ぐろすき
「グロいの好きやねん」という奴がいた。
どのくらい好きやねんと訊くと「プロ級や」とわけわからん答えやねん。
「せやったらプロのワザぁ見せたる」と奴は言ったあと、口から包丁を取り出して、そのあと口から「ぶひぃ」と鳴く、唾液だらけの生きた豚を取り出した。
奴は包丁で豚の背中を刺した。
これには困った。
確かに血はたくさん背中から出ている。
クジラの潮噴き並みの出方だ。
しかし、グロいわけやないし怖くもない。
怖くないやん。
「グロいし。お前が訳分かってねぇだけやし」
グロくないし。怖くないし。マジねーし。マジねーし。
「じゃあお前をグロくしてやるるるるるるる」彼は包丁をこちらに向けてきて、こちらに突進してきた。
けどこけて、包丁を腹に抱えてうつ伏せに奴は倒れた。
「いってーし。マジねーし」
立ち上がると上半身裸の彼の腹には包丁が!
刺さってなくて、張り付いてた。ド根性!
「グロくね? グロくね?」
彼は腹を見せつけてくる。
その腹は最早、キングスライムである。
汚い。汚いよ!
しかも包丁付きだ。その腹はあまりにもクレイジーベイビー。
ああ怖い。怖いよ!
あああああああああああああああああああああああああああああああああ怖いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
そう叫びながら包丁に蹴りを入れると、包丁は奴の腹の中に潜り込んだ。
そして奴はおへそから血を吹き出した。
「ぎあああああら」
ああ、叫んだらノドが乾いた。
奴はもはや血の噴水だ。受け皿が無いから、どんどん地面に染みていく。
「ぶひぃ、ぶひぃ、ごくごく」