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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
32/71

032話 『生徒会長の呼び出し』

生徒会長が登場します。



5/14(金)



…ゴールデンウイークも終わって普段の学校生活に戻り最近は来豪との戦いも特になく…。

(その理由はきっと雫と輝羽が毎夜、影達に対して戦いを挑んで蹴散らしており来豪もそのことに気付いて警戒しているからだろう…)

五月もちょうど真ん中辺りに差し掛かったある日のこと、一同は毎度の如く中庭で昼食をとっているとそこに放送が流れだし、


『…放送いたします。生徒会副会長のクリスチーヌ・セインティーさん、奈義会長がお呼びです。至急生徒会室までおいで下さい…』


「な、奈義会長がわたくしだけをお呼びですか!? なんなのでしょう…?」

「用があるなら自分からこっちにくればいいのにな~?」


翔がそう言うが、


「まぁそう言うな、翔。久刻も学校の行事から家のことまで色々とやらされているのだから早々こちらにこれるわけではないからな」

「会長のことを知っているんですか? 秦先輩?」

「あぁ、あいつは俺の親友だからな」

「そうでしたね。私が何度か生徒会の勧誘にあった時も秦さんが奈義会長をなんとか引き止めてくれましたし…」

「えっ!? そんなことがあったの? お姉ちゃん?」

「はい。真紅さんはそれこそ優秀ですから奈義会長もぜひ生徒会に引き入れたかったのでしょうね。」

「確かに真紅さんの人気なら生徒会も一発で選ばれるかもです!」

「ありがと瑪瑙ちゃん。でも私どうしてもバレーがしたかったから…」

「真紅さんらしいですね。(ですが奈義…久刻…?あの方と名字が同じですが…偶然でしょうか…?)」


海斗は少し考え込んでいた。


「それじゃいってまいりますわ」

「あいや待った! いくのならそこにいる方々も一緒に連れてきて下され!」

『!?』


一同は突如として聞こえてきたその声に反応してとっさに振り向いたがそこには誰もいなかった…。


「なに、いまの声…?」

「さぁな…」

「今ほんの少しですが人ではない気配を感じたです!」

「まさか敵…!?」

「いえ、違うと思います。それに…」

「それに…なんだ?」

「あ、いえ…(さっきの声の主が彼ならやはり…)」


海斗は確信に近づいていた。


「ふ~ん…ま、ならいってみるか!」

「そうだな」

「そうですか。それではいきましょうか」


そうして一同は多少警戒しながらも生徒会室へとむかった…。

そして生徒会室では、


「彼らをお呼びいたしました、ご主人…」

「そうか。ごくろう『天空(てんくう)』…さて?」



◆◇―――――――――◇◆



一同は生徒会室のある別棟の四階へと足を運ぶと、


「!?」

「…? どうした瑪瑙?」


瑪瑙は突然感じた異変に目を見開く。


「…今私たちがここの階へと足を運んだ瞬間にここら一帯に人払いの術らしき結界が貼られましたです!」

「人払いの結界!?」

「(やっぱり…!こんなことをできるのは僕の知っている限りではあの人だけですね…!)」

「まさか…久刻は俺たちの敵なのか?」

「そんな! 奈義会長にかぎってそんなことはないですわ!」

「そうだな。あいつが敵なわけがないからな…」


秦はそういいながらも不安を隠しきれていなかった…


「安心してください。秦先輩、クリスさん。その方は僕の考えが合っているとしたら敵ではありませんから。翔くん…前に話した昔の僕のかつての仲間のことを覚えていますか?」

「あ? あぁ…それがどう、ってまさかここの会長さんがそいつなのかもしんねぇのか…!?」

「そうだと僕は思います。先程の謎の声ももしかしたら聴いた事があるかもしれませんし」

「ねぇ海斗くん? 昔の仲間ってなんのこと…?」

「…あぁ? おい海斗、まだ真紅達には話してなかったのか?」

「えぇ。ですがそれは生徒会室に入った後にお話します。おそらく彼も僕がいればおのずと語ってくれるかもしれませんしね?」

「なるほどな」

『???』


海斗と翔がなにか二人だけで分かり合っている中、他の一同はなんの事?といわんばかりの顔をしていた…。

そしてついに生徒会室の前に着いて、


「そ、それではいってきますわ!」


クリスがドアをノックしようとした時に部屋の中から、


「あー、クリスさん大丈夫。私はなにもしませんから。それと他の方々にも入ってもらいたまえ」

「は、はい! 奈義会長!」


ガラッ…

そしてクリスはゆっくりとドアを開けると一人の眼鏡をかけた銀髪の男性が腕を組みながら椅子に腰掛けて座っていた。


「やぁクリスさん。それに他の方々も。私は聖梁学園会長の『奈義(なぎ)久刻(ひさとき)』だ。よろしくたのむ」

「なにがよろしくだ、久刻? 結界まで貼っておいて…」

「まぁそういわんでくれたまえ、秦。…それより途中から気付いていたらしいな。さすがだね、『針術使い』…いや美薙海斗」

「いえ、こんなことをするのは貴方だけだと思いましてね、『神将使い』…いや、奈義久刻さん」

「懐かしいねぇ…君とは二年前以来かな…?」

「そうですね。お元気そうでなによりですよ。まさかこの町の、しかもこの学校の会長さんをしているとは思いもしませんでした」

「あの~…お話し中失礼だと思うのですがお二人の話が見えないです…」

「確かにな…海斗くんとは一体どういう関係なんだ? 久刻?」


鈴架がまず手を挙げてそう述べて、秦がそれに続く。

だが久刻は落ち着いた様子で、


「まぁそう急くな、秦。…おや? それより君は確か真紅さんの妹君の鈴架さんでしたね?」

「は、はい! よくご存じでしたね?」

「はは、まぁね。それより思ったとおりだ」

「えっ?」

「やはり君は真紅さんと同じで真面目で可憐そうな顔をしているね」

「か、かかか会長にそういってもらえるなんて光栄です!」

「鈴架落ち着いて…」

「そうかたくならんでいいよ。それより海斗…私たちの事は彼らにはまだ話していなかったのだね?」

「あ、いえ翔くんだけには話をしたんですが…」

「ほぅ…海斗はそのことは口を割らないと私は思っていたのだがな…?」

「いや、つい口をこぼしてしまいまして…」

「そうか。翔くんといったかね? いつも君の兄にはお世話になっている。これからよろしく頼むよ?」

「は、はぁ…? わかりやした」

「それと瑪瑙さん、君の噂は秦よりつねづねより聞いている。よろしく頼む」

「はいです!」

「うむ! 元気でよろしい。…さて、それでは気になっているご様子なので少しばかり昔の話をしようかね…?」


そして久刻は海斗と同じように掃除屋時代の話を一同に聞かせた…。



「海斗くん…そんなことがあったなんて…」

「すみません…中々話すタイミングがつかめませんのでしたので…」

「いいの。そんな話はしづらいものね…」

「皆さん、このような話をして気を悪くしたのなら謝ります」

「いや、話してくれて感謝する。しかし久刻…お前の理由が修業の一貫としてだったとはな。お前らしいな」

「これも祖父の言い付けでね…それよりそろそろ本題に入るとしようじゃないか」

「あ、そうでしたわ。奈義会長、わたくしになにか御用があったのではありませんか…?」

「そのことだが君だけではなく君たちに用があったので呼び出したのだよ」

「えっ…私たちも、ですか?」

「その通り。君たちは先月の終わり頃にこの学園で起きた事件のことを覚えているかね?」

「先月っていったら…あっ!」

「そうだ。あの謎の結界により学生達の時が一時的に止まってしまい、そして闇なるものが徘徊しだした事件だ」

「あのことを知っているのか!? 久刻!」

「当然だ…。私はあの結界が発生する直前に異常を察知して私自らの結界で呪縛から逃れていたからね…。

そしてその時に君たちが校庭へとむかっていくのを見たのでね、私の式神・十二神将の一体、『天空』を放ち私の代わりの目となって君たちの戦いを見せてもらった。出てこい、天空!」


シュッ!ボンッ!

そして久刻は一枚のお札を放ち、それが鳥の姿へと変わった。


『!!』

「はっ! 天空、ここに馳せ参じました!」

「鳥か…?」

「…あ、天空じゃないですか。お久しぶりです」

「…海斗殿か。おひさしゅうございます。そして皆さん、これからどうぞよろしくいたす」

「賢い方ですね」

「そう、この通り天空は優秀で、そして偵察に長けていてね。

私の目の代わりもしてくれる良い式神だ。

して、率直に聞こう。あの異妖の者はなんなんだい? 私も何度か深夜に手合せをしてやったのだがどうにもあれは人の成せる術ではないと私は思うのだが…?」


久刻が一同に聞くがそこにここにはいない人の声が聞こえてきた。


「それは私から説明いたします」

『!?』


すると突然壁を擦り抜けるようにしてガリウスが姿を現した。


「ガリウスさん!」

「…ガリウス? なるほど、それがあなたの本当の名前なのですね? ソレイユ・カシウス先生…」

「驚かないですか? さすがですね久刻君。それでは話をさせていただきます…」


そしてガリウスは久刻に今までの経緯を話した。



………………

……………

…………



「…なるほど。つまるところの話ではその『闇の王』という輩とその配下の者達と皆さんは戦っているわけですね?」

「…えぇ、ですが相手の居場所がわからない以上はこちらからは仕掛けようがありません。

それに例えわかっていたとしてもまだ十二支の生まれ変わりである者は真紅さんをはじめ、鈴架さん、クリスさん、海斗くん、秦くん、翔くんともう一人…今ここにはいませんが秦くんと翔くんの妹さんの衛巳さんの計七人…つまりまだ半分しか見つかっておりません。

そしてなによりの決め手は皆さんはまだ完全の目覚めを迎えていないからです」


ガリウスは強く言い放った。

一同はあまりのガリウスの言葉に呆然としていた…。


「はっ!? すみません…決して私は皆さんのことを貶しているわけではないのです…」

「わかっています、ガリウスさん」

「…そう。俺たちは実際まだすべての力を把握してはいないのですから」


そして他の一同も同意しているためこくこくと頷いていた。


「すみません、皆さん…」

「それよりソレイユ先生。そのような大事なことをなにも関係の持たない私のような者に話してもよかったのですかな?」

「あ、たしかにそうですね」

「はいです」

「それには少々理由がありまして…」

「まさか…? 久刻も十二支の生まれ変わりかもしれないということですか?」

「それがまだ分からないのよ」

「わからない、と申しますと?」

「それはこの『時空銀(じくうしろがね)宝玉ほうぎょく』が少しながら反応を示しているのは確かなんだけれどどうにもためらいのようなものを感じるのよ」


そういいガリウスは紫の玉を取り出した。


「ためらいですか…それでは試しに久刻さんに玉を触れさせてみてはどうでしょう…?」

「確かにそれのほうが手っ取り早いな!」

「…とのことですけどいかがなさいますか? 奈義会長?」

「…わかりました。それでは触れさせていただきます」


そして久刻は玉を触れようとした瞬間、


バチィッ!


「ぐぅっ!?」

『!?』


久刻は突如玉から放たれた紫の光により触れることを拒まれてしまったのだった。




――to be continued.


拒まれてしまった理由とは?

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