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第89話 破壊的キセル

 黄金仮面男は、クレープ生地くらいの薄さになったヤスダに会うため、

ラスベガスヨシムランドへ向かっていった。

「おいらは知らぬ間に眠りこけていたのか……?」

十二右衛門が目覚めたようだ。

未だ改札に行く手を阻まれている奴だが、この窮地を脱する術はあるのか?


 十二右衛門が12本の刀を鞘から抜き、構えのポーズを取る。

凄まじい覇気だ。それを感じ取った三郎の体毛が逆立ち、

市川さんのみぞおちに突き刺さっている。

奴も紙飛行機に引き続き災難な男だが、

今回に至っては表情がにこやかであり、その理由は判然としない。

「十二刀流奥義 ディアスキア!!」

そう叫ぶと、十二右衛門は自動改札機を刀で滅多打ちに。

奴は力ずくで改札を突破した。

「ディアスキアの花言葉は『私を許して』。手荒なやり方で済まんでな」

花言葉を用いて洒落っ気を出しても、ちょんまげの強烈な印象は色褪せない。

美戯仁宮からの損害賠償請求を心待ちにしておくといいだろう。


 シュポー。ノベラビ列車の発車音が聞こえる。

まずいぞ。今回のを逃せば、次に来るのは20年後。

雨が降ろうと槍が降ろうとソーダフロートを飲み干す日々に嫌気が差した。

今日こそ熱々のコーラで喉を潤してやるんだ。

ではなく、雨が降ろうと槍が降ろうと、列車に乗り込まなければならない。

よし、市川さんお手製の段ボールロケットで追いつこう。

動力源は、十二右衛門のちょんまげから出る炎。

臭い。煙たい。不完全燃焼。

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