表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

139/150

第139話 でっち上げポリシー

 プリンセス椿の善意によって主役に復帰することはできたが、

俺を取り巻く周囲の視線がなぜか冷たい。

もしかして奴が余計なことを口走ったのではないだろうか。

「あひひひ」が公共の場に知られてしまえば、

もう俺は表に出られる人間でなくなってしまう。要注意だ。


 第2層は中盤から一本道が続く。

ここらで吉村さんたちと合流しておきたい。

すると、俺の願いに応えるかのように、

眩い光の中に三つのサングラスが現れた。

しかも、それら全てが食品から作られたお粗末な物ではなく、

しっかりとした銘柄品である。

そんな高級志向の奴らとは、ゴリラとウサギと30代男性。

「備えあれば患いなし。

 サングラスなんか、常に携帯しておくぐらいじゃないと。

 だけども、非常用だからと言って、品質を妥協してもいけない。

 伝説の男は365日通じて一流さ」

凛々しい様子で信条を力説する吉村さんの上着のポケットから、

一枚の白い紙が落ちた。

それはどうやら領収書のようだ。

拾って見てみると、そこにはサングラス三つを速達郵便で

送ってほしいという旨の注文が記されている。発行時刻は5分前。

「今回は例外だ」

例外確率100%。危うく奴の株を上げるところであった。

今、間違いなく言える。吉村さんは胡散臭い。俺は納豆臭い。

そうか、この強烈な刺激臭が冷遇の原因だな。

消臭スプレーをふんだんに自分に浴びせかければ問題解決。

あれ、思惑が外れた。皆がなお一層距離を取り始めたぞ。

俺の胸の内は穏やかでない。急いでスプレーのラベルを確認。


えないいのス(ー)プ(カ)レー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ