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第38話 長老ウサギのおもてなし

 黒焦げ餅を平らげて満腹である。

少し早い気もするが、故郷 地球に戻るとしよう。

が、次の瞬間、ここまで乗ってきたUFOが爆発。

どうやって帰れというのだ。

すると、月の長老らしきウサギが歩み寄ってきて言った。

「もしやそなたは吉村殿ではござらぬか? 間違っていたら申し訳ない」

「ああ、そうだが」

吉村さんが答える。

「やはり。それは良かった。

 吉村殿には昔、我らウサギ一族の命を救っていただいたご恩がございます。

 どうか私の屋敷でゆっくりしていってくださいな」

過去にそんな出来事があったとは。

そして、俺たちにゆっくりしてもらいたいがために、UFOを爆破したとは。

底知れぬ恐ろしさをもつ奴だ。

吉村さんは、長老が誰なのか未だに思い出せていない。


 「使いの者に屋敷まで案内させますので、しばしお待ちを」

と告げ、長老はドミノを一から並べ始めた。

俺が慌ててその意図を問いただすと、

長老があっけらかんとした顔で言う。

「このドミノを動画に収めてインターネットにアップロードし、

 広告収入で使いの者を雇うお金を手に入れるのであります」

桃栗3年柿8年使いの者は30年。

目標金額より長老の寿命の方が達するのが早いだろうに。

その上、NPO法人のサイトをハッキングして

そこに動画を載せようとしているが、それでは1銭たりとも入らぬぞ。

たった今耳に入った情報によると、

長老の屋敷は屋根なし、床なし、おまけに壁なしであるということだ。

圧倒的開放感。

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