第30話 ツアー2日目 昼
選挙は三郎が急遽加わって四つ巴となり、予想だにしない大混戦へ。
投票、そして開票。全票数はゴリラの頭数と同じ1000。
イチバン0票。吉村さん0票。スミス・J・新村1000票。
ゴリラの喉元を過ぎるのがやたらと早くないか。
既に結果は分かっているというのに、拳を固く握りしめ必死に祈る三郎。
健気な阿保でござる。
いや、よく見ると、三郎は祈っているのではない。
海洋に廃棄されたプラスチックから、
手作業で自由の女神指人形を作っているのだ。
エコロジーゴリラ。好感度がうなぎ上り。
ただし、需要は気にしないものとする。
ここで、選挙管理委員長 リー夫人のお知らせコーナー。
「私の方から3つ報告があります。
まず1つ。エジソンは偉い人ではありません」
何だと!? 世間を揺るがす大事件ではないか!
「次に2つ目。1つ目の報告は嘘です。大変偉いです」
おい。
「では、最後の報告です。只今から再投票を行います。
ゴリラさんたちよく考えてください、スミスが再選した未来を。
理不尽ノ國は暗黒時代に突入することでしょう」
常に暗黒ですがいかが。
再投票、そして開票。
イチバン0票。吉村さん0票。スミス・J・新村1000票。
三郎、何かごめん。




