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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
33/71

033話 『具現幻想の猛将使い』

今回久刻の力が見られます。



久刻は玉によって弾かれてしまった。

リーン…

そして玉は力なく地面へと落ちた…。


「ご主人!」

「奈義会長! 大丈夫ですか!?」

「久刻! 平気か…!」

「あ、あぁ…大事無い」

「…一体なぜ?」


ガリウスが不思議そうにしながらも時空銀の宝玉を拾い上げる。


「ソレイユ先生…一瞬のことだがこの玉に秘められている力が私の体に流れこんできた…その時に感じた。この力はまだ私には余る代物のようだと」

「そうですか…。ですがなぜ拒まれてしまったのでしょう?」

「拒まれた理由もわかります。まだこの私は“十二神将(じゅうにしんしょう)”達を全員使役できていないことが原因でしょうね?」

「え…久刻さん、まだ十二神将は全部自分の物にしていなかったのですか?」

「うむ。お恥ずかしいかぎりだが今現在私が所持している神将は代々我が家に受け継がれてきたものでね…この天空を含め、

貴人(きじん)

六合(りくごう)

勾陣(こうじん)

縢鉈(とうしゃ)

大裳(たいじょう)

大陰(たいおん)

天后(てんごう)

の八体なのだよ。その後残り四体は、

朱雀(すざく)

青龍(せいりゅう)

白虎(びゃっこ)

玄武(げんぶ)

なのだ。これがまた手強い奴らでね。さしずめこの私の前世はまだ全てを会得しきれていない中途半端さにまだ力をお貸しならないのだろう…」


それにガリウスは納得し、


「なるほど…そういう理由でしたら納得です。あなたの前世の巌時さんらしい良い選択だと思いますよ。それより聞きたいことがあるのだけどいいかしら…?」

「えぇ、よろしいですよ?」

「さっき代々受け継がれてきた代物といっていたわね? それはあなたのご家族はご存じなのですか?」

「いえ、知っているのは私と私のお爺さまだけですが…? それがなにか…?」

「いえ、ただ興味が湧いただけですよ。それともう一つ、この天空さんも含めて十二神将にはどれくらいの歴史があるのですか? その四聖獣も人工生命体みたいよね?」

「…ご存じありません」

「俺もです。なにせ初めてのご主人が久刻殿でござったからな…」

「………」


その話を聞いてガリウスは少し考え込んでしまった…。


「(これはもしかしたらあの御方が絡んでいるかもしれないわね…調査をしてみるかしら…?)」


後で調査をしようとガリウスは思っていた。


「…どうかなされたのですか、ソレイユ先生?」

「…あ、なんでもないわ。私の質問はこれで終わりよ。ありがとう久刻くん」

「いえ、お役に立てたかは分かりませんが…あなたに言われるのなら光栄ですよ。

それより…皆さんはお気付きかな? 私の式神の一つ、『貴人』が貼っているこの生徒会室の結界以外はまたその例の『時空閉鎖広域結界』という闇の結界によりまたしてもこの学園は捕われてしまったようだ」

『!?』

「それは本当か、久刻!?」

「あぁ」

「ならばこうしてはいられないな! 瑪瑙!」

「はいです!」


瑪瑙は刀へと変化し秦に握られた。


「ほぅ…それが貴女の本当の姿なのですね?」

『はい、そうです!』

「そんなことよりいくぞみんな!」

「「はい!」」

「わかりましたわ!」

「はい! 秦先輩!」

「おぅ!秦兄!」

『開…!』


一同が一斉に解咒をしようとしたがそれは久刻によって止められた。


「待った! 今回は私に任せてはもらえないだろうか?」

「か、会長がですか!? お止めください! 危険ですわ!!」

「なぁに…大丈夫だよクリスさん。確か彼らがここに侵入してきた回数はこれで二度目…いや、ゴールデンウイークを加えれば三度目だね…?」

「あ、やっぱりご存じでしたか…」

「うむ。よって彼らには無断で学びやの聖地であるこの学園に侵入した罰として私が直々に制裁を加えなければな。

そして『仏の顔も三度まで』という言葉を彼らの脳裏…いや魂に刻んでやろう…! ではいってくるよ! ははは…!」


爽やかに生徒会室を出ていこうとしているがその時、一瞬久刻に黒いオーラが纏っていたような気がし一同は恐怖を感じたという…。

そして久刻は生徒会室を後にした…。


「こ、こえぇ~…」

「…今の久刻、あれは相当キレているな」

「…さすが巌時さんの生まれ変わりね。普段と戦闘時では性格が180度回転してしまうところはまるで変わっていないわ」

「はいなのです…」

「久刻さんがあのようなキレキャラだとは知りませんでした…」


まず翔が怖がり、秦が久刻のキレように驚き、ガリウスが巌時と同じだと呟いて瑪瑙がそれに同意する。海斗も知らなかったらしい。

そこにクリスが、


「奈義会長…あのどんとした振る舞い…素敵ですわ」

『えっ!!?』


クリスの頬を赤らめながら言い放った一言により一同はさらに驚いていた…。


「ま、まさかクリスさん…奈義会長のことを?」

「はい。お恥ずかしながらわたくしは奈義会長のことが好きです…」

『!!』

「…外国人は正直者が多いっつうけど本当だったんだなぁ」

「あぁ、久刻が聞いたらどんな顔をするだろうな…?」

「それでクリス。もうそのことは奈義会長にはお話したの…?」

「いえ…ですがいずれは。それまで奈義会長には内緒にしておいてくださいね…?」

「うん! でも困ったことがあったらなんでも相談してね!」

「はい!」


クリスは至福の笑みで返事を返した。


「(…こちらも相変わらずのようね。光真さんと同じでクリスさんも久刻くんの事を…)」


…一方、久刻は校庭へと出ていた。


「さぁ出てきたまえ! 私が相手になってやろうではないか!」

「…ん? 誰だてめぇは…?」


そこに来豪と影の群れが姿を現した。


「おっと失礼…まだ紹介をしていなかったね。私は聖梁学園生徒会会長の奈義久刻というものだ。よろしく頼む」

「うおっ!? なんだこいつ!!」

「さて、今度は貴方の名前を聞こうではないか?」

「けっ! 誰が教えてやるか…くだらねぇ!」

「…なに? 戦いの儀式において、お互い同士の名前を聞くのは当然であろう?」

「てめぇみてぇな弱そうな奴に教えてもどうせ死ぬんだし意味ねぇだろうが!」

「ほぅ…いいましたね? ではまずそちらから仕掛けてきても構いませんよ?」

「お~? いい度胸じゃねぇか! なら…いけ瞬影! 奴を引き裂け!!」

「ギィッ!」


そして何体もの瞬影は久刻へと飛び掛かった。


「…遅いですね。我が足となれ…『六合』!」


瞬間、久刻の足になにかの力がまとわれる。


「ぬっ?」

「ガァッ!」


瞬影が腕を振り下ろしたが久刻はそれを上回るスピードで回避した。


「なっ!?」


そして久刻は瞬時に地面に何枚もの呪符を置き、


「押し潰せ…『勾陣』!」


そしてすぐに天にジャンプしてまたもや呪符を何枚も放ち、


「眼前の敵を焼き尽くせ…『縢鉈』!」


久刻は二つの式神を同時に解き放った。

…そしてある影は地面から這い出してきた土の集まりに捕まり地面へと引きずり込まれ、またある影は呪符から飛び出した蛇状の炎に包まれて燃やされていた。

そして一瞬にしてその場にいた影の群れをほぼ掃討して久刻は地面に着地した。


「な!? あれだけの数の影を!!」

「さぁ、これで私の実力は…あなたには早すぎてわかりませんでしたね? ですが貴方は三度に渡ってこの学園を危険にさらした…その報いは受けてもらう!」

「っ…!」

「そして一見して見たところ貴方は人間ではないですね…?」

「なっ!?(奴は俺様の正体に気付いてるっつうのか!?)」

「おそらく貴方も…」

「う、うるせぇ! 俺様は人間だ!!」


久刻になにかを言われる前に自分は人間だ!と来豪は叫んだ。


「…ふむ、言い切りましたね? ならばこれを受ければどうなるでしょうね? 殲滅せよ…『大裳』! はっ!!」


カァァァ…ガンガンガンガンッ!!

すると呪符から数えきれないほどの光弾が発射され来豪を襲った。


「ウオオォォォーーーッ!!!?」


光弾はすべて来豪に直撃し、あまりの威力に煙が上がって来豪の姿は確認が取れないでいた…。


久刻「…むっ。少しやり過ぎたかね…?」




そしてそれを生徒会室からガリウスの術により見ていた一同は、


「あれが…久刻の本当の姿なのか…!」

「すげぇ…! あの来豪が触れることすらできずにいるぜ! なんなんだ? あの会長さんはよぉ!」

「…久刻さん、さらに腕をあげましたね! あれで全ての十二神将の力を手に入れ、さらには十二支の力も覚醒したらどうなるんでしょうね?」

「すごいことになっちゃうこと間違いなしですね!!」

「うん…クリスもそう思うで…しょ?…あの、クリス?」

「奈義会長…素敵ですわ…」


久刻の姿をじっと見ていて頬を染めているだけであった。


「…自分の世界に入っているなぁ…?」

「今はそっとしておいたほうがいいです…」


…そしてガリウスは、


「(やはりこの力の感じは…)」



そして場所は戻り、校庭では、来豪を中心にモクモクと煙が上がっていた。

それから少しして煙は止んできてやっと来豪の姿が見え隠れしてきたのを確認する。

久刻はその来豪の真の姿を見て驚いてはいたがいたって平常心を保っていた…。

そこには右半身が人間の形をして、もう左半身は砕かれたかのように体にヒビが入って外面部分だけが崩れ落ち影達と同じような全身真っ黒な姿へとなっていた…。


「グギッ…デメ゛ェ゛ヨ゛グモ゛…!」

「ほぅ…やはりあなたも影であったか…」

「ウル゛ゼエ゛! オ゛レ゛ザマ゛バヤ゛ミ゛ノ゛オ゛ウ゛ニ゛ニ゛ン゛ゲン゛ノ゛ガラ゛ダヲ゛モ゛ラ゛ッ゛ダ…! ガゲナ゛ン゛ガドイ゛ッ゛ジョ゛ニ゛ズル゛ナ゛…ヴガァーーーッ!!」

「!?(まだ戦えるというのか…!)ならば…ここは!」

「来豪やめなさい…!」


久刻がさらに技を出そうとしていたがそこに仮面の女が出現して来豪を止めた。

それに驚く一同。


「仮面の女…!!」

「ア゛ネ゛ザン゛…ゴゴバビゲネ゛ェ゛ヨ゛! ゴゴマ゛デザレ゛デヂャ゛モ゛ウ゛ゼッ゛ダイ゛ビゲネ゛ェ゛…!!」

「それじゃこれを聞いても…? 闇の王が、


『今は一度体を安めろ…お前の力がまだ必要だ』


とのことだよ…後はお前次第だ」

「………」


そして来豪は少し考えて、


「ワ゛ガッ゛ダ…」


そして来豪はなにもいわずその場から消えてしまった…。

それから残っていた仮面の女は、


「……、来豪からの伝言だ。

『必ずてめぇらをぶっつぶす!』

だそうだ。では…」


来豪の代弁をした仮面の女もすぐに姿を消した。


「………」


久刻はそれを聞いても無言を通した。

そして時空閉鎖広域結界は砕けて時間は正常に作動した…。

その放課後、


「これで…いいだろう」


久刻は学園の四方にそれぞれ『貴人』を貼り、魔の者が入ってこられない結界を展開させた。


「これで二度と学園の中には無理矢理破らないかぎり彼らは侵入してこないだろう…」

「そうか。しかしよぉ、来豪の奴…人間じゃなかったんだな…?」

「あいつが影に妙なこだわりを持ってたのはそのせいなんだね…」

「そうね…」

「ただの影だった彼に知能と体を与えるなんて…闇の王はそれだけ力が強いというところですね」



◆◇―――――――――◇◆



「………」


ゴポゴポゴポッ…


来豪は実験場のような場所に設置してある巨大なカプセルに入って体を癒していた…。

闇の王はそれを見て、


「来豪がここまで傷つけられてしまうとはね…」

「これはさらなる強化が必要かと…?」

「そうだな…くくくっ!」


闇の王は笑みを浮かべるのだった。




――to be continued.


十二神将使いってなかなかいないと思います。

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