もうすぐクリスマス
テーマ:クリスマス
ほらそこ!
クリスマスとかいつの話だよ!とか
つっこまないw
注意
この作品は百合要素を
多大に含みます。苦手な方、
百合、GLという言葉をきいた事が
無い方にはお勧めしません。
会社の窓から、ちらちらと白い雪が
舞っているのが見えた。
世間はもうクリスマス一色。
まだ12月の後半に入ったばかりだというのに
お祭り騒ぎ、バカみたい。
「さっさと資料まとめようっと」
「あら・・・優衣ちゃん。まだ残ってたの?
もうすぐクリスマスだというのに仕事熱心ね。感心するわ」
「ここ(会社)に来てからもう1年経つのに、私だけまだ覚えてない事
いっぱいありますし・・・休めませんよ」
私は人よりも覚えが悪い上にドジっ子だから。
今年の目標「出来るだけ自分でやってみる」も半分ちょいしかできなかったし・・・
仕事に関しては先輩からは助けて貰ってばかりだったし、上司からは苦笑いばっかりだった。
家事もそうだ。お母さんが心配して手伝いに来てくれることもあった。
思えば、私は殆どの事を中途半端に終わらせてしまっている....
資料をパソコンで打ち込みながら、
速いと思いながらも今年を振り返ってみたら・・・
唯一得意なお菓子作り以外は上手くできてないという考えにいたった。
(ダメだな・・・私)
「中川君、ちょっとお願いがあるんだけど」
「あっ、はい!」
気づけばキーボードから手が離れていて、目線も上の空だった。
課長に呼ばれて意識が戻り、慌てて返事をする
私の行動を見ていたのか、反対のデスクからは
ずっと笑いを堪えている先輩が見えた。
こんな感じで課長に呼ばれる時は、何時だって「飲み物を淹れてくれ」だ。
入社して暫く経ったある日に、課長に呼ばれて淹れたコーヒーが高い評価で返ってきた。
他の会社員や同期の子にも好評で、それ以来よく飲み物を入れる係になってしまった。
「コーヒーでいいですか?」
「うん、ありがとう」
「あ、じゃぁ俺のもお願い」
「あたしのもー!」
残業ではないけど、なぜか定時に帰らない人が多いこの会社では
私のような人がいると助かるようだ。
先輩は私に視線で合図してくるし・・・
(私も、お願いね)
(・・・わかりました)
「さっきも言ったけどもうクリスマスねぇ・・・
結衣ちゃんは何か予定ないの?」
「わっ!?...びっくりしたー・・・いきなり出てこないで下さい」
給湯室でコーヒーと紅茶の準備をしていると、突然声をかけられた。
振り向くと絶えず笑顔の先輩が扉にもたれかかっていた
「もう、そんなに驚かなくてもいいじゃない・・・。それで、質問の答えは?」
「クリスマスって言っても・・・特に予定はないですね。
ケーキでも作って食べるくらいかな、自分で」
(あれ、従兄弟が来るって言ってたカナ・・・?ケーキ食いたいとか言ってたし)
「結衣ちゃんお菓子とか作れたんだ?」
「えぇ・・・。一応得意分野です」
“一応”なのは、自分にまだ自信が無いから。
お母さんも従兄弟も友達も上手いっていってたけどね・・・
更新は遅めですが、付き合ってくれる人が少しでもいたら、
頑張ります。