ラッキースケベ
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家に帰り配信のアーカイブを見ながら今日約束した宿題を消化しようと試みる。
検索サイトで「春服」と入れてみたが今度は逆に多すぎてどれを書いたらいいわからなくっている。
生放送が始まってしまったら絵を描いているどころではない。
癪ではあるが紫乃に頼るしかない。紫乃も青波に依頼をしているはずである。スマホを見るとつい五分前に連絡が来ていた。
どうやら考えていることは似ているらしい。
『青波からアイデア出すように言われてない?』
『聞いてるよ、紫乃は何かかけた?』
どうやらすぐに既読がついた、さすがに八時だと夕食が終わっているだろう。
『まだ完成はしていないわ、でもいくつかざっくり色を塗ってみたわ。』
送られてきた絵を見ると確かにざっくりとした線と色だがこの時点で傑作の予感がしていた。
完成したらさらに素晴らしいものになるに違いない。理想的な春コーデになっていると思う。たぶん。
『どうよ、投稿はできないけれどいい感じじゃない?』
『やっぱりすごいわ、俺のも見て』
授業中に書いた絵を送る、もしかしたら思いのほか高評価で帰ってくるかもしれない。
しかし、そんな甘い期待は打ち切られた。
『これじゃ駄目、いくら何でも雑すぎる。線もがたがた、青波に見せられない。』
やはり付け焼刃ではどうにもならなかった。
『今度の土曜日に服屋に行きましょう、まず今何が流行っているか教えてあげるわ。』
『どうせ服とかスカートとかよくわからないでしょ』
『わかったよ。行くよ、家まで行くから待っていてくれ。』
なんで、服に興味がないことが分かってしまったのか。
今まで私服は機能性重視で過ごしてきたからシンプルなものしか着てこなかったのがあだとなったか。
一緒に服を買うといってもレディースを見て回るとどこに行けばいいのか。いや、落ち着け、落ち着くんだ。多分どうにか案内してくれるはずだ。
たぶんこれでかわいい服をきた『ミルク』がかけるようになったらいいが。
買い物当日、時間通りに向かうとすでに紫乃は待っていた。太陽は高く昇っていて日陰に入っている。天気がいいからだろうかほんのり汗ばんでいた、部屋の中で待ってればいいのに。
「遅いわ、金彦。私を待たせるなんていい度胸してるわね、全く。」
「私の服似あってるでしょ。どうよ。」
レースのついた薄い腕と模様がついているトップス白くて短い短パンがとても似合っていた。
私服は久しぶりに見たが誰もが二度見しそうなほどの美人である。
ポーズまで決めていてノリノリである。
「まさかこの服の良さがわからないんじゃないでしょうね。今はやりのKpop風よ。」
「私のことスマホで撮りなさい。見返すと良いわ。」
なんていえばいいのかわからず黙って写真を撮っていると「何か言うことはないわけ!」と怒られた。
「よく似合ってるよ、紫乃。」
「最初からそう言いなさいよ。」
「ほら、行くわよ、店が開いちゃうわ。」
なんだか少しだけうつむいて両肩をつかんで門の外へと追いやられた。声が若干震えている。
表情が見えないけれどカバンも見えていない。床に置き忘れているけれどもいいのだろうか。
「カバンはもっていかなくていいのか?」
「いいわけないでしょ、バカ。早く言いなさい。」
電車にのっているとあっという間に大型ショッピングモールセンターについたのだった。ここではなんでもある。
みんな大好きな場所である。
いつもの服屋に行こうとしたら、早速止められてしまった。
「どこ行こうとしてるのよ、今日はこっちよ。私の服を選ぶんでしょ。」
「その店入ったことないんだが、大丈夫なのか。」
「何言ってるのチャレンジよ、チャレンジ。なんでもいいわ。私に似合う服を選んで頂戴。」
話が違うではないか。今日は流行の服を教えてもらう日ではなかったのか。
それに服のセンスがないのにどうやって選べばいいのか。
惑っているとさっさ行ってきなさいとばかりに背中を押された。仕方がなく店内を物色する。
「いらっしゃいませ~、いらっしゃいませ~、本日は夏の新作コーデがセール中です。」
店員さんがいろいろ言っているが今欲しいのは春用の服である。
「この黒い透けてるやつがいいのか、おしゃれなワイシャツがいいのか、これとかいいんじゃないか。ベルトの部分が長いスカートとかいいんじゃないか」
とりあえず全く分かんなかったので加えて手に取った時に反応があったものを渡すと更衣室に入っていった。
「じゃあ待ってなさいよ。」
カーテンを閉めて着替えている。これでよかったのかもう一時間くらいたったのではないかとスマホを取り出そうとしたとき、
カーテンが閉め切っていないことに気が付いた。
隙間が結構空いている。後ろを見たら誰もいなかった、よかった。
そっとカーテンを閉めようと手を伸ばすと、気づいた。
ちょっとだけ中を覗けるのでは。
迷わず、カーテンを閉める時に少し見えるだけだと言い聞かせて中を見ると…
ひらひらしたブラジャーをつけて今まさにスカートを履こうとしている、スカートの隙間からパンツまで見えている紫乃の姿があった。
前回の写真とは違ってずいぶんおしゃれになっている。
カーテンを閉めようとすると、今まさに着替えている紫乃と目があってしまった…
「あんたって、スケベなのね。」
「あっ…ごめっ」ん
シャっと閉じられてしまった。もしかしなくても怒らせてしまったのだろう。気まずい時間が流れていった。
ただがさごそと音は聞こえるのできっと着替えてはいる。
何も話さないでいるとそぉっとカーテンが開かれた。
「もういいわよ、よく見なさい。」
そこには渡した服を着た紫乃の姿があった。なんだか投げやりに選んでしまったが透けて見えている腕、すらりと伸びた細長い脚。よくにあっている。
紫乃が最初に来ていた服にも負けずにかわいい姿であった。朝…はっ…
「めっちゃかわいいぞ紫乃!!」
「そうね、私も良いと思うわ。」
最速の誉め言葉にどうやら機嫌は持ち直したようだ。
「これは買うわ、他にも持ってきなさいよ。」
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