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第53話 裏側(中編)

 ハッとするような案がさっぱり出てこない。

正直なところ、幽霊の真っ当な提案に揺らぎそうになったが、

今考えてみれば取り下げられて本当に良かった。

もしあれを採用したのなら、

ある程度の構成が固まり、次の目標が明確になりやすい。

だが、それでは意外性がなくなってしまう。

突拍子もない展開が今作の売りだからな。

よし、理不尽ノ國に向かおう。そして、ヤスダの仮面を探す。

ついでに、隣人のカスタネットも一緒に取り返そう。

やはり俺は策士だ。悪い奴さ。

こんな斬新で誰も思いつきやしない計画を

ほんのわずかの時間で考え出してしまうんだもの。

やけに皆の視線が冷ややかだが、嫉妬か?

嫉妬だな、こりゃ。主役はつらいよ。


 以上が、黄金仮面男の独り言である。

立派な仮病鑑定士かと思えば、ただの自己陶酔者であった。

俺は、全く立場をわきまえていない奴を樽に詰め込み、地中海に放流。

漂着したスペインで闘牛に突かれた後、

痛みのあまり大西洋を水上徒歩で横断し、

アメリカで大統領選挙に出馬して、

途中に発覚したスキャンダルで出馬を取り止めてくれ。

スキャンダルは、手裏剣を投げた弾みで、

民家の二階にドラゴンを呼び出してしまったという内容以外なら何でも。

漂流中に口が寂しくならないように、

樽内をサムゲタンで満たしておいたから、そこは安心して構わない。


 打ち合わせの進み具合はすこぶる不調です。

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