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赤煉瓦の町で再開した仲間 Lv.2(八話)

扉がきしむ音。

 暗闇に蝋燭の火が照らし、まだ埃を被っていない箱が見えた。

 レサトは箱を見ながらため息を吐く。

 ゆっくりとリビングで眠る少女を起こさない様に箱を開けた。

 中には一枚のベージュのコートに、チラチラとテカるスーツ、釘の形状をした細長いクナイが入っていた。

「もう、着ないと思ってたわ」

 呆れたように呟く。

 ファイアナド騎士団やメアリーとオリパスに出会う以前から使っていた物だ。

 正直に言えば、二度と着たくなかった。

 でも、仕方がない。

 蝋燭を棚の上に置く。

 スカートのファスナーを下ろした。

 手放せば簡単に地面に落ちる。

 シャツのボタンを一つずつ外していく。

 全部外し終えて、脱ごうとした。その時、全身にまとわり付くように冷気が絡み付いてくる。

 しないはずの悪臭が漂う。

 気づけば、体は震えていた。

 落ち着く様に肩を抑え、目を瞑る。

「……」

 まだ、残っている下着も脱ぎ始めた。

「はぁ……」

 ため息を吐きながら、箱の中に入っていたテカる布を摘んで取り出す。

 吐き気すら感じる物だった。

 虫唾が走る。

 それでも、レサトは袖を通すと決めていた。

 

 リビングに戻るが、オリパスの姿がない。

 窓の外を見れば、うっすらと明るく白い霧に覆われていた。

 髪を解いて外に出ようとする。

 ふと、ベッドに寄りかかりながら寝る少女に目が止まった。

 綺麗な金髪に、可愛い寝息を立てている。

 気休め程度に毛布をかけられていた。

 きっと、オリパスがやったのだと分かる。

 レサトはクスッと笑ってしまった。

 もう少し手心を加えてもバチは当たらないわよ。と思ったのだ。

 外に出ようとする足の向きを少し変えて、少女に近づく。

 ゆっくりと起こさない様に抱え上げた。

 誰もいないベッドに寝そべられる。

 布団の隙間から冷たい風が入らない様に整えてあげた。

 ふと、少女は何かを感じて、うっすらと目を開く。

「レサ……姉?」

 きっと、手袋の冷たさに気づいたのだろう。

 綺麗な黄色い瞳と目があった。

「まだ、寝てて大丈夫よ」

 そう、優しく囁いてあげた。

 少女は小さな声でうん、と呟いて、寝息を立て始める。

 レサトは少女から目を逸らす様に、玄関に向かった。

 自分の運命は血塗られているのだと思いながらゆっくりと静かに戸を開ける。

あやしいものじゃないよ、あやかしだよ。

どうも、あやかしの濫です。

レサトさんどんだけ着るの嫌なんだよ……

そりゃ、遺伝子レベルで嫌なんだと思います。

それでも、彼女としてはオリパスを手伝わなくてはいけないんです。

正直、このシーン書いてる時、よく以上に爆弾を扱ってるようで

冷や冷やが上をいっていました。

キャリーをベットにずらすシーン母性を感じますね。優しい……

オリパスが毛布だけ掛けてたのが個人的に微妙な優しさで、

女の子に気を使って中途半端なのが気に行ってます。

「キャリー・ピジュンの冒険」に興味を持ってくださったら、

ブックマーク、評価を付けてくださると嬉しいです。

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