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舞い降りる希望 Lv.5(五話)

 濃い青空の下、荒野から乾いた風が吹き抜ける。


 そこら中の建物は好き放題建てられ、剥き出しの巨大な歯車と真っ黒な濃い煙をあげる小さな煙突が所々生えていた。


 スタックタウンの屋上で、血溜まりの中、オリパスは窮地に立たされてしまう。

 センター分けされた前髪から覗く彼の瞳は紅く鋭い視線で、周囲の様子を伺っている。


 目を開けているのが辛いのか、彼は時折、目を瞬かせてしまう。

 視線の先には無数の銃口がオリパスに向けられていた。


 正確にはオリパスと腕の中で気を失っているオットーに向けられている。


 長銃を向けているのはここ、技術の街スタックタウンの住人であり、オリパスと神の国バシレイアに恨みを持つ者たちだ。


 中央に陣取り、指揮を取る男が一人。


 長い白髪に枯れ木の様な細い手足をしている。

彼の名前は、カニンチェン・ノイマン。かつて、神の国の首筋にまで手を伸ばした男である。


 カニンチェンは再び神の国バシレイアを滅ぼす為、邪魔になるオリパスとオットーを始末しようとしていた。


 オリパスは視線を下に向ける。


 彼の腕には虎の黄色と白の毛並みをした丸い耳に、虎の模様が入った前髪、皮のジャケットを羽織ったオットーが気を失っていた。


 祝福の力の影響により、虎の耳と尻尾。そして、今は腕に黄色と黒の縞模様の毛並みに包まれた鋭い爪を伸ばしていた。


 オリパスとオットーはほんの少し前まで戦っていた中だ。

 二人が心を開き、向き合おうとした。直後、カニンチェンの横槍で、彼女は気を失ってしまい今に至る。


 決着はうやむやになってしまった。

 オリパスは奴らの敵となったオットーを抱えながらカニンチェンを睨む。


(カニンチェン・ノイマン……彼の話は少し知っている)


 噂程度のものだが、神の国バシレイアにいた際、耳にしていた。


(貴族として、順風満帆な日々を送っていたはずが、突然、国家転覆を企んだ男だ)


 当然、企んだだけではただの戯言に過ぎない。しかし、カニンチェン・ノイマンの計画は誰もを驚愕させたと言う。


 彼の計画には誰をどの順に暗殺していけば、悟られずに済むか。

 物資をどこで手に入れて、どの様に使うかなど事細かに練られていた。


 何より恐ろしいのはターゲットの動きを事細かに把握し、計画がどの様に進むのか書かれていることだ。


 彼が作った転覆計画を見た者は全員、できると確信してしまう。

 穴を探そうとしても、さらなる、確信を生むだけだった。


 国はカニンチェンの頭脳を危険視し、ファドン刑務所へ投獄する事を決めたのだ。


(一体どれ程、頭の切れる男なんだ)


 見た者たち、全員に納得させるほどの国家転覆計画。

 出鱈目とも言える話に首を振って否定したかった。しかし、初めて出会った今、彼ならば、できてしまうかもしれない。


 オリパスはそう感じてしまった。


(再び神の国を滅ぼそうと考えているのならば、止めなくては)


 オリパスは鋭い視線でカニンチェンを睨む。

 無数の銃口の隙間から真っ白な長髪を靡かせる彼は静かに笑みを浮かべている。


(なんとか、しなくちゃならないのに……)


 今のオリパスにはできる事はなかった。

 オットーとの戦いで疲弊した彼は、万全な相手に戦いを挑めない。

 それにオリパスは勇猛果敢ではないのだ。


(例え動けたとして、こいつをどうするんだ)


 気を失っているオットーを心配してしまう。

 彼女がそんな弱い奴なんて思っていない。しかし、気になってしまうのだ。


(せめて、ここを動けるだけの隙を……銃があれば……)


 ホルスターケースの中身がない事に歯痒さを覚える。


「俺は……何もできないのか……」


 自分の無力さをあと何度繰り返すのか、オリパスは激情に駆られてしまう。


「早いところ、君たちを始末させてもらうよ」


 風が止んだ頃、カニンチェンは静かに口を開く。


「みんな、しっかり狙いを定めて」


 彼の言葉に部下たちは長銃を構え直す。


(せめて、銃があれば……)


 一瞬の隙をつき、状況を覆せる。

 もうダメなのか、そう諦めかけた。その時、カニンチェンの背後から何かが高く飛び上がる。

 太陽の様に綺麗な金髪、星の様に真っ直ぐと映る瞳をした少女。


 キャリー・ピジュンが絶望的状況のオリパスの元に駆け付ける

あやしいものじゃないよ、あやかしだよ。

どうも、あやかしの濫です。

オリパスがカニンチェンの噂を耳にしたのはバシレイアで度重なる会食に参加していたころです。

雑談程度に国の危機がどれだけあったか、話し合ってるのを聞きました。

とは言う物の神の国は比較的平和な国で数える程度の危機しか来ていません。

二三個上げたと思いきや数百年前の話にまでなるぐらいです。

「キャリー・ピジュンの冒険」を面白い、興味を持ったという方は、

是非、ブックマーク、高評価をよろしくお願いします。


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