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神童が魔導師  作者: 一般人A
第一章 神童の魔導師
2/7

第一話 任務

静岡県には、日本軍第2特殊部隊、通称:紅炎隊ぐえんたいの軍事基地があった。

その基地内の『隊長室』と書かれた部屋には今、一人立ったままの少年と、その少年の正面にある机に座った男が話していた。


「指名任務、ですか?」


「ああ。」


少年は男へと問いかけると、男は頷きとともに返事を返した。

しかし、その返事を聞いても、少年は困惑していた。


「何故ですか?」


「ん?何故とは?」


「何故、高校へ転入しなければならないんですか?」


「いや、何故といわれても、任務上仕方の無いことだ」


「確かに要人警護の依頼というのはわかりました。しかし、そのために学校に行くなんてどういうことですか?」


「仕方が無いだろう。今回のターゲットは学生だし、24時間出来るだけ警護することが今回の任務なのだから」


「理由になっていません。それでは質問を変えます。何故軍がただの学生に対して長期の警護を行わなければいけないのですか?」


つまりこういうことだ。

少年は男から、要人警護の依頼の指名を受けたのだ。

24時間の出来るだけの警護で、ターゲットは学生である。

問題はここだ。

何故軍がただの学生の警護をしなければならないのかということである。

どんなにターゲットや依頼主が金持ちでも、民間企業かはたまた警察にでも頼ればいいはずなのだ。

それなのに軍に依頼が来ることは異常だ。

そのことに先ほどから少年は困惑しているのだ。


「それはターゲットがただの学生じゃないからだ」


「それはいったいどういうことでしょう」


男は机の引き出しから、何枚かの書類を出し、少年へ渡した。

少年はその書類に視線を落とした。


「本名は 草薙くさなぎ 蓮歌れんか 16歳 性別:女 愛知県出身

 彼女は草薙家の長女であり、熱田神宮の巫女で、

 【三種の神器】の内一つ、【草薙のくさなぎのつるぎ】に約300年ぶりに選ばれた継承者だ。

 となれば、色々な組織が彼女の力を狙い、暗躍するだろう。

 それこそ多くの大きな組織がな」


「なるほど、だからこその軍、というわけですか」


三種の神器とは、神の力、すなわち神力を宿しているといわれるそれぞれの三つの物である。

【草薙のくさなぎのつるぎ】、【八咫のやたのかがみ】、【八尺瓊の勾玉やさかにのまがたま

この三つの神器には、約300年前に継承者達がいたそうだが、その継承者達が亡くなって以来、今までに継承者が現れることはなかった。

しかし、今その継承者が現れたのだ。

その強力といわれる力は、魔法に精通する組織にとっては、喉から手が出るほど得たいものである。

ゆえに、国にとっても重要な少女を守るには、それこそあまり信用の置けない民間企業や、力不足の警察などよりも、信用が置け、かつ強大な力を持つ軍の力が必要不可欠なのである。


「そしてこれは政府からの依頼だ。うけてくれるか?」


「・・・わかりました。

 しかし、この任務を受ける他のメンバーは?」


「そんな奴らはおらん」


「は?」


「お前だけだ」


「それはまた何故ですか?」


「実力者で、高校生くらいの見た目の奴がこの紅炎隊に、お前以外の何処にいるんだ?」


「・・・そうですね」


少年は溜め息をはいて、頷いた。


「まあ、なにはともあれ、頼んだぞ。進堂しんどう 光夜こうや少尉」と男が光夜に言い放つ。そのことばに光夜は、「了解しました。紅炎隊長」と敬礼で返した。


光夜が出て行った後、紅炎ぐえん あかつきは椅子の背もたれに、上体を倒し、もたれかかった。


「ふぅ~。しかし、学園生活か」


暁は今回の任務はどうしても光夜にやらせたかった。

何故なら、光夜は学園生活など送ったことがないからだ。

光夜は10年前から軍人になることを目指し、色々我慢してきて、3年前に軍人になった。

そのせいで、楽しいと思えた思い出がないのだ。

それはあまりにも悲しいことである。

だからこそ、この任務でいい思い出ができれば、と暁は思っていた。

暁は光夜が去って行った扉を静かに見つめる。

しかしその目には、とても強い父性の光が見えた。



こうして、進堂 光夜は神奈川県 日向峰国立魔法学園ひゅうがみねこくりつまほうがくえんへの転入が決まった。

第一話を投稿しました。


ねみ~zZZ

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