表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/150

第47話 十五夜グルメ対決(延長戦)-ドリンクー

三郎は実質己との戦いだ。

なぜなら、西田という人物はどこにも存在しない。

それでもなお票を獲得し続ける奴の人望の厚さには、目を見張るものがある。

不可解な優位性をもつ西田に、三郎は一矢報いることができるのか。


 延長戦の課題は『食後のドリンク』。

三郎は、餅と米とパンと芋とビーフンをミキサーに入れてかき混ぜ、

粘り気がとてつもない白いドロドロをグラスに注いだ。

炭水化物のオンパレード。

これを飲み干した人に明日は保証できない。

せめて気休めとして、上にミントをふんだんに乗せてほしい。

三郎、オリーブオイルは一滴もいらないよ。

あ、オリーブオイルではなく、軽油なのね。

3000円分給油お願いします!


 三郎が出来上がったドリンクを毒見する。

結果は目に見えていると思うが。

予測通り、奴は目にも留まらぬ速さでえずいた。

審査員に拒否権はないのか。

俺と裁判長が怖気付く中、凛々しさの塊である吉村さんが一気に流し込む。

全くもって感心しかない。

奴が三郎の二の舞を演じたことは、ここでは内密にしておくとしよう。


 判定はドリンクを唯一飲むことができた吉村さんに委ねられた。

吉村さんは元来西田派であるが、

この混沌とした状況ではどう転ぶか何とも言い難い。

奴の嗚咽が美味しさによるものだと信じよう。

発表は口頭で行うようだ。

「蓮根の穴からゲリラ豪雨バンザーーーイ!!」

話が通じない。よって、勝者 三郎。

敵であったドブネズミ洋平の推すビーフンの力を借りて、

得体の知れない西田に打ち勝ち、

餅のこれからを決死の思いで三郎が守った。

不思議と嬉し涙は込み上げてこない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ