表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の名  作者: もくず
3/3

再会

翌日、どことなく着心地の悪い喪服を着て、俺は古森の家へ向かった。

昔はよく遊んでいたので場所は覚えている。少し距離はあるものの、徒歩で行くことにした。

「坂城君」

同じく喪服に身を包んだ宮野が声をかけてきた。

「おう」

「せっかくって言うのも変だけど、一緒に行こう?」

特に断る理由もないし、一緒に行くことにした。


会話もないまま歩き、気がつけば古森の家の前に到着していた。

挨拶を済ませ、中に入る。一様に沈んだ顔をしていて、重苦しい雰囲気が漂っている。

そんな中に見覚えのある顔を見つけたので、声をかけた。

悟史(さとし)

上田(うえだ)悟史。古森と同じく田上中学の同級生で、高校も一緒だった。卒業後は実家の家業を手伝っているはずだ。

(なお)か。久しぶりだな」久しぶりに聞いた悟史の声はどこか大人びているような気がした。

「まさかこんな形で再開することになるとはね」そう言いながら俺は悟史の隣に腰を下ろす。

「まったくだ」

宮野もそばに座る。

「ひょっとして、宮野さんか?」

「ええ、お久しぶり、上田君」

自然と卒業生同士で集まり、会話は進む。

「それにしても、古森が事故とは」

「ああ、俺もびっくりしたよ。地元ではニュースにもなった」

「そうなの?」

「新聞が家にある。居眠り運転だったらしい」

「そうか・・・」

沈黙が下りる。


「あら、沙希じゃない」

同年代くらいの女性が宮野に声をかけてきた。

「もしかして亜矢(あや)?」

「そうよ。久しぶりね」

亜矢という名前、どこかで聞いた記憶がある。

「そっちの二人はもしかして坂城と上田?」亜矢という女性が俺たちを見ながら聞いてくる。

「ええ、よくわかったわね」

「そりゃあ元クラスメイトの顔くらい覚えているわよ」

元クラスメイト?

「お前、桜井(さくらい)か?」悟史が聞く。

「分からなかった?」いたずらをした子供のような笑みを浮かべる亜矢という女性。この笑い方には記憶がある。

桜井亜矢。彼女も悟史や宮野と同じ、田上中学の卒業生でクラスメイトだった。


「私そんなに変った?」桜井がどこか楽しそうに聞いてくる。

「ああ、正直分からなかった」

「わたしも一瞬誰かと思っちゃった」

「東京の大学に進学して、いろいろあったのよ」

桜井は地元でも特に東京の大学への進学率の高い学校に進学したと聞いていた。

「それにしても、古森君がねぇ・・・」どこか悲しげな口調で話す桜井。

沈黙が俺たちを包む。


告別式が始まった。

俺は、中学時代のことをぼんやりと考えていた。

主要な登場人物は以上です。

ここから話は進みます。


それでは、またお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ