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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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ステータス確認の巻

 マドカとツバキにはもう一度骸骨くんを倒してもらい、十分にいけそうな感触はあったと思う。

 うん、慣れればウルトラハードモードでもやっていけるね。


 そうして今後の方針を話し合うことにした。

 『はぐれ山賊』と『どん底アイドル崩れ』、それに続いてツバキのクラスは『箱入り怨念巫女』というらしい。


 どれもひどい名前のクラスだけど、なかなか相性のよさそうなパーティーな気はする。


 私は接近戦が得意だし、マドカの散弾銃は近距離から中距離がたぶんいい感じで、ツバキは遠距離戦に向いている。どの距離でもみんなカバーできるし、数への対処も私が単独の時よりはずっと楽になりそう。


 この3人でも結構いい感じだし、仲間を増やすならそれぞれの得意距離に増やしていくと、もっといい感じになると思う。あとは器用なサポート要員がほしいかな。そんな話をした。


「ふたりとも攻撃力はあるから、どうせレベル上げするなら、もっと深い階層に行ってみる? お金も稼げるし」

「アオイから見て大丈夫そうならいいけど。あまりにモンスターが速いと、あたしは弾を当てるのが難しいかも」


 遠距離攻撃は命中がね。私も単体のモンスター相手だと、投げ斧は全然当たらんし。


「そうだね。私は第二十階層まで行ってるけど、速さはそんな変わんないかな。防御力はちょっとわからんけど。とりあえず試してみよっか」

「……まどかおねえ、葵姉はん」


 転送陣に向かって動き出そうとしたら、ツバキがストップをかけた。なにやら黒いカード、身分証を見ている。


「お、もしかしてレベル上がった?」


 ツバキはレベル12だったから、レベル13か。私は17だから、4レベルの差に縮まったね。


「……ちゃう。スキル強化、されてる。見て」

「強化? マジで?」



■星魂の記憶

名前:九条つばき

レベル:12

クラス:箱入り怨念巫女

生命力:28

精神力:152

攻撃力:22

防御力:19

魔法力:165

抵抗力:104

スキル:呪符/深窓からの呪詛/魔力の大源泉Ⅰ/呪詛返し

クラススキル:人形儀式/たしなみの結界

加護:―



 どれどれと覗き込んでみれば、スキル『魔力の源泉Ⅰ』が『魔力の大源泉Ⅰ』に変わっている。

 あの足軽系骸骨くんをちょろっと倒した程度で、レベルも上がっていないのにだ。そういうこともあるんだね。


「まどかおねえは? スキル強化、されてへん?」

「あたしも? まさか」


 今度はマドカの身分証をみんなで覗き込む。



■星魂の記憶

名前:九条まどか

レベル:10

クラス:どん底アイドル崩れ

生命力:81

精神力:66

攻撃力:49

防御力:48

魔法力:87

抵抗力:92

スキル:グランドリンクⅠ/受動効果増強/第六感

クラススキル:残像のスポットライト/ステージメイク直し

加護:―



「おおーっ、なんか変わってる! それって強化されてるよね?」

「……ホントだ。『スキルリンクⅠ』が『グランドリンクⅠ』になってる。まさかこんなことがあるなんて」

「もしかしてさ、リンクできるスキルの数とか、条件も変わってんじゃない?」


 普通に考えてそうなるよね。だって強化っぽいし。


「待って。えっと、とりあえず感覚的に……あ、スキルは全部で3つまではいけそうね。すごいわ。追加でどのスキルをリンクさせるか、ちょっと考えない? アオイのステータスも見ながらでいい?」

「モチのロンよ」


 いきなりスキルが強化されて、戸惑いと喜びが半々のふたりだ。

 私も意味わからんけど、強化はいいことだよね。とにかく、私も身分証を取り出して見せてやる。



■星魂の記憶

名前:永倉葵スカーレット

レベル:17

クラス:はぐれ山賊

生命力:62

精神力:62

攻撃力:62

防御力:62

魔法力:62

抵抗力:62

スキル:ウルトラハードモード/ソロダンジョン/武魂共鳴/毒攻撃/星の糸紡ぎ/状態異常耐性/カチカチアーマー/キラキラハンマー/生命力吸収/念動力/健康体

クラススキル:拘束具破壊/威嚇

加護:弁財天の加護/厄病神の加護/瀬織津姫せおりつひめの加護



 私のステータスを見て、マドカが真顔で詰め寄ってきた。なになに?


「おかしいでしょ、アオイ。この1週間でレベルが上がったのはまだいいわ。でも加護が増えるって、どういうこと? ねえ、どういうこと? 加護なんてないのが普通なのよ? なにをしたらそうなるの!」

「え、いや、そんなこと言われても。がんばったからじゃない?」

「がんばったくらいじゃ、加護なんてつかないの!」


 興奮しているマドカは珍しいのか、ツバキも困っておろおろとしている。私も困るんだけど。


「あの、葵姉はん……がんばったって、なにをしたん?」

「なにって、ここでモンスター倒しまくっただけだよ。たぶん1万匹とか? 数えてないけど、それくらいは倒したと思うけど」


 この7日間で換金した魔石はたしか、2,000個くらいだったはず。

 でも倒したモンスターの数は2,000では済まない。

 魔石を落とさないモンスターが、無限に出てくる異常事態にも遭遇してしまったからね。


 結果として、あれはそういう能力を持ったモンスターがいたせいだったけど、解決までにはぶっ続けで16時間くらい戦っていた。もう意地でぶっ倒し続けた。


 さらにだよ。ふざけたことに似たようで異なるケースを2回も経験したのだから、嫌でも戦闘経験が積み重なりまくっている。


 ただ、戦闘経験を求めていた私にとって、ちょうどいい機会だったとも思っている。

 あの時の私は一挙手一投足に気を配り、ほんの少しも気を抜かなかった。雑に倒したモンスターは全然いなかったはずだし、完全に集中していた。ちょっと楽しかったしね。


 特に『念動力』のスキルを使うようになって、重いハンマーの扱いが格段に上手くなったのが自慢でもある。


 そうして気がつけば、私には加護が増えていた。

 短期間でソロの戦いに没頭し、無数のモンスターを倒した。そのご褒美みたいなものだろうね。たぶん。


「……ごめん。あたし、まだアオイのこと全然理解できてなかったみたい」

「なに言ってんの。まだ私たちは出会ったばっかりじゃん。これからお互い、理解していこうよ! だよね、ツバキも」

「そ、そうやな」



 どうにか気を取り直し、みんなでリンクするスキルの相談に戻った。

 私としてはそれだけのモンスターを倒しても、レベルが2しか上がらなかったことのほうが気がかりなんだよね。マジでレベルが上がりにくいわ。


「ちなみにアオイはどのスキルがいいと思う?」


 最初にマドカの感覚として、リンクできないスキルは除いてその中から選ぶ。


「なんでもいいけど私の『武魂共鳴』はアリだと思うよ。使ってる装備が、戦ってれば強くなるからね」

「そのスキルも大概おかしいわよね。ツバキは?」

「うちも『武魂共鳴』は、嬉しい。もうひとつは……パーティー全体を考えたら『魔力の大源泉Ⅰ』が、ええ思う」

「そうね。じゃあ、さっそくリンクしてみるわね」


 あらゆる自然回復力を高めてくれる『魔力の大源泉Ⅰ』は、私にとってもありがたい。具体的にどの程度の回復が見込めるのかは、実際に使い続けていればすぐにわかるはず。

 全員の継続戦闘能力を高めつつ、マドカが散弾銃を撃てる頻度が上がるのが特にいい。倒す速度が上がれば、それだけ稼ぐ速度も上がる。


 いずれまたスキルが強化されれば、マドカの『受動効果増強』や『第六感』を追加でリンクできるし、戦う敵によっては私の『状態異常耐性』をリンクするのもいいよね。

 その頃には新たなスキルを覚えているかもしれないし、仲間が増えているかもしれない。


 改めて考えて、マドカのリンク能力ってすごいわ。

 スキルリンクには、リンク対象の条件、そして距離や人数の条件が細かくいろいろあるらしい。それらがスキルの強化によって緩和されている可能性だって大いにある。


 強化は幸先がよかったし、やっぱ将来性ありまくりじゃない? マジすごいわ。


 あとは、みんなで強いモンスターと戦ってみたいね。

 そういう時にこそ、真の根性がわかる。

 でもマドカとツバキなら、どんな強敵にも立ち向かってくれると信じているよ!

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 初のパーティアタックで直ぐにスキルがランクアップ…ゲーム風に言うなら取得EXPの数値が「やはりヤバい」な値なんですねウルトラハード版モンス。 これレベルアップに必要な値もウルトラ…
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