第80話 ラジオよ永遠に
三郎は専門書のラジオに関するページを開き、壊れたラジオをその上に置く。
さらに、奴が呪印を結ぶと、黒紫色のオーラがラジオの周囲に見え始めた。
邪悪な儀式だ。
お、ラジオから微かに音が。
「本当にここがジャガイモの原産国なの?
そうは全く見えないけどね。
タロイモの原産国に見えるけどね」
ジャカルタいじりだ。
ズザーーーーーーーーーー
間もなく切断。放送事故を聴いてしまった。
ここで、三郎が爆竹で、吉村さんへ合図する。
すると、吉村さんがこれ見よがしに大声で。
「メディアは、新聞かテレビかインターネットに限るなぁ」
ラジオの纏うオーラがより黒々しくなった。
まさかラジオを貶して、負けん気を引き出そうとしているのか?
「ラジオ……ガンバル。ラジオ……マケナイ」
ラジオが喋った! いや、ラジオは元々喋るか。
それにしても健気だ。スキューバダイビングで親交を深めたい。
一緒に太平洋へ飛び込む。
「ラジオ……ボウスイセイジャナイ。ダカラ……」
ラジオ―! 俺が生粋の太平洋っ子であるばかりに。
せめて最後の言葉を聞かせておくれ。
「……ヘイ、ユー!
松葉杖をプレゼント・フォー・ミー、過ぎ去った栄光 スミス・J・新村です」
ムードぶち壊し。




