離れの私
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「初めてのお茶会はどうだった?緊張したかい?」
馬車の中でパパが笑顔で聞いてくる。
(皆様の視線、私のドレスに釘付けだったよ....)
(こんなに私が冷遇されてるの気づかないの?)
「まあまあかな...」
目線を合わせずにそうごまかす。
「ちょっと!パパ私の話、聞いて!!」
「カイル様ったらね隣に座ったエリスのことずっと見つめてくるの☆」
「あれは私に惚れたわね!私ったらほんと罪作りよね~」
-家に着く迄ずっとエリスの自慢話が続いた-
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ベッドにごろごろ寝そべって今日のことを考えてみる。
普通の令嬢はそんなだらしない事はしないが離れ暮らしの私はごろごろし放題だ。
離れには私付きの侍女が一人いる。
しかし冷遇されてる私のことを舐めてかかっているため、ほとんど離れに居ないでサボってばかり。
食事を運んで来たり、最低限の仕事しかしてくれないし、何だったらそれさえも忘れたりする。
最近はもっぱら1日1食だ。
本邸でシェフが作った食事を運んで来るんだけど以前に比べて品数が減ってるのは実は途中で盗み食いしてるんじゃないかと疑っている。