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射影機とドラゴンと雨宿り Lv.3(一話)

 暗闇の中、泥沼に足が浸かり、思うように歩けない。

 それでも、キャリーは必死に前へ歩き続けていた。しかし、天真爛漫、疲れ知らずの彼女にも限界がある。


 手に膝をつき、キャリーは自分の手を見つめた。泥と闇で真っ黒に染まり何も見えない。


 彼女は途方に暮れる。


 自分が何をして、どこに行きたいのか、思い出せない。


 ふと、俯いていたキャリーの前に光が現れる。

 その光は太陽の様に眩しくて暖かい、いや、太陽そのものだった。


 キャリーは顔を上げ、前を見る。


 光の中に見覚えのある後ろ姿。炎の様に赤い髪、彼女の背中姿を忘れたことはない。

 そこいたのは、メアリー・ホルスだった。


 キャリーは咄嗟に呼び止めた。


「メア姉!」


「……」


 メアリーは振り返る事はなく、ただ、暗闇の先へ歩き始める。


「待って! メア姉! あたしも着いて行くから! 置いていかないで!」


 キャリーは泥沼の中、後を追おう。しかし、追っても、追っても、手を伸ばしても追いつけない。


 ふと、メアリーは足を止める。


 キャリーはようやく、メア姉に追いつけるんだ。と安堵し、後少しの距離を埋めようと彼女に近づいた。


 その時、メアリーがゆっくりとキャリーの方を振り返る。

 キャリーはいつもの様に優しい顔をこちらに向けてくれるのだと期待した。しかし、キャリーに向けられたのは、引き裂く様な鋭く残酷な視線だった。


 気づけば、メアリーから溢れ出る輝きはなくなり、暗闇が息吹きとなって彼女の背後から吹き荒れる。


 キャリーはゾッとし、たじろぎ、恐怖で後退りした。自分は決して悪い事をしていない。はず……なのになぜ、そんな風にこっちを見るのか、キャリーには分からなかった。


 メアリーは怯えるキャリーを静かにジッと見つめ、ゆっくりと前を向き。また、歩き始めた。


 キャリーはハッとなり、置いてかれてしまうと思い後を追おうとした。しかし、足が恐怖で動けない。

 キャリーは手を伸ばして、叫んだ。


「待ってメア姉! 置いていかないで! なんでも言う事聞くから! お願い! 置いていかないで!」


 彼女は前に前に手を伸ばす。その時、体勢が崩れてキャリーは沼の中に落ちて行った。

あやしいのもじゃないよ、あやかしだよ。

どうも、あやかしの濫です。

「射影機とドラゴンと雨宿り」が始まりました……現在、スタックしている最後の話がー!

 尖る予感しかないので、せめて、あやめに出せる様に書いてあります……

「キャリー・ピジュンの冒険」に興味を持ってくださったら、

ブックマーク、評価を付けてくださると嬉しいです。

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