表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
34/71

034話 『真紅の誕生日』

真紅の誕生日でそれぞれが動きます。


…あの後、


『…私も君たちと同じ生まれ変わりだということはわかった。だが私はこれから残り四体の十二神将を手にするために修業に入ることにする…だがその時がきた暁には心置きなく力を貸すつもりだ…』

と言い、久刻は今も自家で勉学の合間をぬって修業をしているという。



5/19(水)



それは帰りのホームルーム後の事、


「真紅! お誕生日おめでとう!」

「おめでとう! お姉ちゃん! はい。お母さんと一緒に選んだ新しいシューズだよ!」


琴美と鈴架の二人から新しいシューズを貰った真紅は、


「あ、ありがとうお母…琴美先生、鈴架。…で、でもまだみんな教室にいるのに恥ずかしいよぉ…」

「平気平気~♪」


…しかしその経緯をはたから見ていた同クラスの生徒達は、


「「「「「「(なんだってぇーーー!?今日は辰宮さんのお誕生日ィーーー!!?)」」」」」」

「(ど、どうしよう…! なにも用意していないよぉ…)」

「(くっ! 不覚だった…今日この素晴らしき日に辰宮さんになにもプレゼントをしてあげられないなんて…!!)」

「(いや…! まだ諦めるわけにはいかない! 一日遅れとなってしまうが今日中に一致団結してケーキやその他もろもろのモノを用意しよう!!)」

「「「「「「(おーーーっ!!)」」」」」」


それを横目で見ていた鈴架はというと、


「(…やっぱりかかったね、お母さん)」

「(そうね! 明日も楽しみだわ!)」


琴美と鈴架、それにクラス一同が思想を巡らせている中、真紅はというと…?


「(…どうしちゃったの? お母さんもみんなも…?)」


…やはり真紅だけは気付いていなかったようだ…。

そして後日談だが、クラスメイト達はすごいパーティーを開いたそうだ。



◆◇―――――――――◇◆



ところ変わって商店街では秦、瑪瑙、翔、静の四人が真紅にあげるプレゼントを探していた。


「んー…プレゼントったって真紅の奴、どーいう趣味してたっけか?」

「そうだな。やはりバレー関係とかではないか…?」

「あ、それなら鈴架さんがもう買っちゃいましたですよ?」

「それじゃパスだな。他にはなにかねぇかな?」

「真紅ちゃんて欲しいものとかは自分からはねだったりしない子だからこういう時は迷うわよね~…?」

「そうそう。真紅の奴ももっと自分から欲を出せばいいのにな…?」

「お前ではあるまいし…だが確かにそうだな」

「でもそこが真紅ちゃんのいいところじゃない? 真紅ちゃんは尽くすタイプだからきっと将来いいお嫁さんになるわよ? あなた達もキープしとくなら今のうちよ?」

「俺はパスだ」

「俺もだな」


静の提案にすぐに翔と秦はパスをしてしまった。


「あらっ…どうして~?」

「俺たちよりお似合いの奴が真紅のすぐ近くにいるしな。なぁ秦兄?」

「そうだな」

「…? あ、海斗さんの事ですね!」

「な~るほど! 二人ともえらいわねぇ。ちゃんと二人の事を考えてあげてるのね」

「ったりめぇだろ? あんなにお互い気に掛けてんのにその気持ちに気付かない奴らは相当珍しいからな」

「そういう事だ。今はまだだがその内に気付くだろう? それで話は脱線していたがプレゼントの件だがどうするか?」

「そうね…あ、あの望遠鏡なんてどうかしら?」


静はふとお店に飾られている一つの望遠鏡を指差した。


「それはいいな! 昔から真紅は夜空を見るのが好きだったからな」

「でしょ?」

「しかしよぉ…あれいくらすんだ?……、やめねぇ?俺の目がおかしくなけりゃ6桁は言ってるぞ、静姉?」

「そんなに高いですか…?」

「高いなんてもんじゃねぇだろ! こんな大金俺の一年分の小遣いの何倍だよ!?」

「安心なさい翔、お金に関しては大丈夫だから。それに大切なのはお金じゃなくてその人を思う気持ちが大事よ?」

「おぉ…我が姉らしからぬまっとうなお言葉だな」

「余計なお世話よ!」


ポコッ!


「いたっ!」


静は翔を軽くこついた。


「それより早く買っちゃいましょう。真紅ちゃん達が家に来る前に」

「ああ」

「わかったぜ!」

「はいです!」



◆◇―――――――――◇◆



また変わって聖梁教会ではクリスが一人でとある賛美歌を歌い、マザー・クレセントが歌に合わせながらピアノを引いていた…。


「……~♪、……~♪、……」

「………」


チャンチャンチャ~ン……。


…そして歌いおわって、


「…いい歌でございましたよ、クリス…」

「ありがとうございます、マザー」

「歌の録音もちゃんとしておきましたわよ。真紅さんも喜んでくれるとよいですわね」

「はい…」



◆◇―――――――――◇◆



そして雲隠家では衛巳と宗治が料理場に立ち、


ゴトゴトゴト…


「あ、そろそろいいかな?」


そこでは衛巳が食事の準備をしていた。


「おー、衛巳。もう今夜の準備をしているのかね?」

「はい! 今日は真紅さんのお誕生日ですから大奮発しちゃいます!」

「ほぅ…どれどれ?…ん? こ、これは!?」


宗治はあるものに目を釘づけにされていた。なんとそこにあったのはまるごとそのままの生のピジョンのお肉だった。


「え、衛巳…!? 一体どこからこんな高級な食材を確保してきたんだい!? それに他にも赤ワインやらその他もろもろの食材は!」

「お父さん落ち着いてください!」

「…はい」


衛巳の言葉でおとなしくなる宗治だった。


「これはですね、お爺さまが送ってくれたんですよ」

「父さんが!? いつのことだ!?」

「今日ですよ? この間たまたまお爺さまが帰ってきていた時に真紅さんのお誕生日会のお話をしたら、


『よし!わしに任せろ!』


といってまたどこかへ旅に出ちゃったんです」

「そうか。まったく…父さんの自由気ままさには困り果てたものだな」

「本当ですね。でもどうやってこういうものを送ってきてくれるんでしょう?」

「確かにな…まぁ父さんは神出鬼没だから考えても無駄なことだろう? それより…なら久しぶりに今日は父さんが手伝いをしてやろうか衛巳?」

「いいんですか、お父さん!」

「あぁ」

「それじゃお願いします。あ…でも…前みたいに部屋を燃やしたら怒りますからね…?」


すると衛巳の目つきは瞬時にするどくなった。


「あ、あぁ…わかったよ。(あんなに普通に斧をちらつかせているところを見ると最近の衛巳はやはり少しずつ恐くなってきている…これも前世の岩蛇殿の影響なのだろうか…?)」


宗治は我が娘ながら…と衛巳に内心で恐怖していた。



◆◇―――――――――◇◆



速水の豪邸では雫がリアと色々と話し合っていた。


「リア、あれの準備はできているかしら?」

「もう少しで出来上がるとのことです」

「わかったわ。それじゃあたしはその間に真紅の好きなティーの葉を農園からたくさん摘んでくるとするわ」

「わかりましたわ、雫お嬢様。それまでには仕上げておきます」

「よろしくたのむわね!」


…その頃、縁とメイは、


「……いたっ!……」

「あっ! 縁様! 大丈夫ですか!?」


そこでは縁がメイにやり方を教わりながらくまさんのお人形を作っている真っ最中であった。


「…うん。それより早く完成させなきゃ…真紅さんにプレゼントするんだから…」

「でもあせって怪我をしちゃだめですぅ~! 私がちゃんとお教えしますからゆっくりやりましょうね、縁様」

「…、うん。…ありがとう…メイさん…」

「気になさらないでください~♪ 私は縁様に尽くすことが生きがいですから~♪ さ、焦らず時間までに完成させちゃいましょうね!」

「…、はい…!」



◆◇―――――――――◇◆



そして美薙家では、海斗が色々と準備をしていた。


「…あまねく水の精霊達よ…我に力を与えよ…」


海斗はなにやら儀式を行っているらしい…。


「…そして我の想うものに宿りて力を化し与えたまえ…そしてこれを身に纏いしものに我と水の精霊達のご加護を与えたまえ…はっ!」


シュウゥゥゥ…

そして海斗は力をある一点に集中させた。すると海斗のまわりに大気が集まりだして、それは一つの装飾品に吸収された。そして…


カッ!

出来上がったようだ。


「…よし! これで準備はできました。後は――…」



◆◇―――――――――◇◆



一同はそれぞれ真紅のために各々プレゼントを用意していたが、あるものは違う目的で奈義家…つまり久刻の住む家を尋ねようとしていた…。



「…ここが久刻くんの家。秦くん達の和風の家とはまた違った西洋のような雰囲気ですね。そして年期が入っているわね…。さて、私の考えが正しいならここにはあの御方がいるはずだわ」


そしてガリウスは一歩奈義家に足を踏み入れようとした瞬間、


「待ちなさい…ワシに話があるんじゃろ? ガリウス殿…?」

「!!?」


そこには杖をついたお爺さんが立っていた…。それだけならガリウスも驚きはしないのだがその老人はガリウスに気配すら感じさせず後ろに立っていたのだ。


「ご老人…! どうして私の名を!?」

「気づかんかの? ワシじゃ! 無心じゃ!」

「無心さん!? しかし…そのお姿は…?」

「この姿はこの奈義の家に潜り込むために変化した仮の姿で、今のワシの名は『時緒(ときお)』じゃ。…まぁもう本当の姿とそんなに大差はないがのぅ…」

「そうなのでしたか…しかしなぜ?」

「待ってくだされガリウス殿…ここではいささか話しづらいでしょう? ワシの部屋に移るとしましょうぞ?」

「…そうですね」


それでガリウスを部屋に招待した無心は白竜と劉輝の訃報の話を聞き、


「…そうか。白竜に続いて劉輝まで亡くなってしまわれたんじゃな…」

「…えぇ、それで白虎さんは精神的にかなりまいっていると辰雛ちゃんから聞かされました…」

「確かにワシらの世代ではもう赤竜殿の父、『凰仙(おうせん)』殿や敵だったとはいえ『血丸(ちまる)』殿、十字暗殺部隊はこの世にはおらず…。

いや可憐殿はいるが彼女にはワシらと過ごした時の記憶はすべて『憑詠(つくよみ)』に消され、それでも新しい人生を歩んでいる…。

事実上は白虎とワシ以外は誰もいなくなってしまわれたからな…気持ちもわからなくはない…」

「でしたら…!」


ガリウスがそれだったら戻ってくれという意味を込めた叫びを上げるが、


「ガリウス殿…ワシとて出来ることなら今すぐにでも精霊界に戻り白虎を助けてやりたい…。

だがまだワシには久刻が巌時の膨大な力により押し潰されない遥かに強い力を身につけるまで見守っていくという義務があるんじゃ!

くやしいがここは我慢しなくては今までワシが久刻とその家族をだましてまでやってきたことが無駄になってしまうんじゃ…ワシの身勝手な我儘じゃが許しておくれ、ガリウス殿…」

「無心さん………わかりました。それでしたら私はもうなにもいいません。ですがその時が来ましたら…」

「わかっとる…必ず会いにいくと約束しようぞ! それと白虎…それに里の皆に伝えたいことがあるのじゃが頼まれてくれるかの?」

「はい。なんなりと…」



………………

……………

…………



そして日も暮れようとしていた時間になる頃、真紅は一人で雲隠家へと向かっていた…。


「もう…鈴架ったら先にいくならいくって一言いってくれればよかったのに…学校中を探しまわっちゃったわ。

それより急がなきゃ…! クリスや海斗くんも学校にいなかったからもう向かっているんだと思うし」


真紅はそういうなりすぐに学校を出て急いだ。


「あ、そうだわ!確か森に続く近道があったわね。そこを通っていきましょ!」


そう言って近道を走っていく真紅だったがそれが後に悲劇につながるという事になるのは、どうなのだろうか…。




――to be continued.


なにやら最後に不吉な感じです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ