そこそこレベルのハンター、次のステージへ
■星魂の記憶
名前:九条つばき
レベル:30
クラス:箱入り怨念巫女
サブクラス:黄昏境界まじない師
生命力:107
精神力:580
攻撃力:85
防御力:73
魔法力:629
抵抗力:397
スキル:呪符/深窓からの呪詛/魔力の天霊泉/呪詛返し/清浄なる矢/多重臨写
クラススキル:人形儀式/たしなみの大結界/護符刻印/清浄結界
加護:座頭法師の加護
:弁財天の祝福
ツバキのスキルは超使える『魔力の大源泉Ⅱ』が『魔力の天霊泉』に進化してしまった。すごすぎる。魔力を徐々に回復してくれるスキルのお陰で、またいっぱいスキルを使いまくっても関係ない感じだ。マジですごい。
「この『清浄結界』はどんなんなの? どっかのクランの人に教えてもらうとか言ってたよね?」
「葵姉はん、クラン『紅の魔法愛好会』や。発動してもようわからへんかったけど、たぶん『清浄結界』は結界内の呪いや毒を浄化して、寄せつけへん効果や思う」
「複数の結界系スキルを覚えるのは珍しいみたいよ。ツバキは結界のスペシャリストになりつつあるわね」
なんかカッコいいわ。
「つばき、その『多重臨写』ってスキルの使い勝手はどうだ。だいぶ楽になったんじゃねえか?」
「使えるけど、ダンジョンの中でないと効果あらへんのんが使いにくい……」
ツバキは時間があればいつも呪符とか護符を手作りしていたけど、新スキルの『多重臨写』は一気に何枚も作れちゃう。ただ、スキルは基本的にダンジョンの中でしか使えないからね。
いつも帰り際とか休憩時間に、ツバキはちょこちょこやっている。
「それも練馬ダンジョンを解放すれば、クランハウス内でやれるようになるわ。アオイ、そろそろいいはずよね?」
「あ、そうだよ。そうだったわ!」
蒼龍のおっさんはたしか、あのダンジョンのある部屋はレベル30になったら開けられるとかなんとか言ってた気がするね。
最近はレベル上げに夢中になりすぎて、練馬ダンジョンの存在をちょっと忘れていたわ。実はもう開けられるんじゃね? ダメだったら蒼龍のおっさんにまた聞いてみるかな。
「いよいよ話に聞くダンジョンのお披露目か。蒼龍ですら序盤で攻略を断念したんだったか」
「実はずっと気になってたんですよねえ」
「早く入ってみたいです」
「だよね。私も入ったことないんだよ。まったく、もったいぶりやがってよー」
「あの伝説のハンターがそこまで言うくらいだ、入ったらすぐやられちまうようなダンジョンかもしれねえ。勝手に入るより、先に蒼龍に相談したほうがいいかもな」
「……あたしたち、実力をつけて調子に乗っているところはあるわね。気を引き締める意味でも、マユの提案に賛成よ」
なんだよ、とりあえず入ってみたらいいのに。
まあいいか。たしかに、ちょろっと調子に乗ってはいるかな?
「まどかおねえのステータスも見して」
「はい、これ」
■星魂の記憶
名前:九条まどか
レベル:30
クラス:どん底アイドル崩れ
サブクラス:絶対可憐羅刹姫
生命力:361
精神力:293
攻撃力:217
防御力:212
魔法力:386
抵抗力:409
スキル:マスターリンク/受動効果増強/第六感/高次照準/夢幻爆花
クラススキル:残像のスポットライト/ステージメイク直し/きらめきパフォーマンス/業火装填/魔杭貫刺
加護:座頭法師の加護
:弁財天の祝福
ほうほう……スキルとかの前に、やっぱクラス名が気になるわ。
どん底アイドル崩れと絶対可憐羅刹姫って、なかなかすごい組み合わせだ。山賊と悪鬼の私はなんも言えないけどさ。これを見るたびにちょっと初心に帰る。早く上級クラスになりたいよね。
それにしても最近のマドカは攻撃スキルが増えまくってる。
レベル25で爆発する分身みたいなやつを使えるようになったし、魔法の杭で攻撃するクラススキルまで覚えちゃったよ。
で、やっぱり大事なのはこれだね。スキルリンクがまた強化された。前は『グランドリンクⅡ』だったのが『マスターリンク』に進化だ。
「ねえねえ、マドカの『マスターリンク』ってどのくらい強く変わった?」
「いまのところ実験する機会がないから、リンク可能なスキルの数が増えたことしかわからないわね」
マドカのスキルリンクは、マドカと同じ性別とか近い体型の人に限って、自分や相手のスキルをリンクして発動させられる超絶すごいスキルだ。そのお陰で私の『ソロダンジョン』もみんなで入れる。
強化されたってことは、リンクできる数以外に条件とか効果範囲が広くなったとか、そんな感じかな。あとはこれまでリンクできなかったスキルが、新たにリンクできるようになったとか。
「効果範囲の検証はやってみてえな。人数も10人以上いけそうな感覚なんだろ? それでもし違う階層にまで効果が及ぶならよ、だいぶとんでもねえ」
「しかし『グランドリンクⅡ』の時点で、リンク可能なスキルは5つもあった。まさかさらに進化するとは思わなかったな」
「なにせ進化のお陰で、7つものスキルをリンクしてますからねえ。総合的にはちょっとどころではない強化具合です」
マジですごいわ。
いつものダンジョン攻略だと『ソロダンジョン』と『武魂共鳴』『魔力の天霊泉』『魔力倹約』『受動効果増強』をリンクするのが基本だね。
そこに2つも追加できるようになって、いまのところは『体力超人』と状況によってあれこれ変える枠が1つある感じ。超便利だわ。
「単純な強化に留まらず、パーティーとして適応可能な幅が広がっている。リンクするスキルについては、今後も皆で考え積極的に提案していこう」
「そうね。アオイもステータス見せて」
「ほいよ、これね」
■星魂の記憶
名前:永倉葵スカーレット
レベル:30(レベル上昇に必要な経験値:18,484,062)
クラス:はぐれ山賊
サブクラス:しゃにむに悪鬼
生命力:314(+2,400)
精神力:314(+5,250)
攻撃力:314(+5,100)
防御力:314(+2,850)
魔法力:314(+3,300)
抵抗力:314(+3,000)
運命力:858
スキル:ウルトラハードモード(試練を与える。ダンジョン難易度の上昇、難易度に応じた報酬獲得率アップ、成長率が難易度相応に変化)
:ソロダンジョン(専用のダンジョンに入ることができる)
:武魂共鳴(装備品が使用者と結びつき、レベルに応じて成長する)
:毒攻撃(攻撃時に毒ダメージを与える)
:星の糸紡ぎ(星魂紋の詳細が可視化される)
:状態異常耐性(状態異常への耐性を得る)
:カチカチアーマー(カチカチしたシールドを召喚する)
:ギラギラハンマー(ギラギラするハンマーが追加攻撃する)
:生命力吸収(攻撃時のダメージに応じて、対象から少しだけ生命力を吸収する)
:念動力(念じることより物体に干渉する)
:超健康体(病気知らず、健康の波動を広げる)
:メラメラハンマー(メラメラするハンマーが追加攻撃する)
:ヒエヒエハンマー(叩きつけた場所を冷却する)
:だいだら・初(ダンジョンに道を拓く)
:ぬるぬるアーマー(ぬるぬるしたシールドを召喚する)
:ビリビリハンマー(叩きつけた場所がビリビリする)
クラススキル:拘束具破壊(拘束具を簡単に破壊できる)
:威嚇(威嚇対象に恐怖感を与える)
:荒野の生存者(過酷な環境への耐性を得る)
:黒縄(焼けた縄を召喚する)
:傲慢喰らい(攻撃対象が大きいほど力が増す)
加護:弁財天の加護(魅力・芸術能力・財運アップ。五頭龍をソロ討伐し弁財天に認められた証)
:厄病神の加護(災厄を返し悪因悪果を与える。疱瘡悪神をソロ討伐し厄病神に認められた証)
:瀬織津姫の加護(精神力増強、攻撃力増強、スキル威力増強。戦闘技術を磨き瀬織津姫に認められた証)
:座頭法師の加護(演奏能力・呪いへの耐性アップ。暗闇での視界が利くようになる。座頭法師に認められた証)
今回の私はそんなにパワーアップ感はないかな?
『ぬるぬるアーマー』と『ビリビリハンマー』を覚えて、あとは『健康体』が『超健康体』に進化して、クラススキルの『傲慢喰らい』を覚えたくらいだね。派手さが足りないわ。
「この『超健康体』ってスキル。リンクはできなかったのだけど、アオイの近くにいるとあたしたちも健康になるのかしら?」
「どうだろうな? アタシらの中には健康に不安のある奴がいねえからな、いまいちわからねえが」
「そういう意味では実感が湧きませんね」
まあ私たちったら、めっちゃ働いて運動して、メシいっぱい食べてよく寝るからね。そもそも健康なんだよ。
「とにかく、これで全員がレベル30になれました。ひとつの節目って感じがしますねえ」
「ホントにそう!」
しかも夕歌さんに教えてもらったところによれば、レベル30の平均ステータスはだいたい220くらいらしい。私たちったら、平均で300以上はあるし、めっちゃ強いわ。数値に表れちゃってるわ!
「レベル30はダンジョン下層、第三十一階層に挑む目安でもある。このまま三鷹ダンジョンでレベルを上げるか、別のダンジョンの下層に進出するか、あるいは練馬ダンジョンの攻略に挑むかだ」
「ランキングを上げるなら、ダンジョン下層よね」
「クランランキングの後期が始まるまではまだ少し時間ありますし、それまでの間にいろいろやってみますか」
沖ちゃんも楽しそうだね。私もあれこれいろいろやりたいわ。
強い天使と戦うのは楽しいけど、ずっとやってるとちょっと飽きるし。
「ういー、お腹減ったわ。キリもいいし、今日はもう……え、マジかよ。あっちにさ、なんかいるんだけど。銀ちゃん、見える?」
「なに?」
遠くのほうに見慣れないモンスターがいる。
この階層には金の天使しかいないはずなのにね。絶対、違うやつがいるわ。
なんじゃあれ?




