始まりはあわただしく
はじめまして。
やっと小説家デビューできました。
頑張って書きました。頑張って考えました。
よろしければ読んでいただけませんか?
朝 7時40分 間違えてケータイのアラームをいつもより遅く設定してしまった。
「祐ちゃん、定期券ちゃんと持った?」
「ねぇねぇ、今日は何時に帰ってくるの?」
「今日は雨が降るから気をつけろよ」
「祐ちゃん、傘ちゃんと持った?」
「ねぇってば!ぼくの話聞いてる?」
「今日は、歩きでいったほうがいいぞ」
「祐ちゃん、ホント悪いんだけど帰りに石油買ってきてくれない?」
「ねーぇ!!帰ったら遊ぶって約束でしょ!!」
「早めに帰ってこいよ・・・」
「だぁぁぁぁああぁぁぁもぉ!!うぅるさいっっ!!!」
勢いよく閉めたドアの向こう側では、なにかまだぶつぶつ言っていた。
現在の時刻は午前7時40分。
俺は急いでいた。なぜなら俺は高校生で、俺が住んでいる火野市から電車で40分のところにある学校に
8時30分に着かなければならないから。遅刻したことがない事だけが取り柄の俺は、間違えてケータイのアラームを設定した昨夜の自分を許すほど寛容ではない。俺は自分自身に罰として自分の舌をちょっと強く噛んだ。目が覚めた。
俺の名前は「御崎祐一郎」。高校一年生。取り柄は今まで遅刻を経験したことがない。といってもこれから経験する予定だ。これだけが取り柄だとつまらない人間に思われるので、現在は他の人に秘密にしているひそかな取り柄をもうひとつ紹介したいと思う・・・。
それは俺は一人暮らしであること。
いや、いまのは間接的にいったのであって本当に俺はつまらない人間ではない。
もっとわかりやすく言ってしまうと、
俺は『物』と会話ができる。