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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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想定外の高難易度階層!

 第二十五階層の骸骨くん。近づくその姿を見て、なんか速いかもと思っていた。

 でも間近で見ると、速いだけじゃなく動きがしなやかで、力の強さもこれまでとは明らかに一段違う。結構パワーアップしてる感あるね。


 ただ、ツバキの結界のお陰で動きが鈍くなるのに加えて、邪気を払う梓弓の音でモンスターの動きがさらに悪くなっている。リカちゃんが的になってくれているし、そのお陰でだいぶ楽に戦えるようになった感じだ。


 全体的に前の階層よりモンスターが明らかに強くなっていて、さらにちょこちょこ混ざる全身防具の鎧武者骸骨くんがちょっと厄介。特に防御力が高くて、これが一番の想定外かな。

 まゆまゆのスキル『耐性喰い』で弱体化しているはずなのに、それでも硬さを感じる。


「さっすが第二十五階層、手強いね!」


 投げ斧は防御力の高い奴に弾かれるけど、頼れるハンマーさんとブーツならガンガンぶっ壊せる。

 いつものように、サクサクッと防具ごと骸骨くんをぶっ倒す。スキル『キラキラハンマー』を使って、まとめて複数だって葬り去れる。サポートがない状況で、どれだけ変わるのかも試してみたいね。


「鎧のスケルトンが硬いです、並の武器では通用しませんよ!」


 沖ちゃんは蒼龍からもらった刀を使って、一体ずつ確実に骸骨くんを倒している。鎧武者を防具ごと斬り捨てているから、問題なく戦えるっぽい。元から強いし、弱体化したモンスターにやられる心配はないね。特にフォローはいらない感じだ。


 それに対して、マドカと銀ちゃんはなかなか上手くいっていない。


「あたしのバトンじゃ、敵の防具を壊せないわ!」

「私の拳銃は妨害にしか役立たん! 牽制に徹するぞ!」


 大きな音が鳴る銃を使えば、もっとたくさんのモンスターが寄って来てしまう。

 本当ならマドカは強い散弾銃があるのに使えないし、銀ちゃんも得意の狙撃銃が使えない。


 マドカは投げれば戻るバトンで戦えてはいるけど、全身鎧の骸骨くんには跳ね返されてしまっている。

 銀ちゃんは基本的に銃を使うから、今回はなかなか厳しい。音のあまり出ない小さい拳銃を使っているけど、威力が低くて普通の骸骨を倒すことも難しいみたいだね。



 強めの骸骨くんを相手に戦うことで、改めて相性の問題は結構大きいように思った。


 アンデッド系で骨のモンスターだからか、私たちのスキルで効果が全然ないものもある。

 私の『毒攻撃』や『威嚇』は効かないっぽいし、銀ちゃんの『静止の蛮声』もそう。まゆまゆも毒とか状態異常を発生させるスキルがあるけど、それらも骸骨には効力がない。


 モンスターが別の種類で、ここまで数が多くなれば、同じような強さのモンスターが相手でももっと効果的に戦えるはずだと思ってしまう。

 それこそが相性なんだけど、武器もスキルもなかなか難しいものなんだね。


 あと問題に思うのは、私たちはサポート系のスキルはかなりいい感じとして、攻撃系のスキルに広範囲のものがない。ホントに全然ない。


 攻撃に関して、純粋な火力と範囲。これがパーティーに足りていない部分と思った。

 この第二十五階層はまだダンジョンの中層だから、先の下層を視野に入れるなら、どうにか解決していきたいところだけど、どうしたもんだろうね。


 新しいスキルを覚えられればいいけど、そうでなければ武器や何かの道具で解決する感じかな?

 うん、やっぱりここで苦戦してよかったと思う。経験することで、いろいろとわかることがあるわ。


 というかだよ。そもそもダンジョン下層は、パーティーどころかクランで攻略するのが普通みたいだし、まだ全員がサブクラスも取れていない私たちが第二十五階層で苦戦するのは普通のことだよね。

 ましてや、ここは『ウルトラハードモード』なダンジョンなんだから、むしろ苦戦して当然だよね。


 それにこれからの目標ができていい感じだ。もっと火力を!



 なんにしても、いまは目の前のことに集中だ。

 敵をバンバン好きに倒せないなら、上手くやれる形を考えてやればいい。


 その点はさすが私の仲間たちで、沖ちゃんは防御力の高い奴を狙い、マドカがそれ以外の奴を狙う。銀ちゃんはモンスターの邪魔や誘導に徹して、私たちをサポートしている。連係が上手く回り始めれば、敵を倒すスピードも上がっていく。


 あとは私がリカちゃんたち、サポートしてくれるメンバーを守るように立ち回れば、これはこれでいい感じに戦えるようになった。

 みんながみんなの様子を見ながら、自然とそれができているのがとってもいい。


 そうやって、ざっと100匹くらいの骸骨退治が終わった。


「ふいー、思ったより苦戦したね。でも怪我もないし、全然やれるわ」

「葵はやはり強いですね。私はあれだけの数に囲まれると、どうしても手数が減ってしまいます」


 ずっと前からやってきた特訓の成果が出てるよね。ほんの少しの隙だって、私は見逃さずに攻撃をぶち込める。この階層で特訓すればもっと強くなれるだろうし、まだまだこれからだわ。


「沖ちゃんだって、慣れれば全然やれるよ。それよりどうしよっか? このまま続きやる?」

「あたしはこのまま続けたいわね。アオイの『武魂共鳴』で、装備が少しずつ強くなっている実感があるわ。レベルが上がらなくても、このまま続けていけば、もっと楽に戦えるようになるはずよ」

「私の拳銃も威力が上がるのか?」

「そのはずよ。あたしの装備は初期と比べて、確実に性能が上がっているから」

「すげえスキルだよな。まあその恩恵があるからこそ、有り金突っ込んで装備の更新やら追加やらしたんだけどよ」


 次元ポーチにしまっておかず、身につけてさえいれば性能が上がっていくスキルっぽいのは、マドカたちと確認している。

 無駄なものを装備したまま戦いはできないけど、邪魔にならない範囲でそれぞれが好きなものを装備している感じだ。私も使ってないナイフやなんかを腰のあたりに装着しているし。全然使わんけど。


 せっかくのスキルなんだから、最大限に利用しないともったいないよね。


「葵ちゃん、レベルアップまではどのくらいですか?」

「んー、そうだね。いまのやつをあと15回くらいやれば上がるかな? たぶんだけど」

「あと15回か。やればやるほど楽になっていくと考えれば、やり甲斐はあるな」

「そのくらい、あっという間よ。みんなも大丈夫よね?」


 まだ始まったばかりだからね。へばってもらっちゃ困るよ。


「ほいじゃ、続きね。銀ちゃん、また一発頼むよ!」

「ああ、わかった」


 ささっと狙撃銃をぶっ放し、またおびき寄せ作戦が始まった。

 地味な戦いだけど、ホントやり甲斐はあるね。


 それに私のレベルアップが近づいている。そろそろ足音が聞こえてきそうだね!

 やばいよ、そろそろサブクラスゲットしちゃうわ。なんか緊張してきたわ。

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