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平安京エイリアンズ  作者: 岬口大鴉
【五日目】

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五日目の朝

 目を覚ましたとき、部屋は静かだった。時計を見る。思っていたより、時間が進んでいる。身体は、まだ重い。だが、昨日ほどではない。指先も、ちゃんと動く。


「……生きてるな」


 独り言が、かすれた声で出た。

 水を飲む。一口目で、喉が痛む。二口目で、ようやく落ち着いた。ベッドに腰掛け、天井を見上げる。久世の言葉が、遅れて頭に浮かぶ。


――何をしに行くのか、決めてから。


 答えは、もう決まっている。美羽が、三十年前に城を出た。安積へ向かった。それだけで、十分だ。

 端末を開き、ログイン制限を確認する。警告は残っているが、解除条件は満たしている。いけるが、まだ入らない。

 僕は、もう一度、身体の状態を確かめた。立つ。歩く。影を見る。一致している。それが、逆に不安を呼ぶ。

 向こうで起きたことは、ここでは何事もなかったかのように、消えている。


「……だから、行くんだよな」


 既定の時間11時になるまで、僕は部屋を出なかった。食事は最低限、ただ睡眠は充分だ。

 何度も、阿武隈川の流れが脳裏をよぎる。水に触れたときの、あの感覚。


……祓い。


 理屈じゃない。だが、確かに効いた。

 ログイン規定時刻が近づく。部屋の照明を落とし、僕は装置の前に立った。深く、息を吸う。

 次は、逃げるためじゃない。追われる前提で、潜る。それは、誰にも言わない。久世にも、もちろん。


 ヘッドギアを装着する。

 

 意識が、沈む。

以降、毎日19時に1本のペースで投稿していきます。よろしくお付き合いください。

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