004話 『始まり』
転生して一話目です。
4/16(金)
ピピピピッ! ピピピピッ! ピピピピッ! ピピピピッ!
目覚ましの音が鳴り響く。
朝の六時、まだ普通の学生ならば眠っているこの時間に目覚ましが鳴っていた。
カチッ!
「…六時か、んっ!」
彼女は『辰宮真紅』。
生まれた月は5/19の牡牛座。
髪は黒のロングストレートヘアー。
星林町のキリスト教を取り入れている『聖梁学園』に通う16歳の高校二年生の女の子だ。
性格は明るくて活発。リーダーシップもあり、困ったことがあるとほっておけない性。後、正義感が強い。
それから、備考だがスポーツ万能でバレー部に所属しているが今でも勧誘がひっきりなしだという。
さらに頭脳明晰、才色兼備で家事もでき休みにはボランティア活動にも参加しており学校のアイドル的存在であるのだが本人は自覚はないとのこと。
シャーッ!
真紅は起きるとすぐにカーテンを開き、洗面所で顔を洗って制服に着替えだした。
トントントントンッ…
台所で包丁を叩く音が聞こえてくる。
そこでは彼女の母親である、『辰宮琴美』が朝ご飯とお弁当を作っていた。
「お母さん、お早よう!」
「あら、真紅お早よう。今日も早いわね、朝練?」
「そうだよ」
「そう、それじゃ“鈴架”も早く起こしてきなさい。同じ部活でしょ?」
「わかったわ!」
鈴架「…う~ん、お姉ちゃん…スピー…」
彼女は『辰宮鈴架』。
生まれた月は3/22の魚座。
髪は真紅と同じストレートヘアーだが色は黄色、そして普段は必ずツインに分けている。
今年から同じ高校に通うことになった16歳の高校1年生の女の子だ。
性格は天真爛漫、真紅に引けを取らず人気。
ちなみに真紅の妹で同じバレー部に所属している。
「ほぉら、鈴架起きなさい! 部活に遅れちゃうわよ?」
「…もう少しぃ…」
「だーめ! 早く起きないと鈴架の事…嫌いになっちゃうわよ?」
真紅がそう言葉を漏らすと鈴架はすぐに脳が目覚めたのか、
「はっ…!? あー! お姉ちゃん、ちゃんと起きますから鈴架のこと嫌いにならないでー!」
「起きましたか~? 大丈夫よ鈴架、嫌いになんかならないから。よしよし…」
「うにゃ~ん…お姉ちゃん大好き…」
真紅が鈴架をあやしていてそれを受け入れている鈴架の姿がそこにあった。
だがそこに琴美がフライパンを持ちながらやってきて、
「ほらほら! 馬鹿やってないで早く鈴架も準備しなさい! 本当に部活遅刻しちゃうわよ?」
「あ、は~い!」
そして三人は朝食を食べて出かける準備が整ったので外に出た。
「それじゃ私は先に車で学校にいくから二人も遅れるんじゃないわよ? 後、真紅!」
「“学校では公私混同はダメよ?”…でしょ、お母さん?」
「わかっているならいいわ。それじゃまた学校でね!」
ブロロロロッ…
そして琴美は車を走らせて先に学校に行った。ちなみに琴美は聖梁学園の教師で真紅がいる2-Bの担当教師でもある。
「よし、それじゃ学校まで走るわよ! 鈴架!」
「うん!」
二人は聖梁学園のバレー部部室に到着してドアを開けるとまだ誰もいなかったので朝一番に来たらしく部室でさっさと着替えをすましていた。
「さて、他の人達が来る前に準備をしときましょう!」
鈴架「うん。…ん?」
その時、鈴架は誰かの視線を感じた。別段変なものではなく気にもとめない程度のものだったのだが…。
「どうしたの、鈴架?」
「…えっ? ううん、なんでもないよ!」
「…そう? それじゃ早く道具出しとこうか」
「…う、うん(気のせいかな? 今…お姉ちゃんと私…誰かに見られていた気がしたんだけど…)」
しかし鈴架の心配をかき消すかのようにどんどん朝練の生徒が体育館にやってきて、そして朝練が始められた
一角のコートで真紅はバレー部員と練習に励んでいて。
ダンッ!
真紅が思いっきりジャンプをし、
「せいっ!」
ズダンッ!
「キャッ!」
「…す…すごい! 辰宮先輩のシュート…」
真紅の打ったボールはすごいスピンをだしながら誰も追いつけず地面に叩きつけられた。
「やったね、真紅!」
「ほんと真紅がうちのかなめだよ!」
「…でも本当に凄いですよね、先輩は。よくあんな強く打てますね!」
「だって今だに叩きつけられたボールが地面でスピン起こしてますし…」
「そ…そう? ありがと…」
部員達に褒められて真紅は顔を赤くしていた。
それを違うコートで見ていた鈴架は、
「ほぇ~、さすが私のお姉ちゃんですね!」
「それもそうよ、真紅は一年の時から試合のメンバーに抜擢されるほどすごかったんだから!」
「あ、天見部長」
彼女は『天見海耶』
バレー部の部長である。
「そうなんですかぁ~…はぁ~、やっぱりお姉ちゃんて素敵ですよね…」
「そうなのよねぇ、校内で男子はまだしも女子にとってもアイドル的存在だし勉強もトップ級、スポーツ万能、顔も可愛いからもういうことなしね!」
「はい! その通りです!」
「辰宮先生も綺麗だし…今年はこんな可愛い妹さんも入部してくれたことだしね!」
「てへぇ~、照れます」
海耶にそう言われて鈴架は悪い気はせずに顔を赤くしていた。
「あ、でも一つ真紅の欠点があるとすればそこまですごいのに自分ではまったく自覚がないところなのよ」
「はい、そうなんですよね。お姉ちゃんて恋愛とかにもまったく興味がありませんから」
「ま、そこがあいつの可愛いとこなんだけどね。あの性格が幸いしたのか他の生徒からは妬まれたり陰口されたりしたことまったくないし…。
しいていうなら他の部活から今だに勧誘がきているけど…絶対あの子は渡さないわ!」
「つまり早い話、部長もお姉ちゃんのこと好きなんですよね!」
「そうなのよぉ~! あ、真紅~、今度は私も入れてちょうだい!」
「あッ…部長。はいどうぞ」
「あ、部長ずるい! お姉ちゃん私も…!」
そしてにぎやかな朝練の時間は過ぎていった。
「みんな、おつかれ!」
『お疲れさまでした!』
海耶の一言で全員が返事を返す。
「今日はなにも伝えることはないから解散! 放課後も頑張ろうね、みんな!」
『はい!』
そして解散した後、真紅と鈴架は部室に戻って制服に着替えて校舎へとむかっていった。
「あ、お早うございます! 辰宮先輩!」
「おはよう、真紅さん!」
校舎内に入ると色々な女子があいさつをしてきた。
「お早よう!」
そしてそれを元気よく真紅は返していた。
真紅の人気はバレー部だけではないのがすごいところである。
「…お姉ちゃん、ほんと人気だよね?」
「え? そうでもないんじゃないかな?」
「…部長のいうことも一理あります。でもそこがお姉ちゃんの可愛いとこだからいいです!」
すると一人の男子生徒がいきなりやってきて、ほかの男子連中にエールを送られていた。
『(がんばれーー!)』
「お、おう! あ、あの辰宮さん…」
「なに?」
「むっ…」
鈴架は男子生徒が告白をしてきたことにすぐに気づいたのかムッとした顔になる。
「その…突然ですが俺と付き合ってくれませんか!?」
「………」
「………」
それでほんの数分、静寂が流れたが、真紅が少しバツの悪い表情になり、
「…あ…その、ごめんなさい! まだ私あまり恋愛とかには興味がなくて…」
「そ…そうですか…」
「あ、それと君…後ろ…」
「…えっ?」
真紅の言葉にその男子生徒が後ろをむいた瞬間、その光景に足を一歩引いていた…。
数人の女子生徒がその男子生徒に群がってきていた。その表情は一様に険しい。
「なに辰宮さんにちょっかいをだしてるの、きみ!?」
「えっ…!?」
「きっつーい罰を与えなければいけませんね!」
「あ…あの…!」
「あ、みんな…「お姉ちゃん、いこ!」…えっ? どうしたの、鈴架…?」
真紅は止めようとしたのだがいつのまにか鈴架が真紅の腕を引っ張っていた。
鈴架「いいからいこう、お姉ちゃん!」
その後、少し時間が経ったら先程いたところから変な叫びが聞こえてきた…。
男子生徒にお悔やみ申し上げる。
「…あ…あの鈴架? さっきの人大丈夫かな…?」
「たぶん大丈夫だよ! あ…もう階段まできちゃったか。じゃお姉ちゃん、私こっちだからまたお昼にね!」
「うん!」
そして真紅は鈴架と別れると階段を登っていき2-Bの教室に到着した。
真紅は教室に入るとすぐに親友である女の子に話しかけた。
「お早よう、“クリス”!」
「あ、お早うございます。真紅さん…今日はまたいい朝ですね」
彼女は『クリスチーヌ・セインティー』
生まれた月は4/2の牡羊座。
髪は銀色のふわふわした感じの髪型である。
略称でクリスと呼ばれている。真紅と同じクラスで17歳の高校2年生の女の子だ。
性格は冷静で知的なのだが、いつもおっとりしていて口調も遅く常にマイペースを維持している為そのように見られない。だが自分の出張は確実に伝えるため信頼は得ている。
ちなみに彼女は教会のシスターで学校では部活は聖歌部。後、生徒会副会長を勤めている。そして真紅の一番の親友である。
「そうね。あ、みんなもお早よう!」
「お早よう!」
「お早うございます!」
まず女子達が挨拶をして、続いて男子達が挨拶をする。
このクラスは毎日これが日課になっていて真紅の挨拶が楽しい学校の始まりだとも思っている。
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン…
すると、チャイムの鐘が鳴りみんなが席につくとすぐに真紅の母、琴美先生が教室へと入ってきた。
「さて、ホームルームを始めますね」
そしてホームルームはすぐに終わって午前中の授業があっという間に過ぎていき昼休みがやってきた。
「もう昼休みね。クリス、一緒にお弁当食べましょう」
「はい~、いいですよ」
「あ…でももう少しで鈴架が来ると思うから待って…」
ガラッ!
「お姉ちゃん、一緒に食べよ!」
真紅が言っているそばから鈴架がドアを開けて教室の中に入ってきた。
上級生の教室に怯えもせず入ってこれる鈴架は肝が据わっている。
「あ…もういってるそばから…」
「来ましたわね。クスクス…」
真紅が呆れの表情をしてクリスが穏やかにクスクスと笑っている。
すると他の女子生徒が鈴架に群がってきた。
「キャーッ! あなたが辰宮さんの妹さん!?」
「は、はいそうです…。辰宮鈴架といいます。いつもお姉ちゃんがお世話になっています」
そして鈴架は礼儀正しくお辞儀をした。
「まぁ、礼儀正しい! さすが辰宮さんの妹さんね!」
「可愛い~!」
女子生徒が鈴架に群がっている中、男子生徒は、
「おいおい! あれが辰宮さんの妹かよッ!?」
「マジで!? 可愛いな!!」
「辰宮さんといい…琴美先生といい…妹さんといいなんでこんなに可愛いんだ!」
「い…一緒の家に生まれたかった…」
クラス中が鈴架の登場にざわめいていた。
まだ新学期が始まったばかりでこうして鈴架が来るのは初めてだったという事もあり鈴架の人気はある意味異常であった。
これも真紅の妹という理由でもあるのだがそれでも鈴架自身の容姿も可愛いのですぐにクラスの人気者の一人にのし上がっていた。
しかし、今の状況で余裕でいられるほど鈴架には忍耐がなかった。
女子生徒たちの中で潰されているのだ。
それで鈴架は真紅に助けを求める。
「お、お姉ちゃん…助けて…」
「す…鈴架!」
「ちょっとここでは落ち着いて食べられそうにありませんわね…」
「そうね…それじゃ中庭の木下にいきましょ! 私のお気に入りの場所があるのよ」
「そ、そうだね…お姉ちゃん…」
「…大丈夫? 鈴架?」
「大丈夫だよ…じゃいこう!」
「それじゃみんなまた後で」
三人は足早に教室を出ていった後、生徒達は話し合いを始めていた。
「こりゃそろそろ辰宮家族のファンクラブができるかもな…?」
ふと一人の男子がそんなことを呟くとクラスにいた男女全員が頷いていた
――to be continued.
真紅は学園の人気者という設定です。




