三角な関係
一番星がすごいよ!
君は嬉しそうに電話をかけてきた。
缶ビールを片手にその声に酔いしれている。
君の声はどこでも聞こえる。
高くてちょっと幼い声。
ほろよいの私は考えていた。
また飲んでるよねー。
無言になるといつも言われる。
飲んでるよー、星が綺麗だからね。
窓を開けてまだ冬が残る風が肌に触れる。
私達は毎日この時間に電話をする。
かけてくるのはいつも君だけどね。
仲良すぎと言われるくらい仲が良い。
それは認めている。
仲良しだけの関係でいるだけで良かった。
君の隣にいる私はいつだって自分でいる。
笑うことも泣くこともできる。
それなのにこの気持ちだけは伝えない。
この関係が消えてしまったら君がいなくなったら。
考えただけでこの幸せが消えていく。
知らない君は電話の向こうで笑い続ける。
出会ったのは悪いことじゃない。
女同士だから悪いんじゃない。
ただ出会ったのが君なだけ。
好きになったのが君なだけ。
君が幸せになるまで私はそばにいる。
君の隣にいさせてなんて言わない。
今はただそばに居させて。