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イニシエからの絆  作者: 炎の剣製
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023話 『ガリウスの秘密と真実・後編』

ガリウスの正体がわかります。



ガリウスの咆哮ともとれる声によって体が光り輝く。そして衝撃波が発生しだす。


「「「「「「うわっ!」」」」」」


それは真紅達も受けて少し体を後方に下げられた。

そしてガリウスは刺さっていた剣を抜いて地面に突き刺した。すると刺さっていた箇所がみるみるうちに塞がっていった。


「き、傷が塞がってく…」


そしてガリウスの体から発せられていた光が右腕に集中していった…すると、


「出でよ! “ロンギヌス”!!」

「ロンギヌス!?」


ガリウスのロンギヌスという発言にクリスは驚きの声を上げる。

ガリウスの右腕にはロンギヌスと呼ばれる槍が出現した。


「かの者を貫け! 絶対の槍・ロンギヌス! やっ!!」


氷月に向けてロンギヌスを放つガリウス。


「ふっ…そう何度も貫かれたりはしませんよ?」

「それはどうかしら? 大いなる十二の星の力よ! ロンギヌスに宿りて力を示せ!」


するとロンギヌスが十二個に分身して氷月のまわりを囲った。


「なにっ!?」

「くらいなさい! 大いなる星の導き…グランド…クローーース!!」


すると十二の槍が結界の役割となり爆発を引き起こした。


「グオオオッ!!」


そして氷月は爆発の中心地点にいたために激しい衝撃を受けることになった。

普通の人間が喰らえば消滅は必死だろう。


『やった!』


全員が歓喜の言葉をいう。

すると爆煙の中からロンギヌスが回転しながらガリウスの手元へと戻ってきた。

それをガリウスは掴み取り、


「はぁ…はぁ…」

「やりましたね! 本当に凄かったです!!」

「へっ! 奴もガリウスさんにかかれば敵じゃなかったな!」

「いえ、奴を侮ってはいけません…!」

「えっ!? なんで、海斗くん!」


海斗がそういうと一同は一気に静かになった。


「それはどういうことだ海斗くん…?」

「あれほどの凄まじい攻撃をくらえばたとえあの方がどれほど強くても避けることは不可能ではないでしょうか…?」

「はい確かにガリウスさんの攻撃は氷月に直撃しました…」

「だったら…」

「生きているという確信があるのよ。なぜなら奴は闇の王を倒さない限り何度でも蘇ってくるのですから…!」

『!!』


それで驚きの表情をする一同。


「じゃ、じゃあ奴も不死身だっていうのか!?」

「…えぇ、残念ながら」


ガリウスが無念そうにそう言い次には爆発の中から声が聞こえてくる。


「その通りですよ」


煙の中から完全に回復した姿で氷月がゆっくりと歩いてきた…。


「やはり…!」


そして一同は身構えた。だが、


「そう怖い顔をしないでくださいよ。今日はただご挨拶に来ただけなのですから…。しかしこれで闇の王にいい土産話ができそうですよ…」

「なんのことだ!?」


海斗が叫ぶ。


「自分達が一番お分りのことでしょう? わからないのならこのわたくしめが教えて差し上げますよ。

その一に『十二支がこの世に転生している』。

その二に『わたくしたちのにっくき敵の一人であるガリウスが今も貴様達と手を組んでいる』。

というお話ですよ! ではまた戦えることを楽しみにしていますよ! はははははっ!」


そして氷月は一瞬で姿を消した。すると時空閉鎖広域結界が消えはじめた。


「あ、いけないわ。早く皆さんは教室に戻ってください! 止まっていた時間が動きだしますから…」

「あ、でもガリウスさんには色々聞きたいことが…」

「わかりました。では放課後にまた保健室に寄ってください、さっきのことはその時にご説明しますから…」


そして一同は半ば強引に教室に帰された。



◆◇―――――――――◇◆



教室に戻ったらまわりは何事もなかったかのように普通に学校生活を過ごしていた。

そして海斗は戦いが終わった後はほぼ無言だったという…。


そして授業中、


「(…海斗くん、海斗くん…ちょっと…)」

「……」


海斗は真紅の返事にも答えず難しい顔をして考え込んでいた。


「ん…? どうした辰宮?」

「あ、なんでもないです!」

「そうか。むっ…? きみ、ぼぉっとしているがどうしたのかね?…確か転校生のえぇ――…美薙君?」

「え…!?」


どうやら先生に指摘されクラスの視線を浴びせられやっと気づいたようだ。


「…あ、いえなんでもありません。すみませんでした」

「次から気をつけなさい。罰としてここの問題を前に出て解いてくれないかね?」

「はい」

「(海斗くん、教えてあげようか…?)」

「(いえ平気ですよ…)」


そして海斗は前にでてみると数学の授業だったためいくつか黒板に難しい数式が並んでいたがそれを意図もせず自然にすらすらと解いていった…。


「…全問正解だ。よろしい、席に戻っていいぞ」

「はい」


そして海斗が席に戻ると真紅と後ろの席のクリスが、

「(さすがですわ海斗さん!)」

「(うん! 復習用のノートも使わないであっさり問題を解いちゃったもんね!)」

「(ははは…でもすみませんでした。少し考え事をしていたもので…)」

「(でもよかった。海斗くんが調子を取り戻してくれて…)」


そして最後の授業が終わると海斗のまわりにはクラスメイトが集まってきていた。


「美薙お前すごいな! あの問題けっこう難しいほうだったんだぜ?」

「うんうん! 美薙くんて頭いいよね!」

「あとで色々教えてくれよ!」

「はい、構いませんよ」


そんな海斗に真紅とクリスは笑みを浮かべながら、


「ふふふ…海斗さんも人気者ですね」

「そうね。あ、そうだ! 海斗くん私たち部活があるから先にいっててね!」

「はい、わかりました」

「それでは失礼しますね、みなさん、ごきげんよう」

「みんなもまたね!」


そして二人は部活をしに教室を出ていった。

それにクラスメート達は黙りこくっていた。

それで一人の女子生徒が意を決して、


「…そういえば美薙くんっていつのまに辰宮さん達とあんなに仲良くなったの?」

「あぁ、家が隣ですからご近所付き合いで色々とよくしてもらっているんですよ」

「それなら納得だな。でもクリスさんとはどういう経緯で? あの人も生徒会とかやっていて結構人気があるほうなんだぜ?」

「あ、えと…やっぱり真紅さん繋がりですかね…?」


海斗は苦し紛れの返答をした。


「…そうか。くぅ~羨ましいぜ美薙!」

「後、お昼の食事を取るときも一緒だよね~。雲隠先輩とかとも仲がいいみたいだし~…。

たしかその環の中にあのもう一人の転校生のすごく可愛い瑪瑙先輩と辰宮さんの妹の鈴架ちゃんもいるよね~?」

「どうしてそれを?」

「校内ではもう結構有名な話だぜ。くぅ~…ますます羨ましい奴だぜ! 美薙はよ!」


そして海斗は背中をばんばんと叩かれていた。


「は…ははは…。あ、それでは僕もこれから用がありますのでみなさんまた明日」


そして海斗も教室を出ていった後、


「でも美薙くんて本当に礼儀正しいよね~」

「うん…それに少しかっこいいしね」

「そいえば美薙っていつも学校が終わったらなにしてんだろな?」

「とある神社でバイトをしているらしいですよ。噂では親族が全員死んでしまって…ある人からの手助けで今は一人暮らしをしているらしいんですが少しでも返せるようにバイトをしているとか…」

「…ど…どこからそんな情報を? でも美薙くん、なんかかわいそう…」

「…くっ、泣かせるじゃねえか! よしみんな! 美薙とはこれからももっと仲良くやっていこうぜ!」

『おーーーー!!』


…男女問わず実に団結力のあるクラスである…。




…そして放課後、


一同はお決まりのごとくガリウスのいる保健室に集まっていた。


「みなさん集まりましたか…ではなにから話しましょうか?」


するとガリウスは一度海斗と瑪瑙に目を向けた…。


「…あ、僕達には気にせず話してください。ガリウスさんが話すと決めたのだから止めはしません」

「はいです…」

「わかったわ。ではまずはじめに…私ははるか昔こことは違う並行世界の異世界である出来事を境に不死の体となりました…」

「どうしてなのですか…?」

「…それはこれから少しずつ話していくわ。次に私の名前だけれど『ガリウス』も『ソレイユ・カシウス』もどちらも偽名です」

「それじゃ本当はなんてお名前なんですか…?」

「…『ガイウス・カシウス』…」

「えっ! ま、まさか…!?」


クリスはその名を聞いた途端に確信に近い答えを得た。


「ど、どうしたんですかクリスさん!?」

「やっぱりクリスさんはわかりましたか…」

「…はい。これでもわたくしは教会のシスターですから…では先程のロンギヌスもやはり本物なのですか…?」

「はい…。私はこのロンギヌスでこの世界とはまったく違う並行世界での“イエス・キリスト”様をこれで殺してしまった張本人です」


ガリウスはそうみんなに告白した。

そしてクリスが大声をあげた。


「どうして!…どうしてですか! あなたが本当にその人ならキリスト様を愛してはいなかったのですか!?」

「く、クリス…!」

「…愛していたわ。できることなら…わ、たしは殺したくなかった…」

「でしたら…!」


クリスはガリウスに避難の言葉を浴びせようとしていたがガリウスの瞳は真剣なものだった。


「…しかし私がそれを拒んだらキリスト様を慕ってくれた数千、数万の信者達が皆殺しにされて当然私とキリスト様も殺されてしまうかもしれなかった…!

そしてキリスト様は私達を守るために身を犠牲にする覚悟をお決めになった…信者の一人であった私ではそれを止めるすべは無かった…そしてキリスト様を殺してしまった私は心底自らを呪った…」

「ガ…ガリウスさん…!」

「…その後、私は禁断の秘術を使い不死を手に入れた…一生罪を背負うがために…」

「……もう…いい、ですよ。ガリウスさん…だからそんな…うっ…うっ…悲しい顔を…して語らないでください……お願い、します…!」


クリスはガリウスのさらなる告白にショックを受けて涙を流していた。


「クリスさん…ありがとう…」


ガリウスは泣いているクリスを軽く抱き締めた…そして泣きやむまで一同は静かにしていた…。


「す、すみません…わたくしはもう大丈夫ですから話を戻してください」

「わかったわ。…それから私は少しでも人の役にたつ為に色々な世界のありとあらゆる魔法と知識を手にしたわ…後は想像どおり過去の皆さんと力を合わせてあらゆる敵と戦いました…!

過去の皆さんのことを知っているのはそのためです」


一同はガリウスの言葉を最後まで無言で聞き入る。


「…みなさん、今までこのことを黙っていて本当に…本当にすみませんでした」

「…いえ、話していただけて光栄ですよガリウスさん」

「…秦くん…」

「そうだぜ! 水臭いのはなしにしてもっと話していこうぜガリウスさんよ!」

「ちょっと翔のいい方にはトゲがあるような気がしますけど…私も賛成ですよガリウスさん!」

「…翔くん…鈴架さん…」

「わたくしも事情も知らずにひどいことをいってしまい本当にすみませんでした…。ですから厚かましいようですがこれからもよろしくお願いします…!」

「…クリスさん…」

「ガリウスさん…私たちはガリウスさんがどんな人であったとしても絶対信用します!

だから…抱え込まないでください…でないと私は…ううん私たちはガリウスさんとどうやって接していけばいいのかわからなくなっちゃいます…。

だから何度でも相談してください!」

「真紅さん…それに皆さん…ありがとう、ありがとう…」


そしてガリウスは泣き崩れてしまった…。そしてそこに、


「よかったですねガリウスさん…」

「はいです! 皆さんは外見は変わってしまいましたがしっかりとご主人様達の気持ちを受け継いでいるです!」

「そうね…。ありがとう海斗くん、瑪瑙ちゃん…そして皆さん…!」


そして一同は何も話さないでいるがその代わりに満面の笑顔を浮かべているのだった…。




――to be continued.


ロンギヌスは有名ですが『ガイウス・カシウス』はマイナーな名前だと思うんです。

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