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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
52/71

052話 『残される想いの形』

ルビ、ラビ決着です。


6/15(火)




翌日、雲隠家では秦、翔、衛巳、瑪瑙の四人が学校に行くために外に出ていた。


「では行ってくる」

「行ってくるぜ!」

「行ってきます」

「行ってきますです!」

「はい、行ってきてください」

「頑張ってくるのよー!」


それを見送るラビと静。

そして四人は学校へと向かっていった。


「さて! 全員送り出したことだし、ラビ! ちょっと買い物に行きましょ!」

「え? あ、はい…」




「しっかし昨日は片割れのほうが攻めてこなくてよかったよな?」

「片割れと言わないほうがいいぞ? ルビさんも操られているだけなんだからな…?」

「わかってるわかってる」

「ラビさんの前では言ってはいけないですよ?」

「でも、ルビさんは今どうしてるのかな? 心配ですね…」

「まだ洗脳は解けていませんから壊されることはないと思いますですから多分大丈夫です」


四人がそう話している時だった。


「……!」


ズゴァッ!


『!?』


いきなりすごい衝撃が四人を襲いにかかってきたのだった。



◆◇―――――――――◇◆




真紅達は秦達三人がまだ学校に来ていないことに不安を感じ小さい声で授業中に会話をしていた。


「(…今日は秦先輩と翔くん、瑪瑙ちゃんはどうされたのでしょうか…?)」

「(翔くんならともかく秦さんや瑪瑙さんが休むなんてことは今までなかったですからね…)」

「(心配ね…休み時間になったら電話してみよう?)」

「(そうですね…)」


そして休み時間になり真紅が電話をかけようとした時に逆に秦の方から電話がかかってきた。


「秦さん?」

『…真紅…か、やっとつながったな…』


電話越しから秦の声が聞こえてくる。その声は少し掠れていた。


「なにかあったんですか、秦さん!?」

『…わからない。突然俺たちの見えないスピードでルビが突如接近してきた後…意識は途切れてしまった。

ここには翔に瑪瑙、衛巳、それに楓くんまでもが捕まっている…』

「えっ!?」

「…しかしここは完全な闇の中、…ガリウスさんならば何か知っているかもしれない…後は頼……』


ガガァー!ザアァァァ…


ノイズ音が聞こえてきだし、


「秦さん! 秦さん!!」


プツンッ!

突然に騒音が走って秦からの通信は途絶えてしまった…。


「真紅さん…秦さん達は…」

「うん…」

「大変ですわ! 早く助けにいかなければいけません!」

「でも私たちだけじゃどこに捕まっているのかわからない…まずはガリウスさんのところへ向かいましょう!」

「はい!」

「わかりましたわ!」



それで三人は鈴架と合流して保健室へと向かっていった。

ガリウスに事情を説明すると、


「そう…五人は捕まってしまったのですね…」

「はい…久刻さんの使い魔、天空さんにも手伝ってもらっているんですが未だ見つからないそうです」

「ガリウスさん、どうにかならないでしょうか!?」

「わたくし達だけではどうにもならないんです…」

「お願いします! ガリウスさん!! 翔達を…!」

「…、わかったわ。それじゃラビさんを呼んでもらえませんか…?」

「ラビさんを…?」



◆◇―――――――――◇◆



とあるデパートで静、ラビはショッピングをしていた。


「ねぇラビ! こういった服はどう?」

「いいですね。…でも静さん、私なんかのために服を買ってもらっていいんですか?」

「気にしないの! ラビはもうあたし達の家族の一員なんだからね? ルビさんの事も救えたら一緒に選んであげよう!」

「あ…はい! ありがとうございます静さん!」

「ダメ!」

「え…なにがですか?」

「ラビはあたしと同い年なんだから呼び捨てでいいわよ」

「あ、でも…」

「禁止! さん付け禁止よ!」

「その…それじゃ、静…」

「うん、よろしい!」


~~~~♪


その時、静の携帯が鳴り出て画面をみると真紅の名前が表示されており静は何かあったのだろうと思いすぐに出た。


「もしもし、どうしたの真紅ちゃん?」

『あ、静さん!それが秦先輩と翔くんと衛巳ちゃんと瑪瑙ちゃん、それに楓さんがルビさんに捕まってしまったんです!』

「えぇ~!? それ本当なの!? あの子達が…?」

『はい…それでガリウスさんはなぜかラビさんを連れてきてほしい、といっています』

「…そう。わかったわ! すぐに向かわせてもらうわね!」

『はいお願いします!』


ピッ!

静は携帯をきるとすぐにラビに内容を説明して学校へと向かった。

そして二人は保健室へと到着して、


ガラッ!


「あ、静さんにラビさん!」

「遅くなってごめんね! それでガリウスさん、秦達は今どこに捕まってるんですか!?」

「姉さんはどこに!?」

「落ち着いて二人とも…」

「みんなが捕まったっていうのに落ちついてなんていられないわ!」

「それで私は、…なにをすればいいんですか?」

「また昨日のようにルビさんのことを頭で強く思い浮べてください。みなさんも秦くん達のことを…繋がりましたら私がみなさんを彼らのいる場所へと道を開きます!」

『………』


それで一同は強く念じた…そしてガリウスはなにかを掴んだのだろう。


「いくわよ! はあぁぁぁーーーッ!!」


ガシャァンッ!


ガリウスは何もない空間を叩き秦達へと続く道を開いた。


パアァアアーー……!



◆◇―――――――――◇◆



…ここはまわりすべてが闇。その中で閉じ込められているのだろう秦達はなんとかここから脱出しようと試みて頑張っていた。


「風牙芯裂波!!」

「豪覇重点撃!!」

「我凰衝陣斧! 飛んで! 光の鎌!! 我凰天衝!!」

「闇を祓え!」

『浄化の刄!』

「『天浄真光閃!!』」


ズウゥウーーーン………ッ!


四人は闇の中で術を放ったが、それはそのまま闇の彼方へと消えてしまった…。


「くっ…やっぱりダメか!」

「まさか…天浄真光閃までもが掻き消えてしまうとは!」

「クリス先輩がいればどうかなっていただろうか…?」

「いや…きっと無理だろう。ここは闇の力がすべてを支配している空間、これと同等の力で挑まなければ突破することは不可能だろう…」


一同がそう話しているとそこに声が聞こえてくる。


「その通り…そしてあなた達のデータはもう揃っている。私にはもうあなた達の攻撃は通用しない…」

「くそっ! 出やがったな! 俺たちをこんなところに閉じ込めてどうするつもりだ!? ルビ!!」


するとルビは闇の中から姿を現した。


「…殺しはしない。おまえ達は私のご主人さまの手によりこれから実験体として生涯を生きるのだ」

「実験体だと…!? ふざけんじゃねぇ! だれがそんなもんになるかよ!!」

「もう決められたこと…じき残りのものも捕獲する」

「っう…!」

「しゅ、秦さま…」

「大丈夫です!」

「衛巳…?」

「きっと真紅さん達は勝ちます! 私たちが今出来ることは信じて待つことだけなんです! だから…!」

「…そう、だな!」

「ああ! ありがとう衛巳!」

「ありがと、衛巳…勇気を取り戻せたよ」

「はいです!」


四人は衛巳の励ましの声で先程までの暗い表情を振り払った。


「だがどうする? あなた達のお仲間はここの場所はわからない…だから助けにくることも出来ないぞ?」



―――そんなことはないわ!!



『!?』


ピシッバキッ…バキャーンッ!


突如闇の空間に声が響いてある場所から時空間の穴が開いてガリウス達が姿を現した。


「みんな!? そうか、ガリウスさんのあの術か!」

「大丈夫みんな!?」

「静姉もいんのか!」

「えぇ、ラビを連れてきたのよ!」

「姉さん…」

「……、ラビ」


二人はしばし無言で対峙したが、


「ラビ、敵に寝返ったと判断しご主人さまの言葉に従い武力を持って完膚なきまでに排除する!」

『!?』


ズガッ!


「かはっ…!?」


ラビは突如目の前に現れたルビに反応することも出来ずに拳を突き付けられて吹き飛ばされ地面に転がってしまっていた。


「ラビさん!」

「見えなかった…ですね?」

「あぁ、俺たちも彼女のスピードに翻弄されまったく歯が立たなかった…」

「秦さん達がですか!」

「おう…それにやつはラビさんの遠距離装備も施されていやがって迂闊に近寄れねぇ…!」

「ラビさん、大丈夫…?」


衛巳がラビを抱き起こして、


「くっ、か…はい、なんとか大丈夫です」

「とりあえずまずはここから出ることが先決ね!」

「できるんですか?」

「えぇ、任せて!」


そしてガリウスはロンギヌスを出して呪文を唱えだした。


「彼のものを貫く一撃、それは鉄槌というなの閃光!」


ジャキッ!


「この空間を打ち砕いて、ロンギヌス! リヒト・ブレーカー!! はっ!!」


バシュッ!

するとガリウスの手により放たれたロンギヌスはすさまじい光を発しながら闇の空間を貫いた。


ガシャーンッ!


「なに…?」


閃光が闇を砕いた瞬間、一同は通常空間に戻っており、そこは山奥の今は使われていない廃屋が立ち並ぶ無人の地であった。


「ここは…俺の修業場の一つじゃねぇか!」

「確かに…ここなら誰も近寄ることがなく簡単にあのような空間がはれるわけだね」


翔と楓がそう言葉を残す。


「……」


一同が通常空間に戻れたことにより喜んでいる中、ルビは無表情のまま剣を握りながら真紅達を凝視していた。

そんな中、ラビは。


「姉さん、もう諦めてください! もう勝ち目はありません!」

「…勝ち目? そのようなことは最後までやってみなければわからない…勝つか? 負けるか? ただそれだけだ」

「姉さん…!」

「それと先程から私のことを『姉さん』と呼んでいるがそれは大きな間違い…確かに同時期に作られたとはいえ、所詮私たちはご主人さまの忠実な機械人形。そのような感情はプログラムされてはいない…」


そんなことをいうルビを見て、


「…可哀相な子、ラビさんもそうですが捕まらなければ真紅さん達のように未来ある時を過ごしていたというのに…」

「………」

『………』


ラビと一同は無言だった。

ガリウスがロンギヌスを構えて、


「今から私がその呪縛から解き放ってあげるわ!」

「それなら私たちも…!」


真紅達も参加するというが、


「だめよ。今回だけは私にやらせてくれないかしら? これは時に束縛されている私が追う責務だからよ」

「しかし…!」

「そしてもう一つの理由はあなた達の行動パターンは完全に読まれているわ。だから今のルビさんには勝ち目はないからよ…」

『ッ…!』

「だから…私に任せて?」

『…はい』

「それじゃ、いくわね!」


ガンッ!

ガリウスはロンギヌスを地面に叩きつけ戦闘態勢に入った。


「ガリウスさん…!」

「…なに?」

「姉さんを…、お願いします!」

「任せて!それではいかせてもらうわ!」


シュッ!


「未知数の敵、接近…対峙する! トス・スラッシャー改! オーバーブースト!!」


ズドーッ!


「ルビさんには悪いですが少し痛い目にあってもらいます! せいっ!」

「…!」


ガンッ!


「はっ! 光の刄…プリズムランサー!」


ガリウスは弾くとすかさず魔法の矢を放った。


「早い!」

「すごいですわ!」


「ふっ!」


ガンガンガンッ!


だがラビもやられているわけではない。

魔法を切り裂いてしまった。


「魔法を切り払っちゃった!」


「まだまだ! いって、ロンギヌス!」

「飛べ! トス・スラッシャー!!」


お互い同時に自らの武器を放った、が。


「(ワープホール、解放!)」


ズキュンッ!


するとロンギヌスは激突する瞬間、現れたワープホールに消えた。


「!?」

「消えちまったぜ!?」

「きっと空間移動させたんでしょう!」


そしてガリウスはトス・スラッシャーへと突っ込んでいき思いっきり拳を突き上げ弾き、同時にそれを逆手にとりルビへと突貫した。


「武器を奪われたため遠距離戦闘を開始する…ガトリング、ランチャー装備、全砲門ハッチ解放! 全弾装填、発射!!」


ルビは体中からミサイルを放つ。


「! 大気よ、我を守る盾となれ、エアシールド!」


ガリウスはすかさず魔法の盾を出して防いだ。そして爆煙の中から勢いをつけて切り掛かった。


「ブースター点火! 緊急回避!」


ブンッ!


「!」

「交わした!?」


「まだ戦闘続行可能、次弾装填!」

「甘いわ! 今よロンギヌス!」


するとルビの背後にワープホールが出現し、中からロンギヌスが出現してルビに突き刺さった。


「ぐっ!?」

「今よ!」


ズバッ!

そしてガリウスは間髪入れずにルビを支配しているコーグルを真っ二つに切り裂いた!

途端ルビは声も出ない叫びをあげ手で顔を覆い隠し地面に両足をついてしまった。


「やった!」

「姉さん!」

「いえ…まだよ!」

『えっ!?』

「どうして…もうルビさんを操っているゴーグルは…」

「えぇ、確かに断ち切ったわ。でもなんてひどい事を…ルビさんのゴーグルの下にまさか暗黒球が埋め込まれていたなんて!」

「暗黒球!? それは本当ですか!」

「このままじゃルビさんが影に侵食されちゃうよ!」

「でも埋め込まれている場所が頭部じゃ迂闊に破壊できない…ルビさんを殺すことになってしまうわ!」

「それじゃどうしろっつうんだ!!」

「………」

「ラビ…?」


するとラビは真剣な顔で静にある言葉を言った。


「ごめんなさい、静…ありがとう。そして“さよなら”…」

「えっ!」


ズドンッ!

ラビは静にその言葉を告げた瞬間、暴走しかけているルビへと突っ込んでいった。


「ラビーーーッ!!」

『ラビさん!』


全員が叫ぶ。


「く、る…な…」

「姉さん! 一人だけでは逝かせません!」


ガシッ!

ラビはルビを掴むと体中の全バーニア、ブースターを展開させ空へと急上昇していった。

…そしてラビはルビとともに遥か上空へと舞い上がっていき、


「姉さん…私のこと、わかる?」

「………」

「わからなくていい…もう離れたりしないからね…」

「………」


そして二人は大気圏ギリギリのところまで浮上して、体も凍りつき出してきていた。


「もう少しだよ、姉さん…」

「……さい……」

「えっ、姉さん…?」

「あなただけでも…生きなさい…! 発射!」


ズドドドドッ!

突如ルビはラビの推進装置のある場所に弾を放ってラビを突き放して自分だけさらに空へと上昇していった。


「姉さーん!!」

「あなただけでも生きて…!」


ルビは浮力を失い落下していくラビに最後にその言葉を残して、そして…



ドゴーーーーーンッ!!


『!!』

「そ、そんな…そんなことって!」

「お、お姉ちゃん…!」


鈴架は耐えられず真紅に抱きついた。


「…ラビ…」




…その頃、落下していったラビは泣きながら何度もルビのことを思い後悔の念に捕われていた。

するとラビの手のひらに光を放ちながら小さいチップが降ってきた。


「これは…まさか!」

「(私たちはいつも一緒よ…)」

「姉さん…!!」


ラビはルビのメモリーチップを胸に抱き締めながら少しずつ落下していった。






『………』


そして一同はあまりにも悲しい出来事に言葉を失い黙っていたが、


「はっ! ラビさん!?」

『えっ!』


そして皆が上を向いた瞬間、ラビだけが落下してくるのを確認できた。


「翔くん!!」

「おぅ、わかってるぜ!!」

「瑪瑙、いくぞ!」

『はいです!』

「『斬鉄光魔剣!』」

「乗れ、翔! 思い切り飛ばすぞ!」

「おーよ!」

「いくぞ!おぉーーーっ!!」

「重力全開!!」


そして翔はすさまじいスピードで気絶しているラビをキャッチすると楓が風の力を使い二人をゆっくりと降ろした。


「サンキューな! 東条!」

「いえ、たいしたことじゃないですよ。それよりラビさんは?」

「あぁ、気絶してるだけみたいだぜ…」

「よかったですわ!」

「はい! あ、でも…」

「そうですね、ルビさんは…すみません、私がもっと先を読んでいればこうならなかったのですのに…」

「…そんなことは、ありません」


そこに気絶していたラビが起きだした。


「ラビさん! 大丈夫なんですか!?」

「はい。それで確かに姉さんは…、爆発してしまいました」

『………』

「…でも、“これ”があるかぎり私はいつでも姉さんと一緒です!」

「それはもしかしてルビさんの…」

「はい。メモリーチップです。だから淋しくありません…」

「ラビ…」

「それならこれもあなたに渡します」


ガリウスはルビの使用していたトス・スラッシャーをラビに手渡した。


「これは姉さんの剣…はい、大事にします。きっと…きっと…」

「みんな、ラビはあたしに任せて。色々と話したいから…」

「わかったよ、姉さん…」


みんながいなくなった後、ラビの泣き叫ぶ声が聞こえた…やはり我慢していたのだろう。




…そして一同は違う場所で、


「…許せないね? お姉ちゃん、クリスさん…」

「そうね鈴架…」

「わかりますわ。まるで人をただの人形のように扱うなんて…あきらかに神への冒涜ですわ!」

「もしかしたらラビさんたちのように他にも改造されている人々がいるかもと思うとやりきれませんね…」

「そうだな」

「許せないです!」

「はい!」

「おう!」

「はい…!」


全員は怒りの表情をする。


「もう、これ以上ラビさんたちのような犠牲者を増やさないためにも早くこの許せないことをする人を見つけだそうね、みんな!」

『うん(おー)!』


一同はそれぞれ声をあげて意気を高めあった。




――to be continued.


爆発してしまったルビ。怒りに燃える十二支達だった。

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