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第97話 奇声コンサート

 多種多様な奇声に触れたことで、もっと色々な種類の奇声を聞きたくなった。

奇声の手練れを集めて、奇声コンサートを開催しよう。


 奇声が盛んな町である鏡島の住人の中でも、

選りすぐりの奇声を放つ三人を連れてきた。

一人目は、ソプラノ担当 デイルスちゃん。

今年に還暦を迎える、広告代理店勤務のおじいさんである。

「吾輩はデイルスである。名前はまだない」

あります。(とぼ)けないでください。

このように、戦力外であることが明らかなため、直ちに帰宅を促した。


 二人目は、アルト担当 がんもどき伯爵。

来年に還暦を迎える、プロおはじき選手のおじいさんである。

要するに、デイルスちゃんの1個下というわけだ。

がんもどきを食べたことは一度もないらしい。

「実は吾輩……眠いのである」

寝てください。

このように、睡眠不足であることが明らかなため、直ちに帰宅を促した。


 三人目は、テノール・バス・伴奏・指揮担当 プリンセス椿。

50年後に還暦を迎える、海老反りガンマンの女子小学生である。

要するに、デイルスちゃんの50個下で、がんもどき伯爵の49個下というわけだ。

毎朝欠かさず、がんもどきを食べているらしい。

「あちきに奇声は任せぃ」

いた。世にも珍しい”あちき”がいた。

「何黙っとるんでぇ。早く進めてよ」

このように、”あちき”とのコミュニケーションは困難を極めるため、

直ちに帰宅を促した。


 奇声コンサート計画は、力及ばず失敗に終わった。

吾輩二人に、あちき一人。まだまだこの世界は知らないことだらけだ。

今日受けた衝撃に思いを馳せながら、俺はがんもどきをへそに詰めた。

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