第66話 ゴリラがカジノで蛇食ってもO.K.?
「やはり僕はキンキンじゃないのか……」
ミディアムレアヤスダが指摘に怯え、自信を失いつつある。
もう一度だけでいいから、奴の得意げに言う「キンキンだぜ!」が聞きたい。
そんなこともあろうかと、ヤスダ激励隊出動!
まずは吉村さんによる爽快舞踊です、どうぞ。
下準備程度に済ませたブレイクダンスが、部屋中の埃を舞い上がらせる。
視界不良になったところで、吉村さんは正拳突きを一発繰り出した。
規格外の突きの速さの所為で、
奴の拳と空気の間が強く擦れ合い、摩擦熱で出火。
それと同時に、巨大な粉塵爆発が起こった。
イッツ爽快! 埃塗れのヤスダもニンマリ。
この調子で、三郎によるアオダイショウの踊り食いをどうぞ。
草食動物が蛇食に目覚める姿は、それはそれは恐ろしいものである。
絵面を考慮して、ここは全編省略。
丁度今、モヒカン支配人により、
今後一切の三郎の出入り禁止が言い渡されました。
至極当然の結果でしょう。
三郎は両手にバナナを持って裏口で立っていなさい。
決して人目を盗んでチョコバナナにしてはいけないよ。
30分後に三郎の様子を窺うと、
オペラ歌手と何やらバナナを介した契約を交わしているようだ。
話に区切りがついたのか、
彼がこちらへ向かってきて、ヤスダの真横で止まった。
そして、突如始まった絶叫オペラ。
耳元で不意に叫ばれたヤスダは、驚きの表情を浮かべながらも一言。
「キンキンだぜ!」
耳鼻科へ行こう。




