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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
35/71

035話 『集まる一同と真紅の危機』

表では色々と準備をしていますが裏では色々と戦っています。



その頃、雲隠家では…


「…お姉ちゃんにはなにも伝えないで来ちゃったからきっと私の事を探してると思うの…だから、お姉ちゃんには悪いと思うんだけど今のうちに準備しちゃお!」

「ナイスだ鈴架!」


鈴架の提案に翔がナイスだと褒める。


「確かに…主役が自分の誕生会の準備を手伝うなんてことは聞いたことがないからな」

「そうですわね。それでしたら早めに残りの準備をしてしまいましょう! わたくしは衛巳さんのお手伝いをしますわね」

「ありがとうございます、クリスさん。ところでその…鈴架さん? 海斗さんは?」

「あぁ。そーいや海斗のやつまだ来ていねぇな…?」

「そろそろ来ると思うよ? 一回家に戻った時に海斗さんの家、明かりがついてたから」


その時、家の玄関が開く音がした。

そして海斗が息を切らせながら入ってきた。


「すみません皆さん! 遅れてしまって…」

「お、言ってるそばから来たか」

「は…? なにがですか? 翔くん」

「なんでもねぇよ。じゃあ真紅が来る前に残りの作業を終わらしちまおうぜ!」

『おー!』


準備は着々と進んでいった…そしてもうすべてが完璧のままに仕上げられた部屋を見て一同は満足の顔をしていた。すると…


ピンポ~ン!


インターフォンの音がなり、一同は真紅がきたのだと思い衛巳がそれを迎えに行き、他の者はクラッカーの準備をした。


「はーい…今すぐにまいります」


衛巳が扉を開けるとそこに立っていたのは…。


「こんばんは…」

「…、えっ?」


玄関をあけたはいいが衛巳は真紅では無いその人たちを前にして固まってしまった…。


「…衛巳、どうしたんだ?」


そこに秦が中々衛巳がやってこないために心配になりやってきた。


「ににに、兄さん…!」

「いったいどうしたんだ…、む?……、! は、速水先輩!?」

「はぁ~い♪ 秦くん、久しぶりね!」

「は、はぁ…久しぶりです。ところで先輩はどうしてここに来られたのですか…?」

「鈴架達に招待されたのよ」

「…雫姉さま…」

「オゥ!」

「?…雫先輩、そちらの車椅子の少女と…狼?…それとも犬か?…とりあえずその動物は?」

「え? あ、あぁそういえばまだ紹介してなかったわね! この子はあたしの妹の…」

「…縁といいます。…よろしく…お願いします…」

「あ、こちらこそ。俺は秦というものだ。以後よろしく、縁くん」

「私は衛巳です」

「そしてこの子はあたしのペットの狼のスピネスよ」

「オ~ゥ」

「「えっ!?」」


それで秦と衛巳は少し驚き後ろに下がっていた。


「大丈夫、大丈夫♪ 真紅達も驚いていたけど本当にこの子おとなしいから」

「…うん、…スピネス恐くない、…よ…?」

「「はぁ…?」」


秦と衛巳が気の抜けた声で答えていると鈴架がやってきて、


「あ、雫先輩! 来てくれたんですね!」

「当然よ鈴架! せっかくお呼ばれされたんだからちゃんと来なきゃね♪」

「…私も、…」

「オゥ♪」

「縁ちゃんとスピネスくんも来てくれたんだね! 縁ちゃん、体は大丈夫なの…?」

「…うん。…それに、…これ、真紅お姉さんに渡すの…」


そういうと縁はクマのヌイグルミを取り出した。


「わぁ♪ これ縁ちゃんが作ったの?」

「…うん。メイさんに手伝ってもらって作ったの…真紅お姉さん…喜んでくれる、…かな…?」

「うん、絶対お姉ちゃんなら喜んでくれるよ!」

「…うん…」


縁は少し顔を赤くして頷いた。


「それじゃ雫さんと縁さんと…そのスピネスさんは真紅さんが来るまであがっていてください」

「えぇ、そうさせてもらうわ」

「…お邪魔します…」


そこに、


「お~い? 真紅はきたのか…?」

「こらッ! 翔、もうちょっと待てないの…って、あ! 雫!」

「静!」

「「ひっさしぶり!」」


ガッ!

そういうと二人は同時に腕をこついて挨拶を交わしてした。


「静姉、その人だれだ…?」

「あたしの後輩の友達よ。速水雫さん」


ガタッ!


「速水!?」


そこに名前を聞いた途端、突然部屋から海斗が驚愕の表情をしながら飛び出してきた。


「か、海斗くん? 突然どうしたの…?」

「あ…、いえ。それよりやっぱりあな…むぐっ!?」


すると雫は一同が気付くより早く海斗の口を塞いでいた。


「……雫姉さま…?」

「…雫? どうしたの?…海斗くんと知り合い?」

「え、えぇ。そうよね海斗く~ん?」

「は、はい!」

「それじゃちょっと話があるから外に出てるわ!」


そういうと雫はから笑いしながら海斗を引きずるかのように連れていった…。


『…?』


それを全員は不思議そうに見ているのだった。

そして外に連れ出された海斗と雫はというと、


「…はぁ、危ないところだったわ。あたしがあなたが真紅達と知り合いだと知っていなかったら真っ先にあたしの正体が縁にばれてしまうところだったわ…」

「あ、そうでしたね…皆さんはともかく縁さんには僕達のことは話さない約束でしたからね。すみません、気が回らなくて…」

「いいわよ…ぎりぎりセーフだったんだから。…それより、久しぶりね海斗くん!」

「はい。雫さんこそお元気そうで何よりです。」

「あたし…まだ全然若いつもりなんだけど? 真顔でそーいうことを言うところ…相変わらずデリカシーがあるのかないのかわからないわね、キミは?」

「い、いえ! 僕は決してそんなつもりで言ったわけでは…!」

「わかってるわよ。それよりそろそろ戻りましょう? みんなを待たせちゃ悪いしね!」

「そうですね」

「それともうしばらくこの事は内緒にしといてね?」

「あ――…そのことなんですが…実は僕と久刻さんはもう皆さんに打ち明けてしまったんですよ、それが…」

「そ、そうなの…? あはは…とりあえずあたしのことは、ね…?」

「はい。努力してみます…」


二人はそれで家の中へと戻った。


「お、戻ってきたぜ?」

「どうしたの一体…?」

「昔の知り合いで久しぶりに話をしてただけよ」

「はい」

「…ところで雫先輩?」

「何かしら、鈴架?」

「その…さっきから瑪瑙ちゃんとスピネスくんがじっと固まっちゃっているんですけど…?」

「えっ?」


「………」


見ると二人(?)はじっと睨み合って…というより見つめあっていた。


「どうしたんだ、瑪瑙?」

「あ、いえ…なんでもないです。(このことは秦様達には内緒です…)」

「スピネスもよ…?(…なにをしていたの、輝羽さん?)」

「オゥ~…(…いえ、少しばかり皆さんに聞こえない言葉で瑪瑙さんとお話をしていただけですよ。皆さんにはしばらく内緒にしてくれるそうですよ)」


瑪瑙と輝羽は海斗と雫同様にお互いに話がついていたらしい…。


「あ、そうそう。もう少しであるものが届くわよ!」

「「「「あるもの…?」」」」


一同が首を傾げているところに、


「遅くなりました、雫お嬢様。頼まれていたものが出来上がりましたのでお持ちいたしました」

「ありがと、リア。それでそれはどこにあるのかしら?」

「それはメイめがすぐに運んでまいりますわ」


すると…、


「うにゃあ~~~! 雫さま~♪ お持ちいたしましたぁ~!」


そこに妙な奇声をあげながらメイがどでかいケーキを走りながら運んできた。


「わっ!? メイ、危ないわよ!?」

「それがとまんないんですぅ…!」

『えぇーーー!?』

「っ…! 解咒!」

「「衛巳!?」」


衛巳は小声で力を解いて、すぐさまメイ、ケーキ、リアカーの合計体重、そして走って速度がついてしまって重さが何倍にも膨れ上がっているリアカーの前に飛び出して、


「はぁっ!」


ガシィッ!

ズザザァッ!


『おー!』


キィ――……


「ふぅ…」


衛巳はなんとかリアカーを止めることができた。

ケーキも無事である。


「はにゃ~…止めてくれてありがとうございますぅ~…」

「いいえ、このくらいならお安い御用です! それより大丈夫ですか…? えっと…メイさん」

「はいぃ。…ですが私なんかよりケーキがご無事でしたのでなによりですぅ」

「もうっ! あれほど環境が違う場所では大事なモノを運ぶときは走っちゃダメっていっておいたでしょ、メイ!?」

「すみませぇ~ん…気を付けたのですがつい足が滑ってしまって…」

「帰りましたらおしおきですね…」

「ひっ!…リアメイド長、どうかお慈悲を~…」

「それはできません!」


ガシッ!とリアはメイの肩を掴んだ。


「それでは雫お嬢様、縁お嬢様、お誕生日会は存分に楽しんできてください」

「ええ」

「…うん…」

「それでは…いきますよ…?メイ」

「はぁい…」


リアはメイを引きずりながら出ていった。


「それで雫先輩…帰りはどうするんですか?」

「そうねぇ…ま、その時に考えるわ。車椅子を使ってる縁に負担をかけないように。……ところで真紅はまだなのかしら?」

「確かに…、遅いですわね。なにかあったのでしょうか…?」

「何か…胸騒ぎがしますね」

「うぉ…海斗がいうと真実みがあるな。なら真紅の携帯に電話してみっか?」

「う~ん…もう少し待ってみよう?」

「そうか?なら了解」

「しかし七時過ぎか…」



◆◇―――――――――◇◆



…そして近道を通っていたとうの真紅はというと、



「…ここ、どこなの?昔は迷うことなんてなかったのに…」


真紅は見知らぬ路地裏で迷っていたようだ。


「どうしよう…せっかくみんなが私なんかの誕生日会を開いてくれるのに私が遅れちゃうなんて…早く見知った道に出なきゃ…!」


その時、真紅の耳になにかが飛んでくるような音を捉えた。


「はっ!?」


ズガァンッ!


「きゃっ! なに…?」


真紅はとっさの判断でなにかの衝撃波から避けた。

そして気がつくとまわりには影、瞬影、爆影がいて真紅を囲んでいた。


「影!?」

「ガァッ!」


瞬影は素早く腕を真紅の頭上から振り下ろしてきた。


「はっ!」


真紅はなんとか避けたが、


「(いけない!時空閉鎖広域結界が発生していないのにここで戦ったら町の人に迷惑をかけちゃうわ! それに路地裏じゃ思いっきり戦えない…ここはとりあえず逃げなきゃ…!)」


そして真紅は全力で走りだした…!


「ガァッ!」

「グルァッ!」


ボッ!ボッ!ボッ!

爆影が火球をいくつも放ってきた。


「っ…!」


それから真紅はそのような単純な攻撃をなんとかかわしながら逃げていった…。



………………

……………

…………



「…はぁ、はぁ…ここまでくれば!」


そこはこの星林町に住む者なら誰もが知っている場所で、この時期はまだ誰もこない砂浜の海岸だった。


「思いっきり戦えるわ! 解――…!」


グバァッ!


「!?」


突然、真紅の足元から影が這い出してきて両手足を縛り上げられ口をも塞がれてしまった。


「(いけない! これじゃ解咒を唱えることができない!)」


ギシッ! ギシッ!


「(抜けられない!)」


真紅は腕を力強く引っ張ったが解咒していなかった為に、影をひきちぎる事ができなかった。そして、


「シャァッ!」

「グガァッ!」

「ヴァァァッ!」


真紅を捕らえた瞬間にすべての影が爪を鋭く尖らせて真紅に襲い掛かった。


「(やだ! こんな事なんて…! 誰、か…助けて! 鈴架、みんな…海斗くんッ!!)」


真紅は涙ぐみながら心の中で叫んだのだった。




――to be continued.


真紅の運命やいかに、ですね。

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