第64話 陰陽師カジノ潜入
陰陽師カジノの入り口前まで、花野美代子に案内された。
「案内代として50セントいただきますよ」
そうか、アメリカはチップ文化があるんだった。
ここは、吉村さんに支払ってもらおう。
「今、持ち合わせがないから、銀行でローン組んでくる」
止めた方がよい。
それ以前に、”職業:伝説の男”では審査に通らないであろうが。
「そのチップ請求は不当だ!」
裁判長が余計なときに熱血になっている。
その場凌ぎではあるが、三郎の抜け落ちた体毛の束を渡しておこう。
リサイクルショップへ売りに出せば、
買い取られるどころか、最低でも店から摘まみ出されるはずだ。
いざ、入場。
「招待状はお持ちでしょうか?」
モヒカン頭の支配人が尋ねてきた。
俺は蒼龍からの紙飛行機を見せる。
「大丈夫です。奥の部屋に入るか、すべらない話をするかお選びください」
俺たちは迷うことなく、奥へ進んだ。
先で待ち構えていたのは、今度こそドブネズミ洋平。
「よう、しばらくやったの。
ここでは儂がディーラーを務める。楽しく遊ぼうや」
行われるゲームは、”賭博にらめっこ”。
ドブネズミ洋平と花野美代子が変顔比べをするので、
勝つと思う方に金を賭けるという大博打に身が震える。
挑戦者はヤスダ。奴は花野美代子に4万ドルをベットした。
背水の陣。




