表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/150

第33話 ツアー3日目 朝

 準決勝第1試合 俺 vs 三郎。

まずはお互いに気合い溜めの時間。

俺は至極一般的なブラジル流窒素鷲掴みで精神統一を図る。

片や三郎は地面に六芒星を描き、その中心で座禅を始める。

そして、一本指を天に向かって突き刺した瞬間、スミスが腹を下した。

とばっちりおめでとう。


 準備は万端。さぁ、行くぞ。

ただし、三郎のあがり症を考慮し、「最初はグー」と前置きすることに。

では、改めて。最初はグー!

……ん? チョキ? 三郎が「最初は」でチョキを出したのだ。

状況を把握すべく、俺の思考回路が瞬時に活性化し、無事オーバーヒート。

燃え尽きた頭で推測するに、「最初はグー」と事前に決めておくことで

俺が裏切ってパーに変えると読み、

そこへ応じるためにチョキを出したのではないだろうか。

でも、ゴリラの為せる業ではない。

真意を三郎に確認すると、

「ふっ、見破られてしまったか。お前の読み通りさ。

 これなら俺に勝ったのも頷ける。優勝しろよ。応援しているぜ」

と、言いそうな感じでただウホウホしている。

何もかも馬鹿馬鹿しくなった。どうやら第2試合も決着がついたようだ。

なっ! 市川さんと裁判長の2人が、

完全に戦意喪失し項垂(うなだ)れている。

その横では吉村さんが高らかにチョキを掲げる。

これが噂の”一人勝ち”というやつか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ