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神童が魔導師  作者: 一般人A
第一章 神童の魔導師
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第三話 接触

―――side 蓮歌 AM8:58 1-C教室内―――

今日の朝、登校してくると、転入生が来るという噂で持ちきりだった。

今も、教室では転入生の噂で騒がしい。

噂によれば、その転入生は編入試験で、筆記・実技・能力試験のどれもが優秀な成績で転入してきたそうだ。


(・・・まるで私のようですね。)


蓮歌も入学してくる当時は噂されていた。

今では見る影もないが。


(転入生の人とは仲良くなれたらいいな~。)


蓮歌は、学園に友達と呼べる存在がいなかった。

みんな、蓮歌の雰囲気や、力を畏れていて話し掛けにくかったのだ。

さらに蓮歌は、入学した時にとある事件を起こしてしまったのである。

ゆえに、現在友達0人の蓮歌だった。


キーン、コーン、カーン、コーン


そこに、チャイムが鳴り響いた。

話していた生徒や、立っていた生徒は自分の席に戻った。

そして、担任の藤村先生が入ってきた。


「は~い、朝礼を始めるわよ~」


藤村先生は美人で、気さくで、大和撫子のような先生だ。

男子や、女子にも人気が高い。

私にも気軽に話しかけてくれるので、私もこの先生は好きだ。

さらに、魔法に関しても優秀な先生である。


「起立、礼」


「「「おはようございます!」」」


「おはよう」


「着席」


クラス委員長の御岳みたけさんが号令をかけ、みんなが挨拶した。


「さて、みんなももう知っているかもしれないけど、このクラスに新しく転入生がきます」


その言葉で、みんなが騒ぎ出した。


「先生!男子ですか?はたまた美少女ですか!?」


「何で吉田よしだ君はそんなに美少女の方に力が入ってるの」


「美少女ですから!!」


「・・・はぁ~」


吉田君が親指を立てて、強く言う。

藤村先生は額を手で押さえて、溜め息をつく。

女子はそんな吉田君を冷たい目で見る。

その視線に吉田君は震えていた。


「えー、こほん、転入生は男子よ。

 しかも、美形?」


そういうと、男子から落胆の声が、女子からは歓声の声が上がった。

しかし、何で疑問形なんだろう?


「それじゃあ、入ってきて」


私の疑問はよそに、先生が転入生を呼んだ。


そして扉が開き、一人の男子が入って来た。

その姿を見て、私や、みんなは思わず息を呑んだ。


身長は約160~165cm


体格は華奢で


髪と瞳の色は綺麗な黒


髪の長さは肩にかかるくらい


そして、もっとも目を引くのが、その容姿である。


まだ幼さの残るとても愛らしい顔なのだ。


藤村先生が疑問形を使ったのも頷ける。

みんな唖然とした顔でその男子を見ていた。

藤村先生は、そんな私たちの反応を見て笑っていた。

そしてその男子は、私たちの反応に困惑した様子だったが、黒板に『新藤しんどう こう』と書いた。


「この学園に転入し、このクラスでみなさんと共に勉強することになりました。

 新藤 巧っていいます。

 これからよろしくお願いします。」


そして新藤君は、礼儀正しく礼をして、私たちに微笑み掛けた。



―――side 光夜―――

(こんな感じで良かったのだろうか?)


光夜は困惑していた。

そもそも光夜はこういった普通(?)学校に通ったことがない。

なので、学園に関する文庫本を10冊以上も読んで、学園生活というものを学んできた。

しかし、目の前では唖然とする新たなクラスメイト達。


(どうしよう、何か失敗してしまったのだろうか)


光夜の笑みは次第に薄れ、オドオドしていた。

軍人とは思えない姿である。

しかし、そんな姿を見てみんなは、


「「「か、」」」


(か?)


「「「可愛いー!!!」」」


「うわ!?」


クラス中の突然の叫び声に、光夜は驚いた。


「しょ、小動物みたい」


「守ってあげたくなる」


「くっ、何故だ、俺はあいつを絶対に憎めない」


「え、いや、あの、その、」


クラス中からの色々な感想に、さらに困惑する光夜、そこへ、手を叩く音が響いた。


「は~い、お喋りはそこまで」


藤村先生の言葉により、喧騒が小さくなっていく。


「じゃあ、とりあえず新藤君の席を決めましょう。

 それじゃあ、ええ~っと、うん。

 草薙さんの隣にしましょう」


途端にクラス中で落胆の声が広がった。

この学園の教室は3人用の長机が縦4列、横3列あり、草薙 蓮歌は何故か一人・・で最後尾の窓側の席に座っていた。

光夜は窓側を見る。

そこには、


黒く艶やかで、長い髪


やさしそうで、美しい顔をした


清楚な感じの美少女が座っていた。


彼女こそ、今回のターゲットである、草薙 蓮歌

草薙 蓮歌は恥ずかしそうに、また、それとなく嬉しそうに光夜を見ていた。


「わかりました」


そして蓮歌の隣に座り、「改めて、僕の名前は新藤 巧。これからよろしく」と挨拶をし、蓮歌も「私は草薙 蓮歌。此方こそよろしくね」と嬉しそうに言った。



―――これが光夜と草薙 蓮歌のファーストコンタクトである。

第三話を投稿しました。


やっと、主人公(進堂 光夜)とヒロイン(草薙 蓮歌)の特徴が紹介されました。


長かった~。

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