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第82話 忍者はこの中にいる!

当選に対する爆発的な喜びで宝くじを引き裂いてしまうなんて、

吉村さんにも微笑ましい一面があるのだな。

「大事な物破れてんじゃーん!」

今、ヤスダが言うのは違う。

登場する度に性格が豹変するお前の主役期間は疾うに終わった。

さぁ、隅に行った行った。おい、拗ねて膨れるなって。

「僕はここだよ」

ヤスダの声が後ろからする。

ということは、前で膨れているのは……フグ!

「忍法 変わり身の術」

ヤスダはいつの間にシャイボーイから忍者に転向したのか。

「まだまだ行くよ!」

次は何を……!?


 ヤスダが、宝くじの落ちている左半分と

吉村さんが手にしていた右半分を回収した。

「忍法 握り潰しの術」

奴が両手で宝くじを原子より小さく縮め上げる。

これにより、物質を構成する最小単位は『宝くじ』となった。

化学の教科書ができる限り早く改定されることを願うばかりである。

また大前提として、天地が何度ひっくり返ろうが、これは忍法とは言えない。

でも、今日の昼食代5ドルを道端で拾えたら、考えてやらなくもある。

そんな小さな幸せで俺は揺らがないのだ。

あ、マンホールの上に1セント。

よろしい、”握り潰し”を忍法と認めよう。


 「続いて、忍法 ボンド塗りの術」

工作を忍法と呼ぶでない。

しかし、宝くじはほぼ元通りの形となった。

サイズはミクロ規模であるが。


 これで10億ドルがようやく吉村さんのもとへ。

そして、勾玉を持つインド象のもとへ。

最終的には、飼い主のヤスダのもとへ。

「忍法 『嬉しさと同時に、これだけの大金を手にすることへの恐怖が

 僕を襲っています。なので、1ドル残らず銀行に預ける予定です』の術」

もはや感想。

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