第54話 裏側(後編)
邪魔者は排除した。
ブルドッグに尻を咬まれる痛みを辛抱しつつ、話し合いを再開する。
飛行機落としとゴーストバスターマンは何の意見も挙げることなく、
昼食休憩に入った。
猿山の削りカスでも食べてくれ。
他称 架空一の美食家 西田によると、
それに砂糖を少々加えれば、絶望的な酸味が引き出されると言う。
予測不能な化学反応。
かけてもダメ、かけなくてもダメ。猿山の削りカスに道はない。
いよいよ本格的に路頭に迷ったぞ。
最終手段だ、ヤスダ本人に今後の方針を決めてもらおう。
ヤスダがフッ素カプセルからあくびをしながら出てきた。
よく眠れたようだ。全身の肌の光沢が素晴らしい。
これなら、奴の首筋でパンケーキを焼いたとしても、焦げ付きが気にならない。
浄化爺さんの数少ない役目の一つが失われてしまった。
しかし、画面越しの浄化爺さんは顔色一つ変えない。
精神力が桁違いだ。
『浄化爺さんのメンタルトレーニング教室』があれば是非とも通いたい。
カウボーイに身ぐるみ剥がされても動じない
ポーカーフェイスに俺はなる。
そして、ヤスダが希望を答える。
「川下りをしたいざます」
ヤスダのキャラクター設定がブレているが、採用。
只今、皆でナイル川を下ることに決定した。それでは解散。
「皆さん、初めまして。よろしく」
浄化爺さんの挨拶が無人の空間に響く。
驚異のタイムラグ。




