂と肉体が離れている状態か…」

「さすがね、その通りよ」

「…まさか力を借りるっていうのは…!?」


突然ランカの顔がしかめっ面から厳しいものへと変わった。


「そう…あの方の力なら!」

「…よした方がいい」

『!?』

「どうしてそういうこと言う? きみは!?」


雫が激昂している。


「理由を知りたいか…?」

「はい! ぜひ!」

「ふざけた理由だったらぶんなぐるからな!」

「…血の気の荒いことだな。それは失敗する確率が非常に高いということだ」

「失敗…? なにか副作用といったものがあるのかい?」

「副作用なんて生易しいものじゃない…げんに僕はその失敗を受けた身だからだ…」

「ランカ、それは…」

「わかってる。でももう僕はあの方を許しているから気にしないでいい。だがこれは遅かれ早かれ伝えなければいけないだろう…?」

「確かに…、…そうね」

「…あなたの身になにが起こったのですか?」

「……ふ……だ」

「え? 今なんていったのですか?」

「もう一度言う…不死だ」

『!!』

「僕は過去に何者かの襲撃を受けなにもできずエルフの里は滅ぼされた。

…その時、生き残ったが死ぬ寸前だった僕をその方は俺を助けようとした。

だけどその方も僕達同様にその謎の敵に呪いを受けていたらしく失敗して呪いが僕にも転移して僕は不死になってしまったのさ…」

「……」


一同はそれを聞いて哀れみの顔し、同時にその話が本当ならこれは危険な賭けだということはすぐにわかった。


「だから、それでもこの娘を救いたければいくんだ…猶予はないのだろ?

あの方達は今ははるか西方のある火の精霊が住まうと言われる奥深き森『フェニキア』にいる。

…それと忠告だ。今、この世界は混沌の渦に包まれている…無残な現実を目の当たりにすることだけは覚悟しておけ。

では僕はこれで…ガイウス、その子らを守ってやれ」

「わかったわ。それであなたは…?」

「僕はあの方に呪いをかけた奴を探しだし必ず殺す! そのために旅をつづけている。ではなガイウス…」


そういってランカは姿を消した…



「無残な現実、か…」

「…確かにまわりの現状を見るだけでもそれはわかるな。荒れ果てた大地、どこまでも続く灰色の空…」


秦と久刻が二人して空を見上げる。


「…前はまだこんな世界ではありませんでした。それがどうして…?」

「そうですね」

「そんなこたぁ後で考えればいいだろ? 今はそのフェニキアとかいう森に早く向かおうぜ!」

「待って翔くん。フェニキアに向かうにはまずは情報収集が必要よ?

私が前に来たときより時代は動いて今は私もどこになにがあるのかわからないわ…。あなたもそうでしょ輝羽さん?」

「はい、確かに…指を指した方向に進んでいくだけでその森がすぐに見つかるとは限りませんからね…」

「やっぱりどの世界でも方法は同じということね…」

「そうですね。それにこれは僕達の専売特許ですからね」

「あぁ、任せてもらおうか。天空! まずはこの方角に町か村はあるか調べてくれ!」

「御意に!」


そして天空は彼方へと飛び去っていった…


「…さて、いきましょうか皆さん」


ガリウスが一同にそう告げた直後だった…

突然地面が揺れだして巨大な地震が発生した。


「な、なんなの!?」

「…消え去れ…」


すると地面から響くようにドスの入った何者かの声が聞こえガリウスは慌てだした。


「これは…なんてタイミングなの!? 久刻くん結界をはるわ!」

「わかりました!」


だが突如地面が割れた!


「きゃっ!」

「くっ…!」

「クリスさん!」

「楓さん!」


ガリウスと久刻は地面の穴に引きずり込まれそうになった二人の手をとって結界をはった。

そして次の瞬間、地面の穴から一同をばらばらにするかのように分厚い地表が浮かび現れさえぎった。


「真紅さん! 皆さん!!」


クリスは必死に叫んだが助けることが間に合わなかった他の者の声は聞こえてこない。

そして地震は少しして納まった、が…


「切り刻め、天后!」


久刻は天后を使い巨大な竜巻を発生させ出現したすべての岩の壁を砕いたがそこにはもうすでに誰もいなかった…。


「皆さん…そんな…」

「ガリウスさん…これはなんなんですか!?」


楓が気持ちをなんとか落ち着かせながらもガリウスに聞き出す。


「皆さんはランダムにこの世界のどこかへと飛ばされてしまいました…“転移神”の手によって!」

「転移神、とは…?」

「この世界に住む大地の神の一部が邪の気に侵され変わり果てた邪神です。

…いじわるが好きな陰気な性格ですのでいつ現れるのかわからなかったのですが…こんな時に仕掛けてくるなんて…仕組まれてやられたとしか思えないわ」

「…皆さんは、無事ですかね?」

「たぶん平気よ。

転移させられるだけだから…それにさっき一瞬ですが皆さんの気を追ってみましたところ二手に別れたようですね?

その両方の組にはそれぞれ輝羽さん、瑪瑙さんがいますからきっと大丈夫です」

「そうですか。ですが念のため天空を全方向に放ち彼らを探します」

「お願いするわ。…皆さん、彼らとはきっとまた会えます。だから今は挫けないで私たちだけでも前に進みましょう?」

「はい」

「わかりました」

「ではいきましょうか」


そうして残された四人はフェニキアへと向かって歩いていった。



◆◇―――――――――◇◆



「っ…くっ! はっ…!?」


秦は目を覚ましなにが起こったのかすぐに思い出し周りを見回した。

すると近くには翔、衛巳、そして瑪瑙だけしかおらず、三人はまだ気絶していた。

秦達が気絶していたところは平野だが草木が生えていて先程の荒野よりはまだマシな場所であった。


「…ふう。三人は気絶しているだけか。しかし、ここはどこだ…? 他のみんなとははぐれてしまっているようだしな…」


少し遠目で見てみた。すると一つの古い小屋が林の中に立っていた。


「…とりあえず手がかりもないしあの小屋に人が住んでいるかはわからないが行ってみよう」

「…うぁ…くあぁぁ~…ん? 秦兄、ここはどこだ…?」

「秦兄さん、みなさんは…?」


二人が後から起きてきた。


「…わからない。だから今は一つでも手がかりがほしい…というわけなのであそこに立っている小屋に行ってみようと思うのだが…?」

「しょうがねぇか」

「そうですね。それじゃ早く瑪瑙ちゃんも起こそう秦兄さん?」

「そうだな」


しかし中々起きない瑪瑙を仕方なく秦はおぶってその謎の小屋へと歩いていくのだった…。




――to be continued.


散り散りになる一同。

果たして合流することができるのか…。

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