住まいは屋敷?
よじ登るには大変苦労しそうな大きな玄関をくぐり推測50mほども歩いてからやっと家屋へと入ることが出来た。その空白の50mほどには庭園が広がりこれまた手入れが行き届いている。50m間の真ん中らへんに設けられている場所は円状に花壇が並んでおり、そこの花は円の左下周辺しか花が咲いていなかった。前にもここに何度も足を運んだことがあるが庭師さん曰く、円の上を起点にして時計回りで季節順に開花時期の違う花を植えてあるらしい。
今日は確か‥‥‥‥。
そういえば何日か聞き忘れた。少し肌寒く、彼岸花が咲いているところを見ると秋であると推測ができる。
家屋の中に入ると、大広間のような場所に出た。
「ただいま~」
「ただいま帰りました」
そう僕はあの『そこここカフェ』を通り過ぎてやってきたのは散瑚の家なのだ。
散瑚の家はお屋敷でいわゆる散瑚はお嬢様だ。
少なくとも僕の知る限りでは、散瑚は天才といわれる部類の人間で、それがお嬢様だというのだから恵まれすぎていて少し嫉妬もする。散瑚の親父さんも天才だから遺伝だと言ってしまえば少しは気も楽になるが。だがしかし、その半分ぐらいの才能を庶民に分けてくれれば尚よし。
「んで、僕はなんで散瑚の屋敷につれてこられたんだ」
ただいま、と言った二人の言葉はむなしくも誰からも返事が帰ってこなかった。屋敷に住んでるくせに使用人が一人も見当たらないのは最近財政状況が悪いからなのだろうかと、一人で納得しておく。
「え?来る途中に話したじゃない忘れたの?」
「話は聞いたけど、前にも話したと思うが僕は屋敷ってのが嫌いなんだよ」
屋敷は嫌いなんだよ、といいつつも大広間をまっすぐ歩いて二階へと続く階段までついていた。
僕が屋敷が嫌いな理由、それは簡単だ。
「だから大丈夫よ。別に私の屋敷は堅っ苦しいメイドや執事なんて一人もいないから。私が好意で住まいを分けてあげるって言ってるんだから素直に聞いておけばいいじゃない。まぁ、繰也がこの屋敷じゃ絶対にいやだって言うんだったら野宿でもすればいいんだけどね」
僕が屋敷が嫌いな理由それは、堅苦しいメイドや執事が堅苦しい挨拶やら身の回りの事をやられるのが僕は大嫌いなのだ。
特に「荷物をお持ちします」なんていわれた時には、「僕のエロ本を盗む気だな」と真面目な顔をして断りたくなるほど面倒だ。
そんなことを考えていると目の前の階段から降りてくる人影が
「おや、お嬢様おはよう。ちょっくら隣町まで出かけてきます」
ダンディズムなヒゲをはやしたおじさんとお兄さんの中間らへんの人で灰色のジャージを着て同居人らしき人物が降りてきて挨拶をかましてきた。少なくとも、昔から出入りしている僕は知らないおっさんだ。
「あらおはよう、熊さん」
「おはようございます熊沢さん」
いつもの事です、といわんばかりに挨拶をしている二人。
「おや、えっとそっちが繰也君かい?」
「あぁ、そうそう今日やっと連れて帰ってくることができたのよ」
「そりゃよかったですね。では私は出かけてきますので」
何気ないやり取りが終わりダンディーなおっさんは庭へと足を運んでいた。
「あぁ、彼はこの屋敷の執事長を務めてる熊沢 真夏、熊さんよ」
実にダンディーなおひげを見ると連想できなくは無かったが、あの服装はちょっと希少なダンディーなおひげを無駄づかいしているように思えるのは僕だけだろうか。
さらに、服は似合っていなかったし‥‥
「あれが、執事長かよ‥‥‥ここの管理大丈夫なのか?ってか僕とクルスの姿を同時に見られたけど大丈夫なのか?」
心配事が絶えない最悪の寝起きでもう心臓ばくばくだが、頭の中は妙に落ち着いている。きっと、天才といわれるこの少女の事だから落ち着いていられるのだろう。
「屋敷内の人なら別に大丈夫よ。皆クルスはクルスで繰也は繰也って認識してるから、問題なのは学校内ね」
「学校つったって僕は高校の授業なんておいつけないよ?三年間のクールタイムはちょっと僕でもきついって」
「ご安心ください、僕が適当に豆鉄砲ほどには助力いたしますので」
「そ、そうか」
『適当』かつ『豆鉄砲』ほどにといわれても豆鉄砲って何を比喩表現してるのか僕には理解しがたかった。
「と言うわけだから、明日から学校よ。明日は9月13日だから月曜よ。色々と面倒ごとがあるけど、がんばって対処していきなさい。って訳で今日は疲れたは私はもう寝る。あとはクルスに説明を受けて頂戴」
「はい、かしこまりました」
礼儀正しくクルスは散瑚に挨拶をして僕を二階へと導いたあと、学校の名前、所在地、などなど適当に話されて今日と言う一日を終えた。
夜ご飯時になると、屋敷のリビングで大きなテーブルを執事、メイド(らしき人物)達で食事をした。
どうやら、ここはメイド、執事は家族同然らしい。
と言うわけで、明日から学校だそうだ。不安で満ち溢れて今日は眠れそうにないな。
今回は・・・・
大失敗したかなぁと。
ここ飛ばしても良いんじゃない?
って思ったんですが、飛ばすと分けわかんなくなりそうだったので
一応書いておいた場面です・・・
ギャグも取り入れることが出来なくてもう、さっさと先を書きたいです・・・