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第92話 ラクダサイクロンこぶレボリューション失敗

 飛行機雲に前置詞を教えると、ソワグンダをする羽目に陥るようだ。

気を付けよう。


 詰め替え用サイクロンを空払いで手に入れた俺たちにとっては、

トンネル十二街も敵ではない。

特に身の引き締まったラクダのこぶを十二右衛門に向かって投げる。

奴はちょんまげから炎を出し、燃やされたこぶは忽ち灰へと姿を変えた。

ラクダサイクロンこぶレボリューション失敗。

使うちょんまげを間違えたか。作戦を切り替えなければ。

「尻拭いはおいらに任せるでな」

自分の尻を自分で拭くのは当然である。

トイレットペーパーを丁度切らしているが、問題ない。

これは比喩だ。実際に尻を拭うわけではない。

最近その区別を覚えたことで、生活が充実してきたように思う。


 十二右衛門が12本の刀をいつかのように構える。

まさか剣技でトンネルを突破しようとでも言うのか。

「十二刀流奥義 パセリ!!」

初回のディアスキアと一転して、露骨に植物感を出してきた。

そう言えば、三郎が毎朝つけている香水に確かパセリ成分が入っていたはず。

そう言わなければ、関連事項は何もない。

この事実を踏まえると、そう言わない方が余計なことを

思い出す必要がなく、展開がスムーズだ。

よし、そう言わないぞ。


 「パセリの花言葉は『死の前兆』でな」

勝負の前に敗北宣言。パセリが捨て身の一撃になるとは。

トンネルに切りかかる十二右衛門。折れる刀。散るレンガの破片。

暴発する液体窒素。焦る十二右衛門。

顔が綻ぶ裁判長。守りたいこの笑顔。世界が平和になりますように。

ズドーン!! これぞまさしく平穏の音。

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