049話 『双子の戦闘マシンヒューマン(前編)』
今回裏方の敵の登場です。
「…っ! 人の心…理解できない…!」
仮面の女は拓馬の見せた人間の強い意志を理解できずに苦しんでいた。
「おやおや…苦しそうだね? 仮面の女…?」
「Dr.オーグか…!」
Dr.オーグとは容姿は眼鏡をかけ白衣を着ており見た目は普通の人間だが闇の王配下の一人。
来豪・仮面の女・滅・氷月の闇の四天王とは違い裏から彼らをサポートする者の一人だ。
機械、ロボ工学、医学の権威らしくやたら色々と謎の実験を繰り返している。
本名、正体は不明。ただわかることは悪に魂を売った悪者ということだけだ。
「お願いだ! あの薬をくれ!」
「やれやれ…その前になんでそうなったのか理由をのべなさい?」
「わからない…人間の心とはなんなのか、ぐらいしか…」
「なるほどなるほど…よくわかったよ。ちょっと待ってなさい?」
「助かる…」
「なに、気にするな…(プログラムに少しバグがあるようだな? 調整が必要だな…)…仮面の女、少しばかりお前の体を見てやる。興味深いデータが取れそうだ」
Dr.オーグはそう言って仮面の女の体を調べるという。
「しかし…闇の王よりの任務が…」
「あぁ!それは任せておけ…適任の奴らをお前の代わりにいかせてやる。出てこい! 俺の愛しい人形。ルビ! ラビ!」
「「はい、ご主人さま…」」
すると黒いゴーグルで目を覆ってはいるが同じ顔で姿はレオタード、その上に下半身はジーパンの全身真っ黒な服。
ルビは髪型はロング、腰には剣を鞘に入れて背負っている近接戦闘タイプ。
対してラビは相反して髪型はショート、腰の両方のホルダーに拳銃を仕込んでいる遠距離戦闘タイプ。
そしてなんとも雰囲気が静かすぎる二人の人間(?)が姿を現した。
「彼女等は…?」
「俺の傑作だ。さぁ、いってこい二人とも!」
「「了解しました」」
Dr.オーグの命令でルビとラビは部屋から出ていった。
◆◇―――――――――◇◆
6/14(月)
秦は部活帰りに縁(雫が携帯で強引に)が呼んでくれたので速水邸に来ていた。
「また…、お越し…ださい…秦様」
「ああ…体には気を付けるんだぞ、縁?」
「…はい…」
秦の優しい笑みで縁は顔を赤くするのだった。
「それでは」
「えぇ、瑪瑙ちゃんはスピネスのところにいると思うわ?」
「わかりました、速水先輩。また来ます」
「うん、じゃね~!」
そして秦は瑪瑙を連れて屋敷を出ていった。
「でも秦くんもだいぶここの出入りになれてきたみたいね? もともと礼儀正しい子だから」
「…、…うん…それに…私が胸が苦しくなった時、すぐに気付いて心配してくれる、の…やっぱり秦様…優しい…」
「そうねぇ…早くいい返事か貰えるといいわね? ね、縁?」
「うん…」
それでまた顔を赤くしていた縁であった。
…そして秦と瑪瑙は帰り道、
「秦さま! 今日は縁さんとどんなお話をしたですか?」
「ん? そうだな…最近は俺の日常の話などを聞かせている。他愛もない話だが縁は楽しそうに聞いてくれるな」
「そうですか。でも秦さま最近ずいぶんと縁さんと仲良くなりましたね?」
「そうだな。初めて会ってからまだほんの一ヵ月ほどしか経っていないからな…」
「最初の頃は秦さまも縁さんを名前で呼ぶのもずいぶん躊躇してましたですよね?」
「瑪瑙…? そのことについては触れるなとあれほど…」
「きゃあっ! 秦さまごめんなさいですぅ!」
ギラッ!
「(簡易時空閉鎖広域結界、起動…)」
「はっ!?秦さま危ないです!」
ズバァンッ!
一瞬にして小型の時空閉鎖広域結界が発生した!
「なに!?」
ズガガガガガッ!
そして突然銃声が鳴り響き二人にむかって放たれた。
「秦さま!」
「ああ! 解咒!!」
カッ!
カシッ!
秦は刀化した瑪瑙を握り、
「(目に神経を集中するんだ!……、見えた!!)はあーーーっ!!」
ガガギガガガンッ!
秦はすべての銃弾を払い落とした。
「なんとか間に合ったな…」
『はいです…』
だが息をつく暇もなく、
バッ!
突如木の中から剣を構えて飛び掛かってきた。
「秦さま来ます!」
「ああ! はぁあああッ!!」
ガキンッ!
「いきなり仕掛けてくるとは…何者だ!?」
「………」
「…っ! 女性!?」
「…出力、増加…」
キイィ!ズガァッ!
すると剣の数ヶ所の穴から炎が吹き出し威力をあげた!
「ぬぅ! なんて力だ!」
「…今だラビ…」
「…わかったルビ…」
ガチャッ!ドドドドドッ!
「な!? 二人だったのか!?」
秦が気付いた時には無数に散らばる銃弾は放たれていた。
「…っ! 鼇斬月光! 鼇斬日光!」
カッ!
「…?」
「はぁっ!」
突然の武器の変化にルビは少し動きが止まった。
ガッ!ガキンッ!
秦は二刀流でルビの剣をはじいて凄まじいスピードでその場から退避した。
そして秦のいた場所に銃弾が打ち付けられていた。
「…敵対象の武器、変化。さらにスピード増加。まだ戦闘は続行可能、だが対象のスピードに追い付ける可能性は極めて低い…よって本来の目的である偵察を優先し一時撤退する…」
「…了解…データ転送、撤退する…」
シュッ!
そして二人は姿を消した。
「あの二人は、なんだったんだ…?」
『わからないです…ただ、あの二人には生気が感じられませんでしたです…』
「あぁ…確かにな。それより早くここから離れよう。人が集まってくる…」
『はいです』
◆◇―――――――――◇◆
Dr.オーグの研究室では、
「…ラビから一人目のデータがきたか。
名は雲隠秦、生きた刀を主力とし様々な剣技を扱う剣士。
この刀は状況に応じて変化をする物と見た。
この映像に映る二刀の剣の他に2mはある光の剣、そして極めつけは来豪を追い込んだ現在彼の最大の術であろう風と雷のエネルギーを刀に集束し放つ術、か…。
これは色々とした方がいいな。
まず強度をあげ、かつスピード戦を重視した攻守タイプ。
そして今の段階では雷・風に対する耐性を全開まで上げておこう…さて次の相手は――…」
………………
……………
…………
とある帰り道で鈴架、クリス、翔の三人が珍しく一緒に帰っていた。
「でも珍しいよね? 翔が私達と一緒に帰るなんて?」
「たまたまだ」
「でも、そうですわね? 部活のお友達とはどうされたのですか?」
「あぁ、あいつらは全員俺とは反対側の地域に住んでるやら、違う町から来てる奴やらが多いからよ、なかなか一緒に帰ることはねぇな?」
「あ、そうなんだ」
「それよりおまえらは今日は真紅と海斗とは一緒じゃねぇのか?」
「あ、うん。お姉ちゃん今日は天見部長達と夏の大会の話をしてから帰るそうだよ。それと海斗さんはお姉ちゃんを一人にさせるのは心配だというわけで一緒に帰るらしいわ」
「海斗もよくやるなぁ? まだあん時のこと気にしてんのか…?」
「そうですわね…もうわたくし達はいつ襲われるのかわからない身の上ですから…」
ガサッ…
「…! 確かにその通りのようだな! 解咒!!…出てこい、双極幻滅星!!」
カッ!カシッ!
翔は武器を取り出して構える。
「え? なに、どうしたの翔!?」
「いいから二人とも解咒しろ! 敵だ!」
「「!!」」
ズドドドドドッ!
「間に合わねぇか! しゃあねぇ! 必殺! 重力回転舞!!」
キキキキキキッ!
翔は二人の前に立ち武器を高速回転させ飛んできた銃弾を弾いて、
「おりゃ! 返すぜ!!」
重力を操り銃弾を跳ね返した。
「…!」
ガキンガキンガキンッ…!
ルビは飛び出して跳ね返ってきた銃弾をすべて落とした。
「…先程の相手と同じ戦法は通用しない…よって偵察のため同時に仕掛ける…」
「了解…簡易時空閉鎖広域結界、起動…」
ズンッ!
「「「!?」」」
「…接近する」
そして二人は同時に仕掛けてきた!
「ありがと翔…」
「もたもたすんな! くんぞ!」
「…うん! もうっ! 許さないんだから! 解咒!!」
「はい! 解咒!!」
カッ!
「虎鉄拳!」
「灼熱光拳! そして輝光鉄扇!」
「「装着!!」」
二人は篭手を装着すると、
「いくよ! 必殺…!」
バチバチバチッ!
「金剛雷撃弾!!」
ズガァッ!
「光武の舞! ハァッ!」
シャンッ!
シュウゥッ!
鈴架とクリスは接近してくる二人にむかって術を放った。
「俺もやるぜ! たぁっ!」
そして翔が空に飛び上がり、
「オアアアアッ!! くらいやがれ! 豪覇重点撃!!」
ズガガガガガガガッ!!
翔は両手から重力の塊を放ちまくった。
「「!!」」
ズドドドドド…ッ!!
「すべて直撃したぜ!」
「以外と呆気なかったね?」
「はい。…ですが、彼女達はまだまだ平気な気がしますわ…!」
「はっ? あんだけくらってか!? さすがに無理だろ、クリスさんよ?」
「………」
だがクリスは依然険しい表情をしていた。
「…ほんと、なのかな?」
「さぁ…?」
「!…来ます! わたくし達を守って! 極覇閃光!!」
ズバーンッ!
クリスが極覇閃光の結界をはったと同時に、
ズガンズガンズガンッ!
「「!?」」
すると突如爆発の煙の中からでかい銃弾が飛び出してきた。
それは極覇閃光と衝突する。
「くっ…!ハァアーーーッ!」
クリスは結界に力を全集中しなんとか防ぐことができた…。
「はぁ、はぁ…」
「クリスさん! 大丈夫!?」
「まさか…まだ平気だってのか? 奴らは!?」
ザッ!
「「………」」
そして煙が晴れ、中から苦しむ素振りすらしていないルビとラビの二人が現れた。
「マジかよ…!」
「無傷だなんて…」
「各三名のデータ…転送…次のターゲットに移行する」
「了解…」
ラビが転送と言ってルビが了解という。
シャッ!
「「「!?」」」
そして二人はまたしても戦闘を中断して撤退してしまった…。
「な、なんだ…? 撤退しちまったぞ?」
「う、うん…そだね。でも、助かったぁ~…」
「はい。とても強い方々でしたからね」
「だが次のターゲットとかいっていたな…? だとしたら真紅達や秦兄なんかも狙われているのかもな? 電話してみようぜ?」
「うん…!」
その時、
ズガガガーンッ♪
「うわあっ!?」
翔の携帯から突然メロディが流れ出した。
「…ベートーベンの『運命』ですわね?」
「…似合わない趣味してるわね?」
「るせぇ! 秦兄用なんだよ! それよりちょうどいいぜ!」
ピッ!
翔は秦からの電話に出た。
『翔! 大丈夫か!?』
「うわっ! 突然どうした秦兄!?」
『…あ、いやすまん。先程二人組の女性に襲われたものでな…』
「! ほんとか? 秦兄!?」
『その様子…まさかそちらも襲われたのか?』
「あぁ…ついさっきまでな。鈴架とクリスさんも一緒だ。しかしまさかもう秦兄が襲われていたなんてな? それじゃ後、狙われるのは真紅に海斗…」
『衛巳と話に聞く東条楓くんか!』
「そうみたいだな。後、会長さんも狙われそうだな?」
「お姉ちゃんには連絡しといたよ、翔! 海斗さんともう一緒だって!」
「おう! それじゃ秦兄! 衛巳への電話頼む! 俺達は先にむかっているぜ!」
『ああ、俺達も二人と合流したらすぐにむかう!』
そして秦との電話を終了させ、三人は学校へと急いだ。
――to be continued.
次回もほかのメンツが襲われます。




