第イチ話
俺がいる国ブライマル帝国にはとあるクソ制度がある
奴隷制度だ
力がある者は奴隷に何をしてもいいという制度
俺はこの奴隷制度が嫌いだ
だから俺は知り合いに声をかけギルド影の流星を作った
メンバーの人数は10人と少ないが知らない奴らを仲間にするよりかはましだ
今回俺たちは奴隷制度を無くさせるため帝国王都に乗り込むことにした
ブライマル帝国 深夜
鳴り響く警笛
慌ただしく警備兵が帝国中を、走り回っている
「敵だぁぁああ!!王都に侵入者だぁぁああ!!」
そう俺たちは王都に侵入した
わざとバレるように侵入して今に至る
何故わざわざバレるようにしたか
裏でこそこそ暗躍して国王を殺そうが奴隷制度は無くならない
ならどうするか、力だ
力で国王を納得させればいい
そう考えたリーダーこと俺レンと俺の仲間達は国王の前に立っていた
王は椅子に肘をつきながらため息を吐き俺たちに言葉を投げる
「色々やっていることはわかっていたがまさかこのようなことを起こすとはな」
「王様、俺たちは元々この国の奴隷制度にうんざりで集まったパーティーだ。こういったことを起こすのは当たり前だろ」
少し挑発するが国王は堂々としている
「そうか、だが奴隷制度はこの国が建国された当初からあったものだ。それを今更無くせと?そんなもの貴族連中の誰もが許す訳ないだろ」
「ああ知ってる、だから今日俺たちはここに来た」
「そうか、じゃあ貴様らは今から反乱を起こすのだな」
「そういうことにはなるな」
「そうか・・・」
「なら死んでもらう。貴様らぁあ!侵入者は私の元にいるぞぉおお!!」
国王の言葉に警備兵が反応しわらわらと集まってくる
だが俺たちは慌てない、慌てる必要がない
だって俺たちは強いから
「てことでみんな」
軽く周りを見る
「殲滅だ。因みにいちよう殺すなよ」
皆が答える「了解」と
「散会」
王都 ロビー
ロビーには二人の男女と幾人の警備兵がいた
一人は天然パーマの白髪赤眼の美形の男性
彼の名はタクト
一人は金髪ショートの緑眼のボーイッシュな女性
彼女名はライト
タクトは右手に指揮棒を持ち構えた
「交響曲第5番」
タクトの言葉に皆静まる
「"運命"」
何処からか音楽が奏でられる
これがタクトの魔法、"音楽"だ
音楽が流れタクトが指揮棒を振り始める
すると警備兵が泡を吹いて倒れ出す
次々とあっという間に
そしてすぐに全滅となった
警備兵が全滅したのを確認しライトがため息を吐き喋り出す
「最悪」
「何がだ?」
「探すのが面倒であんたが敵共を引きつけやすいって聞いていたからついてきたのに俺の獲物がゼロってのが最悪」
「確かに俺は敵共を引きつけやすいが俺の魔法は範囲攻撃に特化している。ついてくるなど無意味だ、俺とは別の場所で敵共を探す方がよかったな」
「本当そう、今度レンをぶん殴る」
「レン?何故そこでレンがでる」
「レンに教えてもらったから」
「あいつも貴様と同じで戦闘狂だからな」
「おい、今なんか言った?」
「別に」
王都 教会
教会には二人の男女と警備兵がいた
一人は体格が大きく身長が2mを超える赤髪金眼の赤黒い鎧を纏った大男
彼の名はシド
もう一人は長い水色の髪に透き通った金眼、黒い修道服を着た女性
彼女の名はシア
シアが自身の両手を握り神を崇めるポーズを取り警備兵に話しかける
「貴方方は神敵です、ですが私は貴方方を攻撃したくありません。だから今回は引いてくださいませんか?」
ニコッと優しい微笑み、透き通るような綺麗な声で引いてくれと言われた
思わず警備兵が動揺する
警備兵が動揺している最中に床に魔法陣が形成されていた
「少しだけ懺悔をする機会を与えます。貴方方が今まで一番罪を犯した想う出来事を思い浮かべてください」
誰も言うことを聞かない
当たり前だ敵の言うことなど聞くわけがない
シアもそれを分かっている
だから涙を流して警備兵に言う
「残念です。命は刈り取りません、ですが貴方方の命意外は"全て"刈り取ります」
魔法陣の光が増していく
「神聖魔法 "絶"」
魔法が発動し教会全体が光に包まれていく
光が消える頃には警備兵が全員倒れていた
それを見てシアが涙をこぼす
「ごめんなさい、ごめんなさい。しかし貴方方は神敵です。許せとは言いません」
ここでシドが喋り出す
「相変わらずすごい魔法だなシア」
「はい、お兄さま。この魔法はとても強大なものです」
「神聖魔法 "絶" 確か命以外の何もかもを刈り取るんだったな」
「はい」
神聖魔法 "絶"はこの二人が話している通り命以外"全て"を刈り取る
全ての記憶、全ての感覚、本当に何もかもを
王都 城壁
城壁には女性が二人いた
一人は黒髪ロングに茶色の眼、服装は魔女ハットに青いローブにマントを羽織っている
彼女の名はミライ
一人は黒髪ロングをツイテールにしミライ同様茶色の眼、服装も同様だ
彼女の名はミカ
二人は姉妹だ
ミライが姉でミカが妹
この姉妹は二人揃ったら手のつけようがない
「お姉さま、お姉さま。敵がいっぱいいます!」
「こらこら、ミカ敵はダメ。しいて言うなら敵と呼びなさい」
「どっちも一緒だろ!」
警備兵がつっこむ
だが警備兵は知らない
それが虎の尾を踏むことになるとは
「黙れ」
警備兵は困惑する
先ほどとは全く違う低い声でミカが警備兵に言う
「黙れ黙れ黙れぇえ!!お姉さまは何も間違っていない!何がどっちも一緒だぁ?!頭沸いてんか!まあ沸いてるか、だからあんなクソ国王についてんだろ!まじで死ね!」
「ミカ殺してはダメよ」
「分かってます!お姉さま」
警備兵は混乱している
自分たちとお姉様との対応の温度差に
「氷魔法 "整"」
魔法発動
だが何も起きない
警備兵をこれには拍子抜けだ
だか突如として警備兵が苦しむ
「貴方達、私達がレンに殺すなって命令されてて良かったね。じゃなきゃ今頃死んでたよ」
次々に警備兵が倒れ出し全滅した
「終わりました!お姉さま!」
「殺してない?」
「はい!」
「だいぶ魔法を上手く扱えるようになったね」
「ありがとうございます!」
ミカが使った魔法
氷魔法 "整"
一見何をしたかは分からない
それもそうだこの魔法は体内に発動する魔法だからだ
人間は7割ほど水分で出来ている
それは何処の世界でも同じだ
彼女ミカの氷魔法 "整"は人体の水を凍結させる魔法
少し間違えれば人を簡単に殺せる魔法だ
王都 修練場
修練場には二人の男性がいた
一人は短い黒髪に黒の眼、服は学生服を着て、いわゆるモブみたいな奴
彼の名はヤミ
一人は金髪に赤眼、服はヤミ同様学生服を着て、いわゆる勇者みたいな奴
彼の名はヨータ
ヨータがヤミに話しかける
「ヤミどうする?一人で戦うか、共闘か」
「ヨータはどっちがいい?」
「う〜ん、どっちでもいいかな、今回殺しちゃダメってことは手加減なしだろ?俺苦手だわ」
「確かにヨータが苦手な分野かも。じゃあ俺がやる」
「ああ任せた!」
「了解」
ヤミが腰にかけている剣を取り出す
もちろん鞘が付いた状態でだ
「じゃあ手加減するか」
ヤミの姿が消える
警備兵が驚き周りを見渡す
だが何処にもいない
すると突然警備兵が悲鳴を上げ吹っ飛んだ
悲鳴をする方に顔を向けるがそこには吹っ飛んだ警備兵のみ
また悲鳴が聞こえた
次々と悲鳴が聞こえる警備兵が吹っ飛ぶ
そして最後の一人になった
何が起きているのか分からない警備兵は息を荒くして恐怖の表情を浮かべていた
すると突然後ろから声が聞こえた
「どうした息を荒くして、俺はただ移動しているだけだぞ」
声が聞こえた方は振り向く
だがそこに誰もいない
そして最後の一人もなす術なく吹っ飛んだ
結局警備兵は訳も分からないまま全滅した
バトルいや蹂躙を終わった頃にヨータがヤミに話しかける
「相変わらず速いな〜見えてたけど今の俺じゃまだ勝てん」
「俺を捉えることが出来るだけで充分戦えるだろ」
「それはそうだけどさ〜やっぱいつかはヤミに勝ってみたいな〜」
「そうか、期待してる」
「ああ、頑張る」
王都 国王御前
国王御前には二人男女二人と警備兵がいた
一人はこの俺、髪は黒に赤眼、服装はそこら辺の冒険者が着てそうな服
名前はレン
もう一人は白髪に赤眼、服装はワイシャツのスーツの上を脱いだような格好
名前はアカリ、ライトの姉だ
俺が国王に喋りかける
「あんたの部下はもうほとんど居なくなったぜ」
「・・・そのようだ」
「ここでチャンスをやる、奴隷制度を撤廃しろ。そうしたら俺たちは帰る」
「悩むこともない、奴隷制度を撤廃すると国はいずれ滅ぶ。内部からな、だから撤廃はせん」
「・・・そうか、分かったよ。アカリ任せていいか」
「ええ」
「どうやら貴様らに情けをかける必要は無いようだ」
国王がそう言うと国王の周りに10人の騎士が現れた
一人一人見たことがある
彼らは国王の直属の騎士 ナイトオブラウンズだ
帝国の10人の最強騎士
これは面白くなってきた
「ねえレン」
「ん?」
「こいつらも殺しちゃダメなの?」
「ダメ」
俺がダメだと言うのは分かっていたのだろう
アカリはため息を吐きナイトオブラウンズの方を見た
「殺さない程度に無力化って面倒なのよね」
「まあそう言うなって」
「分かってる。後貴方達剣でも構えたら?そこの国王を守るんでしょ」
「貴様ぁ!陛下をばあっ!」
何か言おうとしたがアカリが魔法を発動した
他のナイトオブラウンズが一瞬驚きすぐにアカリに攻撃しようとする
「遅い」
一人また一人と倒れていく
どうしてか分からない様子だ
俺には分かる
敵の剣を見ていこう
剣が一瞬だがバチっと光る
光とそいつは焦げ付いている
アカリの魔法は"雷"だ
アカリは剣を避雷針代わりにし魔法を発動している
あいつらはまんまとアカリの挑発に乗り剣を構えた
もうおしまいだ
少しずつ数が減っていき残り人数が半分以下になった時敵がアカリを囲っていた
あ、勝ったな
"雷"の感電効果
あの距離だったら感電するだろう
そして実際その通りになった
ついでに残りの警備兵をまとめて"雷"を落とし気絶させていた
「はい、てことであんたの味方はもういませんと」
「まさかここまで強敵とはな。私の直属の騎士ナイトオブラウンズがこうも簡単に破れるとは」
「あいつら実際強いけど、うちのアカリさんには勝てないな」
「負けた、か。良いだろう奴隷制度を徹底してやる。だが先ほども言った通り奴隷制度を撤廃するとこの国はいずれ崩壊するぞ」
「ああ、分かってる。けどな苦しんでる奴らを見るのはもう懲り懲りなんだ。まあ国が滅びそうになって俺らが生きてたら助けに来るよ」
「その頃には私はいないがな」
「あんたもおっさんだもんな」
軽く笑い俺を見る
「そう言う訳じゃ無いんだが。まあいい、達者でな」
「ああ、じゃあな」
こうして俺たちの始まりの決戦は終わった
そして後に国王は死体で発見された
終
長い分連載遅いです




