第二話 転入
―――AM7:30 日向峰国立魔法学園 校門前―――
夏の暑さを感じる7月。
まだ生徒が登校していない時間。
一人の少年が校門の前で立っていた。
日本軍第2特殊部隊、通称:紅炎隊所属 進堂 光夜少尉である。
「はぁ~」
しかし、光夜は軍人らしからぬ溜め息をついた。
それは、新しい生活への、不安や期待からくる溜め息であった。
「よし!」
頬を叩き、覚悟を決め、威勢のいい声をあげて、
光夜は校門をくぐり、校舎へと歩いて行った。
―――AM8:57 2F廊下―――
あの後、学園長や理事長と『応接室』で話しをした。
自己紹介をし、任務のことや、学園での自分の立場、情報の共有などの話をした。
どうやら自分は、新藤 巧として、1-Cクラスへの転入が決まった。
何故ならそこにターゲットがいるからである。
この学園は、1学年A~Fの6クラスの、1クラス30人で、合計180人だそうだ。
そして自分の、進堂 光夜としての存在は、生徒はもちろんのこと、教師にも知らされてはいないらしい。
(まあ、当然か。)
これは情報の漏えいを避けるための処置である。
光夜の存在は秘匿情報だからである。
そして応接室を出た後に、『職員室』に向かい、教職員に自己紹介(偽情報)をした。
その時に何故か教職員たちがこっちを見て唖然としていたが、光夜は気にしないことにした。
そして、その中から担任を見つけ、互いに自己紹介をし、現在1-Cクラスに向かうために廊下を担任の藤村 瑠璃先生と喋りながら歩いていた。
「ここが、1-Cクラスよ」
しばらく歩くと、少し喧騒している1-Cクラスに着いた。
そして、9:00を知らせるチャイムが鳴り、教室内からガタガタという音が聞こえ、少しすると静かになった。
「それじゃあ、先に行くから、私が呼んだら入ってきて、自己紹介をしてね」
それだけを言い、藤村先生は先に教室に入っていった。
光夜は言われた通り、廊下で自分が呼ばれるのを待つことにした。
中では、藤村先生が何やら話していた。
そして、転入生(自分)の話になると、教室内が騒ぎだした。
藤村先生が何かを言うと、男子から落胆の声が、女子からは歓声の声が上がった。
「それじゃあ、入ってきて」
藤村先生が自分を呼ぶ声が聞こえたので、教室の扉を開けた。
―――そして光夜は、新たなる一歩を踏み出した。
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説明ばかりですいません。
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