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第71話 動揺、後に脱線

 老朽化した天井と共に蒼龍が上から落ちてきた。

中古の商業施設を改装して造っただけあり、屋内は少々脆いようだ。

「皆さん、ごきげんよう」

奴はあくまで平静を装うつもりであるらしい。

しかし、目の泳ぎ方が水泳選手並である。

背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、そして自由形を難なくこなし、今ゴール!

日本代表 蒼龍、目泳ぎメドレー世界記録更新!

激動の歴史に一つ、その名を刻みました!

おめでとう、蒼龍。ありがとう、ホームベーカリー。

君という存在のおかげで、年越しは小腸より長いパンで願掛けです。

脱線した話は道なき道を突き進んだ末、

終点 「気持ち悪い比較対象」駅へと辿り着いた。


 俺の暴走を遮るように蒼龍が提案する。

「スロットでの損失を取り返したいでしょう?

 隣人の居場所を知る鍵も私は握っています。

 3対3で最後の勝負を派手にやろうじゃありませんか!」

カジノチームは、蒼龍、ドブネズミ洋平、花野美代子の三人。

こちらは、どのようなメンバー構成で挑むべきか。

俺と吉村さんは確定として、残り一枠が悩むところだ。

目下、全員の欠点しか見当たらない。

「ミディアムレアの僕の発言を許してくれる?」

許さないよ、ヤスダ。

すると、奴がいきなり床を殴った。大きな亀裂が入る。

口が駄目ならと、拳で語るな。

しかし、お前の思いは伝わった。

ここはインド象に行かせてやってくれ、と言うのだな。

承知。頼みを聞き入れるとしよう。

ラストを飾るのは、”勾玉爆弾ゲーム”。

これが白熱の一大決戦となるとは、俺たちはこのときまだ知る由もなかった。

と、言っておけば盛り上がざるを得まい。

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