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第69話 必然の顔合わせ(後編)

 「今、ビデオ切ろうとしたよね? 駄目だよ、最後まで見なきゃ」

怖い。”怖い”以外の感情は抱き様がない。

「で、言いたいことの二つ目は……忘れた。じゃあな」

本当に切れば良かった。時間の無駄遣いとは、まさにこのこと。


 さらにここで、モヒカン支配人から地獄の知らせが。

「二本目のビデオレターも抜かりなく、お預かりしております」

抜かっておくれよ。安本孝のひょっとこ(ヘアー)は二度と見たくない。

ついでに申し上げると、顔はひょっとこではなく、

強いて言うなら宗谷岬であった。

寒々しい顔面である。

顔面保護用ダウンジャケットを買ってあげたい。

しかし、ドブネズミ洋平のバルカン半島には遠く及んでいなかった。

半端な奴だ。いや、最北端か。

人の顔を地理的に捉えるのが、俺は得意なのかもしれない。


 二本目の再生が始まった。

「宗谷岬は酷いね。もっとマシな例えをして頂戴よ。

 デーヴィス海峡とか他に色々候補あるでしょ」

恐怖再び。

あと、安本孝は地理より歴史の方が好きだったはず。

奴が歴史の授業中、常に

「信長秀吉クレオパトラ信長秀吉クレオパトラ信長秀吉クレオ……」

と呟いていたことを鮮明に覚えている。


 安本孝はまだ話すことがあるようだ。

「本題は、さっき言い忘れたことを伝えたくて。

 お前は隣人の行方が気にならないかい?

 もし知りたいんだったら、蒼龍が何かしら情報を握っているとの

 垂れ込みがこっちまで流れてきているから、一度当たってみるといい。

 健闘を祈る」

良い感じで締めるな。

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