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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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クラス獲得までの長い道

 肩慣らしついでに、近くにいたウッドゴーレムをもう一体だけ倒した。

 レベル8の時点で、第五階層ではモンスターを倒しても得られる経験値は3くらいだった。

 クラスを獲得できるレベル10を目指す私にとって、第九階層でどの程度の経験値が稼げるかは重要だよね。ステータスを確認しておこう。


「まあ二体しか倒してないけど、どんなもんかね。どれどれよっと」



■星魂の記憶

名前:永倉葵スカーレット

レベル:9(レベル上昇に必要な経験値:1,003,378)

クラス:―

生命力:14(+720)

精神力:14(+810)

攻撃力:14(+900)

防御力:14(+720)

魔法力:14(+765)

抵抗力:14(+675)

運命力:530

スキル:ウルトラハードモード(試練を与える。ダンジョン難易度の上昇、難易度に応じた報酬獲得率アップ、成長率が難易度相応に変化)

:ソロダンジョン(専用のダンジョンに入ることができる)

:武魂共鳴(装備品が使用者と結びつき、レベルに応じて成長する)

:毒攻撃(攻撃時に毒ダメージを与える)

:星の糸紡ぎ(星魂紋の詳細が可視化される)

:状態異常耐性(状態異常への耐性を得る)

:カチカチアーマー(カチカチしたシールドを召喚する)

:キラキラハンマー(キラキラするハンマーが追加攻撃する)

:生命力吸収(攻撃時のダメージに応じて、対象から少しだけ生命力を吸収する)

クラススキル:―

加護:弁財天の加護(魅力・芸術能力・財運アップ。五頭龍をソロ討伐し弁財天に認められた証)

:厄病神の加護(災厄を返し悪因悪果を与える。疱瘡悪神をソロ討伐し厄病神に認められた証)



「なんですと? もうレベル上がってんじゃん。やった!」


 たしか、ダンジョンに入った時には、まだ次のレベルまで経験値が1,000以上は必要だったはず。

 さっきのウッドゴーレム以外には、第五階層を抜ける時に少しスケルトンをぶっ倒しただけだ。ということは、ウッドゴーレムくんはめちゃ経験値的においしいってことになる。


 やる気がみなぎると思いきや、その他の項目を見て驚いた。


「……次のレベルアップに必要な経験値、ちょっとおかしくね?」


 急にけたが変わってんじゃん。なんで?

 まさしく桁違いに増えている。おかしいだろ。あん?

 文句を垂れたところで仕方がないんだけどさ。


 あとはステータスがいつもどおりに毎度の1しか上がらないと。

 新しいスキル『生命力吸収』なんてもんを覚えたけど、これも毎度のようによくわからん。悪いスキルじゃなさそうだけど、そもそも生命力ってなによ。ハンマーで殴るたびに元気になる的な? そうだったら嬉しいけどね。


「あー、せっかくレベル10に王手かけたってのに。なんか、すっごい遠ざかった気ぃするわー」


 なんせ経験値100万とか稼がないとレベルアップできない。

 壁が高すぎない? もう、どういうことよ。


 いや、でもあれだ。レベル10と言えば、クラスを獲得できる特別なタイミングだよね。

 きっと私だけじゃなく、ほかのハンターたちも苦しみを乗り越えて記念すべきレベル10に至ったんだ。


 自分だけが辛い目に遭っているなんて、そんなはずはない。

 立ち止まっている暇があったら、一歩でも前に進め。元気出していこう!

 そういうことだよ。


「よっしゃ。転送陣の登録もしなきゃだし、もう第十階層に行っちゃうか! 次の階層もどうせゴーレムくんだからね。楽勝、楽勝!」


 経験値も売れる魔石の価値も、深い階層のモンスターほど高くなる。

 第十階層は転送陣もあるし、上層の最後だ。中層に挑む準備と思って、次に進むべし。


 それに大変な思いを乗り越えてクラスを獲得するのだから、きっとすっごいいい感じのクラスに私はなれる。

 絶対、光の大勇者とか超戦士とか、天上の大聖女とかに、きっとなれる。

 もうめっちゃめちゃ楽しみですわー。



 意識を切り替えれば、気持ちも前向きに。

 ぼっちだけど、明るく元気にダンジョン探索やってやる。

 もう楽勝すぎる第九階層に用はないね。あちこちにいるウッドゴーレムに構わず、次の階層に進んだ。


「やってきました、第十階層。さっそく転送陣に登録っと」


 転送陣は階段から少し離れたところにあった。本当ならここで一度地上に戻ってもいいタイミングだ。

 ダンジョンに入ってから、すでにもう五時間くらい経過している。でも目標に定めたレベルにも、稼ぎにもまったく届かない。

 まだまだ働くぞ。


「まーずは、ここのゴーレムくんをぶっ殺そう」


 様子見だ。第十階層の景色は特別に変化なく、モンスターも変わらずウッドゴーレムみたいだね。

 ちょっと遠目で見た感じ、あのゴーレムの姿かたちは第九階層と変わりない。それでも完全に同じなわけはなく、なにかが違ってちょっとはパワーアップしているはず。そいつを見極めよう。

 いつものことだけど、焦って怪我なんかしたらつまんないからね。


 でかいお陰で簡単に見つかる木製の巨人に接近だ。

 ファーストウッドゴーレムくんにハンマーを構えて近づき、どんなもんか試してやる。

 さっそく私に気づいたモンスターが、巨体を軽やかに動かした。


「あ、なんか速い!」


 まさかの機動力アップ。動きの鈍そうなゴーレムのくせに、そんなんありなんだ。これは見た目に惑わされるね。

 速度が上がったとはいえ、脅威に感じるほどではない。これなら全然、問題ナッシング。

 第九階層のウッドゴーレムと同じように、横手に回り込みながらハンマーで脚部を破壊。倒れたところでトドメを刺した。


「どれどれ、経験値はどんなもん?」


 細かい数字はともかく、たぶん800くらいの経験値をゲットできた。

 やっぱりレベル9の私が、第十階層という適正レベルよりも高い場所で戦っている影響か、だいぶ多めに経験値がゲットできる。

 レベルアップにはまだ遠いけど、これなら1,000匹倒せば経験値80万だからね。一度のダンジョンアタックで、毎回毎回100匹以上のモンスターを倒しまくっている私からすれば、早ければ一週間くらいで到達できる。経験値100万を稼ぐまで、案外遠くない気がしてきた。


「ただ倒すだけじゃ、芸がないね。どうせなら、いろいろと戦闘経験も積んでいこう!」


 前向きに。もっと深い階層までいけるようになって、もっと稼ぐんだからね。

 第十階層なんて、まだ上層だよ。下層はともかく、第十一階層以降の中層をメインに戦っていくことを考えれば、余裕のあるこの第十階層でもっともっと戦闘経験と自信をつけよう。


 ウッドゴーレムくんをハンマーで殴り、ブーツで蹴っ飛ばして粉砕する。

 接近戦だけではなく、剛弓破魔矢の指輪から魔法の矢を放って遠距離からもダメージを与えられるように慣れていく。ちょっとやった感じ、私は超ノーコンだけど、やっていれば少しずつでも必ず上達する。


 いろんなことを試しながら、ウッドゴーレムくんたちを倒しまくった。

 私ったら、きっともうゴーレムくんに恨まれてるわ。


 それにしても経験値稼ぎって、めっちゃ地道!

 やっぱ話し相手くらいほしいわ。

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― 新着の感想 ―
こんにちは。 必要経験値の爆上がりを見ると、ドラク○Ⅴのギガ○テスを思い出します(最大レベル7。レベル5になるのに大体7万弱だけど、6になるのに約40万・6から7にするのに約300万要求される)ねw…
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