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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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123/216

ちょっと噂の7人パーティー

 私たちのホームグラウンド、神楽坂ダンジョン。

 誰でも知っている日本一の人気ダンジョンは、いつでも盛況で、もうお盆でもお正月でも関係なくハンターがたくさんいるらしい。


 労働に勤しむ数多くのハンターの中にあって、新人の私たちはとても有名になってしまったっぽい。

 少なくともハンター業界で、私たちはそこそこ顔も名前も売れている自覚がある。

 特に望んでそうなったわけではなく、流れで勝手にそうなった。


 パンチングマシンや蒼龍杯で話題になった私、元アイドルでスーパー美少女のマドカ、ヨーロッパ貴婦人の喪服スタイルのツバキ、この3人組はそりゃまあ目立つでしょうよ、という少数パーティーだった。


 しかも私たちは普通のハンターとは違い、更衣室を使わずに私服のままでダンジョンに入る。

 おまけにダンジョンの領域に入ると同時に姿を消してしまう。

 なにかのスキルだと想像はできても、不思議ことは不思議だし、ほかの奴らの立場になってみれば、気になることがあまりに多いと思う。


 それはあれこれと、あることないこと噂話も広がってしまうよね。そりゃそうだよね。


 でも、そんなことは知ったこっちゃない。他人の噂なんかどうでもいいわ。

 勝手に不思議に思っていればいいんだよ、なんて思ってしまう。


 噂話だけならともかく、実際に近づいて来るのはちょっと変な奴が多いからね。私ったら、そういう奴には容赦しないよ。

 誰だよお前? 鬱陶しいから話しかけんな、邪魔すんな!


 そして妙に偉そうな、でかい態度の奴らもいます。

 なんなのかね? こういう奴らって。もちろん私ったら、つれない態度で撃退します。

 超冷たいです。あからさまな塩対応です。

 ムカつく感じの悪い奴らには、それ相応の態度で返します。


 うるせーんだよ! 話しかけんな! 近づくな! おらーっ!


 私たちったら新人のくせに、なんて態度の悪い3人組なんでしょう。

 もういつ村八分にされてもおかしくありません。でもそんなの上等です。やりたいならやればいいのです。


 しかし、です。

 それでも私たちは若くて可愛い女子なのです。

 ちょっと口と態度が悪いことくらい、帳消しにしてしまうほどの魅力があるのです。たぶん。

 お近づきになりたいと願う野獣のごとき男女が、それはもうたくさんいるのです。


 虎視眈々と狙われているのです。常日頃から!


 あやうい立場の乙女たち。

 もしかしたら、ピンチはすぐそこに迫っていた可能性は超あります。


 ところがどっこい。

 そんな少数の女子パーティーに、新たな仲間が加わったのです。

 私たちを狙っていた、うだつの上がらない十把一絡げのハンターどもにとって、これは予想外の事態でしょう。


 いつも和装で凛とした雰囲気の沖ちゃんと、フェミニンな服装で優しい雰囲気満点のリカちゃん。このふたりはまだいいと思います。

 3人組から5人組になったとして、まだお近づきになりたいと願う野獣どもは態度を改めはしないでしょう。むしろもっと、がっつく態度になったかもしれません。


 でも残るふたりの仲間が違います。

 黒スーツにメガネで鋭い雰囲気を出しまくりの銀ちゃん、どう見てもキャバ嬢っぽいけどなんか怖い感じがするまゆまゆ。

 このふたりは自然と周囲を威圧しています。ナチュラルにおっかない!


 何モンだよ、こいつら! 絶対、アウトローな世界で生きてるだろ!

 かもしだす貫禄が年相応とはとても思えない! 最悪、10歳や20歳はサバ読んでるだろ!

 そんなふたりなのです。

 でも少なくとも私たちには優しく、頼りになるお姉さんです。



 愉快な仲間を加えて3人組から7人組になった私たちは、日本一のダンジョン管理所で、確実にいっちゃん目立っていました。

 ここには有名なクランの有名なハンターたちがいるにもかかわらず、どこの誰よりも目立っています。


 サブクラスをゲットできるレベル20にも満たない、たった7人の女子ハンターたちが!

 話題も視線も独占しているのです!

 それはそれは話のネタになるでしょう。人によってはメシの種にしようともするでしょう。


 しかし、目標に向かって突き進む新進気鋭の私たちは、雑音のすべてを無視しています。


 元からそうですが、まず態度が悪いです。

 どんな立場のどんな奴に話しかけられようと、無視か邪険に追い払います。

 誰に対しても冷たいです。年上の先輩たちはもちろんのこと、同年代の若者にも容赦がありません。


 私たちは人気者になりたいだなんて、ほんの少しだって思っちゃいません。これっぽっちも思いません。

 クランを作ったあとで普通なら考える、スポンサーシップのことだって完全お断りの姿勢です。

 めんどくさいことのすべてを拒絶しています。


 ダンジョン探索以外の大抵のことを、ただめんどくさいとしか思っていません。めちゃくちゃ集中しています。

 ほしいと思った味方には、こっちから近づきます。有象無象には興味ありません。


 そんな私たちともなれば、当然のように敵が増えます。

 気に食わないと思う奴らが増殖するのは極めて自然なことです。

 密かな人気者から一転し、嫌われ者に。


 しかしです。


 だから、なに?

 どーでもいい。

 知ったこっちゃねー。


 傲慢!

 なんて傲岸不遜な態度でしょう。

 だから嫌われるのです。



 そんな悪い意味で目立ちまくりの私たちは、今日も神楽坂ダンジョンで生意気三昧に振る舞います。

 肩で風を切って歩き、かけられる声を無視し、文句のありそうな奴らを無言の視線で黙らせます。主に銀ちゃんとまゆまゆが。


 レベルの高いハンター?

 有名なクラン?

 知らん!


 そもそも本当にレベル高いの? 有名ってどのくらい?

 絶対、中途半端だろ! お前ら絶対に中途半端な奴らだろ!


 傍若無人な決めつけですが、たぶんほぼ当たっているのです。そんなもんです。


 まだ若いながらも、世の中の悪いところをたくさん知っている銀ちゃんたちやマドカは、世の中の厳しさも知っています。

 世間知らずのひよっこは、私とツバキだけです。たぶん知らないところでも、みんなに守られています。でもそんなひよっこの私とツバキが、ダンジョンの中ではトップツーを占める戦闘力を持っているのです。


 とてもいいバランスですね。


 レベルが上がってクランを立ち上げれば、クランランキングに殴り込み開始です。

 またもや注目を浴びることでしょう。

 そうなれば次は単なる注目のパーティーではなく、ランキングの順位を争うライバルとしてです。

 実利のかかったランキングを舞台にしての勝負です。


 私たちの存在は、多くの奴らにとってますますの目ざわりとなること間違いなし!

 いやー、とっても楽しみですわ。

今回は主人公の完全モノローグで、ここまでの状況整理と振り返りといった内容になっています。

章立てをするとしたら、ここまでが第二章か、第三章の終わりに相当するかと思います。


愉快な仲間たちを集めて、ここからサブクラスの獲得、そしてクランを作っていく未来が待っています。

新メンバーはまだ仲間感が少し薄いかもしれませんが、きっとここから濃くなっていくに違いありません。

葵たちの物語はまだここからですね。

オフラインで書き溜めている文章量もそこそこありますので、今後ともお付き合いいただけますと幸いです!


次話「進め、サブクラスへの道!」に続きます。


前回のあとがきでも書きましたが、

もしよければ、感想や評価をいただけると励みになります。これはホントにパワーになります。

応援してもらえたら嬉しく、超ありがたいです。ポジティブコメントお待ちしています!

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