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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
38/71

038話 『縁の気持ち』

知恵熱で体を壊しちゃう縁です。



5/23(日)



速水邸の縁の部屋ではメイが縁を看病していた。


「縁さまぁ~…咳は平気ですか? 熱は大丈夫ですか…!?」

「…うん、…ごほっごほっ!…今は咳だけだから…平気…」


縁は先日起きた事件で秦(+瑪瑙)に助けられて、それがきっかけで縁は秦の事を想うようになってしまい自分の気持ちに整理がつかなくなり知恵熱を出してしまったのだ。


「苦しくなったらすぐにお伝えくださいましね~? 私は縁様がそんな調子ですととても悲しいですぅ…」

「…ありがと、…メイさん…こほっ…」


コンコンッ!

そこにドアのノックがされた。


「あ、はい!」

「縁、メイ、入るわよ?」

「はい、どうぞ雫様!」


ガチャッ!

そして雫が部屋へと入ってきた。


「お早うございます! 雫様!」

「…雫姉さま、…お早うございます…ごほっごほっ…」

「お早う。…それより縁、まだ風邪が治っていないのね…?」

「…、ごめんなさい…」

「謝る事はないのよ、縁。…メイ?」

「はい、なんでしょうか?」

「少し二人で話したい事があるのよ。席を外してくれないかしら?それとスピネスに食事を与えてきてちょうだい。

それから最後に今日十時過ぎに雲隠秦くんと影紫瑪瑙さんが来てくれると思うからその時は出迎えよろしくね? リアにはもう伝えておいたわ」

「わかりました! それでは失礼しました!」


そしてメイは雫と入れ替わる形で部屋を出ていった。


「…縁?」

「………」


縁は秦の名前を聞いた途端に顔がまた真っ赤になり俯いていた。


「ふぅ…やっぱり秦くんの事、気になっちゃうの…?」

「…、えっ…?…あの、…あうぅ~…」


縁は答えない代わりに首を縦に振った。


「やっぱり一時的な感情じゃないのね…?(ま、たしかに昨日の秦くんはあたしから見ても格好良かったもんね…)」

「…うん、…こーいうのって…前にご本で読んだ事があるの…、だから、この気持ちってもしかして私…雲隠様の事が…、好きに…なっちゃったのかな…?」

「(あちゃ~…予感的中ね!)やっぱりそうなのね…? でもどうしてそう思うようになったの?」

「…うん、…昨日、…雲隠様あんなに私に…優しくしてくれた、…でしょ? 私…男性の方にあんなに優しくしてもらえたの…お父様以外で雲隠様が初めて、なの…」

「そ、そうなの…それで他に感じた事は?」

「…帰り道に…、鉄骨が降ってきたでしょ…?…その時、…雲隠様が身をていして私達を守ってくれた…、その姿が…、…とても…、とても格好良いと…、思ったの…」

「そ、そう…」


雫自身も聞いていて顔を赤くして照れていた。


「…それに、…私には雲隠様のあの時の姿が…、視えなかったの。…きっとこれは何かの導き…、だと思うの…だから私…、雲隠様の事が…、好きになったんだと思うの…」

「そうなの…縁がそこまでいうならあたしはもう止めないわ」

「…ありがとう、…雫お姉さま…」

「でもぉ…それってつまり縁にとっては初恋よね? お姉さん応援しちゃうけど告白とかしたら教えてね?」

「こ、告白…!?…そんな、…まだ私、…そんな勇気…ないよぉ…」

「そう。じゃお姉さん今日お節介だと思うけど手伝ってあげるわ!」

「…え、えぇ~…!…、し、雫お姉さまぁ…!」

「ここは思い切りが大切よ…?」

「…でもぉ…」

「大丈夫よ。秦くんならきっと真面目に答えてくれるはずよ。(…性格上、逆に縁と同じ状況になりかねないけどね。だけど秦くんももう立派な男子なんだから平気よね、きっと!)」


ピロロ~♪

その時、雫の携帯が鳴った。


「ん…?…静から? ごめんね縁、ちょっと席を外すわね?」

「…え、…うん…?」


カチャッ!ピッ!


「はい、もしもし?」

『あ、雫?』

「どうしたの…?」

『どうしたの…、じゃないわよ! 聞いたわよ!? 昨日秦があなた達を助けたそうね?』

「ええ、そうね。それで今日そのお礼もこめて秦くんと瑪瑙さんを呼んだのよ」

『うん、それは知ってるわ。…でも本当にそれだけぇ?』

「…どういう意味かなぁ?」

『いやね! 話によると縁ちゃん急に顔を赤くしてさっさと帰っちゃったっていうじゃない? それで気になって、ねぇ…?』

「え?…何の話?」

『とぼけなくていいわよ? 何年親友してると思ってるの? さっさと白状しちゃいなさい!』

「……、…はぁ。さすが静、鋭いわね。わかったわ、話すわよ…」


そして雫は静に縁の事を話した。


『…それ、本当なの?』

「嘘を教えてどうするのよ? 縁がそういってるんだから本当よ」

『だとしたら縁ちゃん、苦労するわね、きっと…』

「やっぱりそう思うわよね…?」

『そうよ。言っちゃ悪いけど秦は真紅ちゃん並に自分の事…まして恋愛に関しては無頓着なんだから!』

「そう! だから今日ね、縁の背中を後押ししてあげようと思うのよ!」

『え? つまり縁ちゃんに秦に対して告白させようって事?』

「話が早くて助かるわ。そういう事になるわね」

『…そうなのぉ。ふ~ん、へぇ~…おもしろい事するわね! いいわ! 賛成よ!

でももし秦が縁ちゃんの返事を断ったらこっぴどくお仕置きして構わないわ! あたしが許す!…それじゃ二人はもう向かったと思うから縁ちゃんの健闘を祈ってるわ!』

「ありがと、静!」

『それじゃまた後で連絡してね! じゃ!』


ピッ!

それで電話は切れる。


「…よし! 静からの了解も得たわ! きっと成功させてあげるんだからね!」



◆◇―――――――――◇◆



一方、雲隠家では、


「ふふっ! 面白い展開になってきたわねぇ?」

「…たしかに。秦兄にもついに春が訪れそうか?」

「私もなんだかドキドキします…」

「わっ!? 二人ともいつのまに!」

「最初からいたぜ?」

「盗み聞きするつもりじゃなかったんですけど気になっちゃいまして…それに静姉さん、全然気づいてくれませんでしたからつい…」

「…それじゃ全部会話は筒抜けだったって訳ね…? ま、いいわ。それじゃ二人とも! 秦が帰ってきたら問い詰めてやりましょう!」

「おう!」

「はい!」


…その頃、とうの秦は、


「うっ…!!?」

「どうしました? 秦さま?」

「…い、いや突然寒気がしてな」

「?…こんなに日が暖かいのにですか?」

「確かにそうだな。もう平気だ。それより早くいくとするか」

「はいです!」


ビーーッ…

…そして速水邸につくと、秦はインターフォンを鳴らした。


『…どちら様でしょうか? 私はこの速水邸のメイド長を務めておりますリアと申します』

「あ、雲隠秦というものです。先日、速水先輩にお呼ばれされましたのでやってきました」

『まぁ! あなた様が雲隠様でございますか! わかりました、すぐにお向かいにまいります!』


そういうとリアは通信を終了した。


「妙に声が昂ぶっていたが何かあったのだろうか…?」

「昨日の件じゃないですか?」

「ああ! 確かにそうかもしれないな。俺達が狙われていたとはいえ結果的にはお二人を助けた事になるからな」


…ブーーー…


「ん?」


その時、秦の携帯にメールが届いた。

カチャッ!


「静姉さんか…なんだ?…『がんばれ!』…? なにをがんばれなんだ?」

「なんでしょう…?」

「さぁな…?」


キィ…

すると速水邸の門が開き、中からリアとメイがやってきた。

「雲隠様と影紫様ですね? お待ちしておりました」

「どうぞ入ってくださいまし! 雫様と縁様がお待ちですぅ!」

「それではおじゃまします」

「おじゃましますです!」

「はい、いらっしゃいませ。案内はメイがいたします。頼みますよ、メイ?」

「はい、了解しました!」

「では私は仕事に戻りますわ。お二人ともゆっくりしていってくださいね?」

「「はい」」


そしてリアはそのまま持ち場へと戻っていった。


「ささ、こちらです。秦様、瑪瑙様」

「はい、お世話になります」

「なりますです」


そして三人は中庭へと続く廊下を歩いている時だった。


「…少しいいですか、メイさん?」

「はい、なんでしょうか?」

「今日、俺たちが呼ばれた理由はなんなんですか? やはり昨日の事で呼ばれたんですか?」

「昨日…ですか? 雫様達からは何も伺っておりません。ただ大事なお話があるとの事ですぅ」

「そうですか」

《昨日の騒動の事をお二人は話していないようですね?》


すると瑪瑙が滅多に使わない心の声で話し掛けてきた。


《…む、念話か? まぁ、確かにそのようだな。とりあえず助かったな》


…すると、


「…ひそひそ話もよろしいのですがちゃんとついてきてくださいねぇ~…?」

「「え!?…あ、はい」」

「それじゃいきましょ!」

「「………」」


そしてメイは呆気にとられている二人をよそに何事もなかったかのようにまた歩きだした。


「(…今、一言も会話してませんでしたよね?)」


瑪瑙は今度は小声で話し掛けた。


「(あぁ、侮れないな…)」


会話を終了すると二人は同時に警戒しながらメイを見たが今度は気づいていなかったらしい…。




――to be continued.


なにげにメイは超人?

今回は区切りがいいのかわかりませんが切らせてもらいました。

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