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平安京エイリアンズ  作者: 岬口大鴉
【二日目】

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12/50

残り一月

 朝。多賀城内、軍団の待機所の空気は、少しだけ張りつめていた。

 鐘の音。人が集まる気配。そこには掲示板に、新しい命令が張り出されている。


 軍団兵は、一月後、現任務を解き、交代業務が終わり次第、帰郷を命ずる。


 短い文面だ。だが、意味は重い。


「……なるほど」

 

 周囲でNPCが小さな歓声を上げる中、僕は少し離れた場所からそれを眺めていた。

 彼らにとっては、兵役からの解放である。そして僕にとっては、解放であり期限、区切り。どれでもあった。

 軍団兵としての役割は、ここで終わる。

 つまり――この多賀城という「箱庭」を、一度、出る。

 ゲーム的に言えば、ここまでがチュートリアルだ。

 実際、同じくプレイヤーで、軍団所属になっている2人組は、ざわついていた。


「あと一か月か」


「余裕じゃん」


「ポイント、稼げるだけ稼がないとな」


 前向きだ。

 僕は、少し違った。矢代美羽を探すという意味では、期限である。

 評価点は、結果として付いてくればいい。

 残り時間を、頭の中で計算する。


――一か月。30日。現実の一日は、ゲーム時間で10日だ。


 ログインは、あと何回ある? そのうち、どれだけを、潜入の準備に使える?

 結論は、すぐに出た。今回のログイン期間は、全部、スキル上げに使う。

 探索。隠密。侵入。市庁の文書庫の奥へ行くために。城外へ向かう途中、文書庫の方向を、一度だけ見る。昨日の失敗は、もう過去だ。次は、届くところまで、届く。

 この計画を、誰かに話す気はない。とにかく、スキルを上げまくる。そのうえで、ログアウト後、自室で、一人で詰める。それでいい。

 世界は、静かに動き続けている。チュートリアルは、まだ終わらないが、本気になる準備は、整った。

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