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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
24/71

024話 『GW。初日、真紅の提案』

ゴールデンウイークの始まりの話です。



5/1(土)



…学校が時空閉鎖広域結界に閉じ込められた事件が起きてから一週間…これといった事件もなく日付が四月から五月へと変わりゴールデンウイークを迎えた。

ゴールデンウイーク・1日目の朝、


~~~♪


翔の部屋では翔の携帯が鳴っていた。

日が昇る前から早朝訓練をしてきた翔は二度寝をする事を決めていたために電話が鳴り響き気だるく起き出す。


「ん…? 誰だ朝っぱらから? え――…鈴架!? 珍しいな俺の携帯にかけてくるなんてよ!」


翔は相手が鈴架ということで気が進まなかったがしょうがなさそうに出た。


「…なんだ?」

『あ、やっと出た。おっはよう翔!』

「あぁ…。お前は朝からハイテンションだな。で、用件はなんだ…?」

『愛想がないね、それに元気もない…どうしたの?』

「なんでもねぇよ。ただ早朝トレーニングをやってきたから疲れてるだけだ」

『あ、忍者修業の? 大変だね~。いつも何時くらいからやってるの?』

「あーそうだな…大抵は四時起きくれぇからだな」

『わ、すごいね!』

「まぁな。で話は戻すが俺になにか用があって電話したんだろ?」

『あ、うん。そのことなんだけどせっかくのゴールデンウイークなんだし久しぶりにみんなでお泊り会でもしたいなぁ、なんて…?』


鈴架の提案に翔は一瞬何を言っているのかと思った。

そして再起動し、


「…あ゛?」

『…あ、やっぱりそういう反応する?』

「当たり前だろ! この歳になって何を考えてるんだ!?」

『いや、ね。この頃これといった目立った事件も起きていないけどいざって時に起きたら困るからゴールデンウイークでいい機会だしみんなで話し合おうってことなの』

「あ、なるほどね。…で、その話を持ち出したのは誰なんだ? やっぱり真紅か…?」

『あ…うん。まぁ…お姉ちゃんがまた海斗さんみたいなことがあったら大変だからって…』

「はぁ~ん…なるほどね」

『ちょ、ちょっと鈴架!』


そこに真紅が会話に割り込んでくる。


『お、お姉ちゃん?! いつから聞いてたの!? じゃ、じゃそういうことで秦先輩達にもそのことを伝えといてね!』

「あぁ、わかったぜ!」

『それじゃね!』

『鈴架ーーー!!』

『キャアアッ! お姉ちゃん許して…!』


プツンッ…ツー、ツー…という音が携帯から聞こえてくる。

真紅から逃げたのだろう。


「(ふむふむ…これは面白いことになってきたな。これでただ休みばかりの退屈なゴールデンウイークも楽しく過ごせそうだぜ!)」


翔はそんな事を思って楽しそうに笑みを浮かべていた。


…一方、雲隠家の剣道場。

そこでは朝早く秦、瑪瑙が竹刀を振って稽古をしていてそれを静が師範代の役目として二人を指導していた。


「はぁっ!」

「はい! 秦まだまだ踏み込みが甘いわよ!」


秦の竹刀の振り下ろしに静はすぐに対応していた。


「はい!」


そしてお次は瑪瑙が静にかかっていく。


「やぁっ!」

「瑪瑙ちゃんはやっぱりすごいわね! 隙が少ないわ!…でもやっぱり背が低い分頭を狙われやすいわね。そこのところを注意したほうがいいわよ?」

「ご指南ありがとうございますです!」


そして秦と瑪瑙は体が温まってきたので、


「ふぅっ…よし準備運動は済んだな。では瑪瑙今日も頼むぞ!」

「わかりましたです!」

「それじゃいつも通り中庭にいきましょう」


三人はなにかを始めるために中庭へと向かっていった。

そこに、


「お、いたいた。秦兄ちょっと話があるんだけどよ?」

「翔か? もう帰ってきていたのか。まぁ少し待っていてくれ」

「ん…? ああ、いつもの“あれ”か。じゃ俺も見学させてもらうぜ!」


そして一同は中庭へとやってきた。そこは道場以上の広さがありなぜか足の踏み込みのようなくぼみの後がよくできていた。


「それじゃあたしは離れて審判をするわね」

「俺も離れとくぜ…」


翔と静が離れる。すると突然二人は静かになり打ち合いの構えをした。


「勝負は一本勝負! どちらかが一本を取るまで終わらない時間無制限! それでは……」

「……」

「……」

「はじめ!!」

「「…ッ!! 解咒!!」」

「はああぁぁぁーーーッ!!」

「やあぁぁぁーーーッ!!」


試合が開始された瞬間二人は力を解放して一気に間合いを詰めた。


「せいっ!」

「やぁっ!」


すると二人を中心に地面が少し沈んだ。踏み込みが半端ではない。


「二人ともー! 竹刀は折らない程度にやってねぇー!」

「「はい!」」

「む、無理じゃねぇ…?」


翔が無理だろうという顔をしていた。

それから二人は2分、3分ほど打ち合いを続けていき、それを遠くで観察していた二人は、


「しっかし秦兄も瑪瑙相手に保つようになったよな…」

「それは毎日一本勝負だけれど本気でやっているからねぇ~」

「だが、そのたびに地面が沈んでちゃなぁ…」

「そうなのよねぇ…」


二人の話をよそに二人は間合いを計っていた。


「(…さすが秦様です! この短期間でこれほどまでに成長なされていますとは…すごいです! でもまだ負けるわけにはいきません…!)」

「(先程の静姉さんの指摘も兼ねているらしいな…。やはり隙がない…! ならばここは一意専心…!

瑪瑙がしかけて腕を上げる瞬間に瞬時に間合いを詰め俺の今の最高の踏み込みで一瞬だが隙ができる胴に打ち込むべし…!)」


…そして、


「やあぁーーーっ!」


瑪瑙がしかけようとし腕を上げたその瞬間。


「(今だ…!)」


秦は姿勢を低くして一気に胴を狙った。


「あっ!? まずいです!」


瑪瑙はすぐに振り払おうと竹刀を振り下ろそうとしたが、


「遅い! はあぁぁぁっ!」


秦は砂煙をあげながら思い切り踏み込んで、


「どぉぉぉーーーうっ!!」


バシンッ!というこ気味良い音が響き渡る。


「あうっ!?」


そして秦の竹刀は見事に瑪瑙の胴にヒットした。


「一本! そこまで!!」

「おー! やったじゃん秦兄!」

「やった…のか…?」


秦は少し思考が停止していたが…。


「はうぅ…」


瑪瑙が消えそうな声をあげて倒れて秦は一気に現実に引き戻された。


「はっ!? 瑪瑙! 大丈夫か!?」


瑪瑙はかなりの直撃をうけたのか目を回していた。


「あぅぅ…」

「すまなかったな瑪瑙…」

「い、いえ…それより秦様は本当にお強くなられましたです…」

「確かにね。それにあの一瞬の踏み込みは今までで最高の出来栄えだったわね~!」

「あぁ! その証拠に足跡が今までで一番沈んでるからな!」

「ありがとう。だがまだまだだ…あれはたまたまの勝利だからまた今度試合をした時は負ける確率は今日より高いだろうしな…」

「そうね。瑪瑙ちゃんはやっぱり刀の精だからもう同じ手は通じないわね」

「そうだな」

「み~な~さ~ん! 今日は秦様が勝利なさったんですから今度のことはその時に考えましょうです!」


瑪瑙が両手をあげてオーバーにリアクションをする。

その背の低さから微笑ましく映る。


「ま、そうだな」

「うむ…それでは瑪瑙、さっきの一撃は痛かったろう? 後で手入れをしてやろうか?」

「あ、はいです! わぁー…うれしいです!」


そして瑪瑙は目を輝かせながら秦の首に手を回して喜んでいた。


「ははは! わかったわかった」


それを見ていた翔はというと、


「(…なぁなぁ静姉。ただ見てるだけだと秦兄がロリコンに見えてしょうがないんだが…?)」

「(そ、そうね~)」

「(それに手入れってどんなことすんだ…?)」

「(さぁねぇ~…?)」

「(むむぅ~…気になるな)」


それで翔は悩んでいたが静は心の中で、


(悩んでる悩んでる…ま、実はあたしは知っているんだけどね…)


そんな事を思っていた。


「ところで翔。俺に話というのはなんだ…?」

「「うわっ…!」」


秦がいきなり話を持ち出してきたので二人共思わず驚いてしまった…。


「…? どうしたんだ二人とも?」

「あ…。そ、そうよ翔どうしたの…?」

「あ、あぁ。それなんだけどよぉ…朝っぱらに鈴架から電話があって――…」


そして翔は鈴架からいわれた事を三人に伝えた。


「いいわねそれ! 久しぶりに真紅ちゃん達とお泊り会か~」

「おう! それに真紅のことだから海斗とクリスさんも誘うと思うぜ!」

「今日はにぎやかになりそうです!」

「そうだな」



―――それじゃ今日は豪勢なご馳走を作りますね!



「そりゃいいな!…って!?」

『わっ!?』


そこにはいつのまにやら衛巳が話に参加していて一同は驚いていた…。


「い…いつからいたんだ衛巳…?」

「今し方ですよ? 朝食の用意ができましたので呼びにきたんです」

「…し、しかし声くらいかけろよな?」

「そうよ。お姉ちゃんほんとにびっくりしちゃったわよ…」

「私もです…衛巳さん気配を消すのがお上手ですぅ…」

「お褒めの言葉ありがとうございます。」

「…いや、たぶん誉めてないぞ…?」


だが衛巳は胸をはって誇っていた。


「それより早く朝食を済ませてしまいましょう! 食べおわったら皆さんに泊まってもらう広間のお掃除をしますからね!」

『は、は~い』


それで雲隠兄弟+1は声を出すのだった。



◆◇―――――――――◇◆



「…997回…998回…999回…!」


雲隠家が騒いでいる一方で美薙家では海斗は左右の片手腕立てふせ、腹筋、背筋運動をして体を鍛えていた。


「…1000、回! ふぅ…これで肩ならしは終わりだ。次は的当てですね」


そして海斗は裏の空き地へと出て、


「……」


海斗は心を静かにして…。


「! はっ!!」


海斗はジャンプをして数本の針をそれぞれ違う方向に放った。

すると針は事前にあらかじめ設置してあった的にすべて命中していた。

そして静かに着地し、


「ふぅ…」


海斗が一息ついていると拍手が聞こえてくる。

海斗は手を叩く音がしてとっさに振り向いた。

そこでは真紅が笑顔で手を叩いていた。


「あ、真紅さんでしたか…」

「うんお早よう海斗くん! すごいね! すべての的に命中させるなんて…それに全部中心にあたっているしね!」

「ありがとうございます。でもよく見てください」

「え…なにを?」

「的をですよ。よく見ると中心点から少しばかりですがズレていますよね?」

「あ、本当…でもやっぱりすごいわ!」

「ははっ…。それよりどうしたんですか? こんな早くに…?」

「うん。その前に海斗くんて今日と明日はなにか用はあるかな?」

「いえ、特にはないですよ?」

「あ、よかったぁ!」


それで真紅は満面の笑みを浮かべる。


「どうしたんですか…?」

「うん。今日ね、秦さんの家でみんなでお泊り会をする予定なの。それで海斗くんも誘おうと思っていたの!」

「そうですか。ですが僕がいってもよろしいのでしょうか…?」

「大丈夫よ。もう海斗くんは私たちの大切なお友達なんだから!」

「ありがとうございます。それではお言葉に甘えさせていただきますね。それでいつ頃いくんですか?」

「それなんだけどクリスも誘ってあるんだけど午前中は用があるらしくてお昼過ぎに私の家にくるからその時に一緒にいこうね?」

「わかりました」

「それじゃまた午後にね、海斗くん!」

「はい」


そうして真紅は家に戻っていった。




――to be continued.


日常風景みたいなものですね。

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